第202回:自社の強みが分からないとき、何から考えればよいか

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

ホームページを作るときに、「御社の強みは何ですか」と聞かれて困ったことはありませんか。他社と比べて特別にすごいことを探そうとしても、なかなか出てこない。考えた末に「強いて言えば価格でしょうか」となってしまうことがあります。

私は、最初から今の強みを一言で答えてもらう聞き方には、注意が必要だと思っています。強みが見つからないときは、無理に答えを作るより、目指す姿と、今の仕事の中でうまくいっていることを分けて考えてみてください。

全国で一番になれることを探そうとしない

強みを聞かれると、ほかのどこにもないものや、全国で一番と言えるものを探し始める方がいらっしゃいます。ホームページは全国から見られますから、無意識に比較する範囲まで大きくなってしまうんですね。

ただ、強みは、誰と比べるかによって変わるものです。お客さんが検討する相手と比べて、こちらを選ぶ理由があるか。そこを考えたいのであって、全国の会社に勝てる特徴を一つ持たなければ商売ができない、という話ではありません。

「ほかのどこにもないものがない」と「お客さんに選ばれる理由がない」は、分けて考えてください。最初から難しい条件を置いてしまうと、日々の仕事の中で評価されていることまで見えなくなります。

見つからないからと、価格や曖昧な言葉で埋めない

いろいろ考えても出てこないと、「それなら安さでいきましょう」「親切、丁寧ということにしましょう」と、何とか欄を埋めたくなるかもしれません。

でも、そうして決めた言葉をホームページに載せると、社内の考え方にも影響します。価格が強みだと掲げたことで、根拠のある値上げにも抵抗が出てしまう。働く方が、自分たちはそれくらいしか取り柄のない会社なのかと感じてしまう。そうしたことも心配です。

自分たちへの失望から、無理に強みを決めないでいただきたいんです。価格で選んでもらう方針があるなら別ですが、何も見つからなかったから安さを選ぶ、という決め方は避けたいと思います。

親切や丁寧という言葉も、それだけでは違いが分かりません。どのような対応がお客さんに喜ばれているのかまで考えて、初めて伝える内容になります。

これから何を強みにしていきたいか、先に考える

今、はっきり言える強みがないのであれば、一年後、三年後、五年後に、どんな会社になっていたいかを考えてみてください。どんな商品やサービスを提供して、何をお客さんに評価してもらいたいのか。まず、その姿を会社の中で共有します。

もちろん、既にお客さんから認められている強みがあるなら、それを活かせばよいと思います。ここでお伝えしたいのは、今すぐ言い切れるものが見つからない場合の考え方です。

強みは、今あるものを見つけるだけでなく、これから育てていくこともできます。三年後にこう評価されたいと決めれば、そのために何を変え、何を積み重ねるかを考えられます。

その際、Webでどう伝えるかも考えておくとよいですね。例えば、親切だと自分で言うだけでなく、どんな対応についてお客さんから声をいただけるようになりたいのか。その声や実績を積み重ねられる仕事をしていこう、と考えることができます。

目指していることと、既にできていることを書き分ける

そうすると、「その姿になるまで、ホームページには何も書けないのでしょうか」と聞かれることがあります。そんなことはありません。目標に向かって、今何をしているかを伝えることができます。

三年後にこういう会社になりたい。そのために今、こういう活動をしている。行き先と取り組みが具体的であれば、単に「頑張っています」と言うよりも、会社の姿勢が伝わりやすくなります。

ただし、これから実現したいことを、今の実績のように書いてはいけません。目標は目標として、現在行っていることは現在の取り組みとして、分けて伝えてください。

その過程を知っているお客さんに、後から「本当にそこまで来たんですね」と思ってもらえるかもしれません。会社が何を考え、どちらへ向かっているかを知ってもらうことにも意味があります。

今うまくいっている仕事を、数字やお客さんの声から探す

将来のことを考える一方で、今の会社の中にも目を向けてみてください。自分たちでは大したことがないと思っていても、実際には求められているものがあるかもしれません。

利益率が高い商品は何か。特に宣伝していないのに、お客さんのほうから欲しいと言ってくださるものはないか。満足しているお客さんが、共通して話していることはないか。こうしたところから見ていきます。

ある部署の活動が紹介につながっていたり、ある対応が繰り返し評価されていたりすることもあります。「何か強みはないかな」と頭の中だけで考えるより、仕事の結果を見たほうが気づきやすいんですね。

社内で自然とうまくいっている部分を見つけ、なぜ求められているのかを掘り下げてみましょう。利益率が高いこと自体をお客さんへ宣伝するのではなく、その背景に、相手が喜んでいる何かがないかを探すわけです。

将来目指す姿と、今既に評価されていること。この両方が見えてくると、キャッチコピーやコンテンツに使える材料も出てきます。強みという言葉を無理にひねり出すより、まず自社の仕事とこれからの方向を、具体的に見ていただければと思います。

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