第299回:Webが苦手なら、一ページの実践から経験をためる

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

WebやITが苦手だというお話を、ご相談の中でもよく聞きます。世の中に出ている活用事例を見ると、自分たちだけが使いこなせていないのでは、と感じるかもしれません。

でも、取り上げられるのは、うまくいった事例が中心です。苦手だと感じている会社もありますから、そこだけ見て焦らなくてよいと思います。ただ、分からないから全部外へ任せて、結果だけ聞けばよいという状態からは、少しずつ進んでいただきたいんですね。

自分で経験すると、提案の聞き方が変わる

会社を続けるためのやり方も、先輩経営者が試行錯誤してきたことを、私たちは受け継いでいます。書籍やセミナーから学ぶこともあるでしょう。ただ、そこで聞いた方法を、そのまま自社へ持ち込んでも、うまくいかないことがありますよね。

Webも同じで、外から取り込んだものを、自社の文化や仕事のやり方に合わせる必要があります。そのときに、自分たちでもやってみた経験があるかどうかは、大きいと思います。

経験があると、説明を聞いたときに、自分たちの仕事へ引きつけて考えられるようになります。例えば野球観戦でも、野球をやったことがあれば、見つけられる楽しみや、気づくところが違いますよね。

ホームページの提案を受けたときにも、以前ここで引っかかった、問い合わせは来たけれど、その後がうまくいかなかったという記憶があれば、質問する内容が変わります。それによって、提案が妥当か、相手と話が合うかも、考えやすくなります。

だから、苦手意識がある方には、何らかの形で経験してみてくださいと、私はお伝えしています。

いきなり会社のホームページ全体を引き受けない

経験するといっても、今から自分たちだけでホームページ全体を運用してください、という話ではありません。それは、さすがにリスクが大きすぎます。

これから独立する小さな会社なら、自分で始めるという選択もあるでしょう。それでも、マーケティングや営業、お客様への対応といったことを学んでから取り組んだほうがよいと思います。

既存の運用を大きく動かさず、一商品、一ページなど、影響を限ったところで経験を積むことをお勧めします。外部の会社と作って、更新してもらっているサイトがあるなら、その運用は続けながら、ここだけ自分たちで試してみるという形です。

ランディングページ一枚でも構いません。そこへアクセス解析やヒートマップを入れ、どんな動きがあるかを見る。広告を使うなら、どれくらい使い、どのように見られ、問い合わせや購入があったか、なかったかを、自分たちでも追ってみます。

すでに広告代理店へお願いしている場合は、先に相談してください。別々に出した広告が、出し方によっては互いに食い合うこともあります。小さく始めるつもりでも、既存の取り組みとの関係は考える必要があります。

更新操作ではなく、お客様の反応を経験する

最初はお知らせの更新から、というケースも多いと思います。ただ、それだけでは、お知らせを更新する操作を覚えたところで終わってしまいます。

WordPressで簡単なページを作れるようになることと、何を変えるとお客様がどう動くかを知ることは、違うんですね。

何を変えたらどうなったか、どんな人が来てどう動いたかを、自分たちで確かめることが大切です。どんなキーワードで入ってきたのか、どこで関心を持ったのか、何が効果的だったのか。そういうことを身をもって経験していただきたいんです。

ですから、単に更新の練習をするより、営業や売上につながる行動をしてもらうページを、一枚運用してみるところから始めるのがよいと思います。

失敗したときの影響は小さくする。でも、試す内容は、事業に関係するものにする。操作方法を覚えたかどうかだけを、成果にしないでいただきたいんですね。

担当者だけでなく、判断する人も一緒に関わる

担当者の育成も兼ねるなら、その方に任せながら進めることになります。ただし、担当者だけに閉じないでください。特に小さな会社では、経営者がWebやITに苦手意識を持ったままなのは、良くないと思います。

経営者や営業の上司など、意思決定に関わる方も入って、特別なプロジェクトとして取り組んでみてはどうでしょうか。

お客様はこんなふうに動くのか、という経験を、社内の判断する人たちも共有してください。外の会社へ次の依頼をするときにも、こういうことをしたい、これは効果がありそうだけれどどうだろうと、具体的に話せるようになります。

外部の専門家とは、そういう議論ができる関係になっていただきたいと思います。私たちも、何もかも任せてもらうことより、最後は皆さんのところのノウハウで回せるようになることを目指しています。

その上で、別の見方をお伝えしたり、まだ気づいていないところを指摘したり、必要な情報を持ってきたりする。そういう立場で支援できることが、一つのゴールです。

やってみることで、必要な情報も入ってくる

新しい趣味ができると、急に関連する情報が目につくようになることがありますよね。自分から探すようにもなります。Webも、やり始めると、情報を受け取るアンテナが変わります。

やっていなければ関心を持ちにくかったことも、自分たちの経験とつながるようになる。試して反応を得ることで、知見もたまっていきます。

分かってから始めるだけでなく、少し始めた経験を足場にして、分かることを増やしていくんです。外へ任せて結果だけ聞いている状態では、得にくいものがあります。

これを変えたら成果が出た、こっちは駄目だった。そうやって反応が返ってくると、では次はどうだろうと、楽しくなってくる方もいます。会社の目標設定やマネジメントにも関わるので、一概には言えませんが、楽しくなってくると進みやすいんですね。

苦手だからと全部を遠ざけず、かといって大きな仕事をいきなり抱えず、まずは限った範囲で、お客様の反応を知る経験をしてみてください。その積み重ねが、外の提案を自分たちで判断し、使いこなす力につながると思います。

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