第14回:ペルソナを作って終わりにしない、実際のお客さんから育てる使い方

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

ペルソナは、社内でお客さんの姿をそろえるための道具です

ペルソナにはいろいろな作り方がありますし、使う分野によっても考え方が違います。これが唯一の正解だ、というものではありません。ただ、Webマーケティングで活用するなら、何のために作るのかを忘れないでいただきたいんです。

私が大事だと思っているのは、コンテンツを作る人、営業する人、商品を考える人、購入後の対応をする人が、同じお客さんの姿を思い浮かべられることです。それぞれが別の人を想像していたら、会社として伝えることや対応がばらばらになってしまいます。

ペルソナを作ること自体を目的にせず、誰に向けて仕事をしているのかをそろえるために使ってください。立派な人物紹介が完成しても、その後の判断に使われなければ、あまり意味がありません。

同じ顧客像があれば、表現の判断が変わります

例えば、主なお客さんが年配の方で、小さな文字を読むのがつらいということが分かっていたとします。そうであれば、文字を大きくする、見やすい色の組み合わせにする、なじみのある言葉を使うといった判断につながりますよね。

ところが、その姿を共有していなければ、ある人は小さな文字でデザインを作り、別の人は若い人にしか通じない言葉を使い、また別の人は関心の薄い話題を発信してしまうかもしれません。それぞれはよかれと思ってやっていても、お客さんには合わなくなります。

もちろん、年齢だけで全員の好みが決まるわけではありません。実際のお客さんについて分かっていることを、日々の判断に結び付けるための共通認識が必要なんです。この人だったら、この説明で分かるだろうか。この情報を欲しいと思うだろうか。そうやって考えられるようにしていきます。

「最近買って、一番喜んでくれた人」から始める

では、どう作ればよいのでしょうか。私がお客さんにお聞きするのは、「最近買ってくれて、一番喜んでくれた方は、どんな方ですか」ということです。これから事業を始める場合など、まだお客さんがいないケースは別ですが、すでに商売をしているなら、実際にいる方から考えてみます。

どんな仕事をしているのか、どんな業界にいるのか、趣味は何なのか。知っていることを話していただきます。そして、その方は、ほかのお客さんにも共通するところがあるのかを確認します。一人の特殊な例なのか、それとも似た方が多いのかということですね。

そこを見ながら、まずは仮の人物像として置いてみるんです。頭の中で架空のキャラクターを作り込むより、実際に喜んで買ってくれた方を起点にする方が、仕事に使いやすいと私は考えています。

最初から全部を正確に埋める必要はありません。分かっているところから始めて、それを使いながら、合っているところと違うところを見つけていけばいいわけです。作る作業に時間をかけすぎて、その先に進めなくなるのは避けたいですね。

ペルソナに賞味期限を設けて、実態との違いを集める

作ったら、ずっとそのままにしておくのではなく、私は「賞味期限」を設けることをお勧めしています。例えば一か月後の会議で見直すと決めておく。その間、実際のお客さんと接する中で、違うなと思ったことを集めておくんです。

土日は家族と出掛けると思っていたけれど、実際には土日も仕事をしていた。こうしたことが分かれば、休日を前提にした情報の出し方を考え直す必要があるかもしれません。机の上で考えた設定より、お客さんの実際の生活を優先して直していきます。

見直しは、毎回別の人物を作り直すことではなく、実態との差を少しずつ埋めていくことです。なぜ違っていたのか、時期によるものなのか、といったことも話し合いながら修正します。そうやって何か月か使うことで、より現実に近い顧客像へ育てていけます。

そして、コンテンツやデザイン、広告を考えるときに、その顧客像へ戻ってください。自分が好きだから、社内で評判がよいからという理由だけで決めず、お客さんがどう受け取るかを考える。そのために、実際の情報を持ち寄って更新し続ける。ペルソナは、作った後の使い方まで含めて考えていただきたいと思います。

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