第540回: ブログを定期更新する必要はある?SEO記事を増やす前に確かめたいこと

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

コンテンツに関するご相談で、皆さんが心配されることは何か。「サービスページをどう作ればいいでしょうか」という話よりも、「継続してコンテンツを作れるかな、更新し続けられるかな」という不安の方が多いように感じます。

でも、そもそも継続的に更新するコンテンツ、多くの場合はブログですが、それは本当に必要なのでしょうか。必要だとしたら何に気をつけるのか。すでに取り組んでいるなら何を確認するのか。今回は、そのそもそもの部分をお伝えします。

定期更新より、お客さんの知りたいことに答えられているか

社長ブログなどが広まった頃からでしょうか。ブログシステムが出てきて、HTMLやCSSが分からなくても、自分たちでページを追加できるようになりました。外部のブログと連携したり、サブドメインを使ったりして、以前より簡単に更新できる時代になったわけです。

その後、SEOのためにさまざまなトピックを網羅した方がいい、狙っているキーワードに関連する言葉を拾って記事にしよう、という流れもありました。スタッフブログ、専門コラム、関連する基礎知識など、名前はいろいろですが、「こういうものを入れなければいけない」という話になっていったのかなと思います。

お客さん側が心配されるだけでなく、制作する側から提案するケースも多いので、なかなか悩ましいところです。ただ、継続的にコンテンツを増やすことが必要かというと、必ずしもそうではない、というのが私の実感です。

「定期的にコンテンツを出さなければいけない」という言葉自体に、少し方向のずれがあります。本来の目的は、お客さんが知りたいことや、時代に合わせて新しく現れた話題に対して、必要十分な情報を提供できるようにすることです。

似たサービスや競合他社がある中で、お客さんはどこを選ぶか。最初からプラスを探すというより、まず不安やリスクがないかを知りたがります。そのとき、自分が知りたい情報がないのは、お客さんにとって嫌な状況なんですね。

知りたいことは時代によって変わりますし、業界によってはタイムリーな話題もあります。そういう情報をさっと出せる体制が大事なのであって、定期的に記事を出すことそのものが大事なわけではありません。

記事のアクセスが、サービスに近いページへつながっているかを見る

外部から営業が来て、「メインキーワード+何か」というサジェストキーワードを片っ端から記事にする。安い価格で外注して、その部分だけ任せているケースもあると思います。でも、アクセス解析などを見ていると、あまり意味が出ていないケースが本当に多いんです。

少し厳しい言い方になりますが、外に任せた後、どれくらいアクセスを生んでいるかを見ていない方も多いのではないでしょうか。アクセスがあったとして、その先のサービスに近いコンテンツへお客さんを誘導できているか。そこまで確認していますか。

その記事に意味があって、会社や商売に興味を持ってもらえるように設計されていれば、そこからもう少しサービスに近いページへ進んでもらう流れがあるはずです。コラムだけのアクセス増加で終わらず、ビジネスに近いページも見られているかを確かめてください。

定期的に更新しているなら、記事が積み上がるにつれてアクセスも伸びているのか。その伸びに対して、ほかのページのアクセスはどうなっているのか。もちろん時事的な内容が多ければ、単純な積み上げにならないこともあります。

アクセス解析でページの移動を見たり、Clarityでクリックされている場所を見たりして、問い合わせなどに近いところへ進んでいるかを確認してみてください。どこから見ればいいか分からないなら、まずはその記事のPVだけでも構いません。

見てみると、あまり変わっていないこともあります。良くないケースでは、ほとんどアクセスがありません。安い単価で、検索して出てきた情報をうまくまとめ、それらしい記事を入れているだけでは、同じことをしている会社がほかにもあります。もっときちんと取り組んでいる企業もたくさんあるわけです。

お金をかけてページ数が増えると、サイトも成長しているように感じてしまう。でも、実際には商売につながっていない、というケースが多いんですね。

量産の予算を、既存記事の改善に回す

そういう状況なら、今の量産をすっぱりやめ、その予算で、もう少しきちんとしたライターの方に頼む方がいいと私は思います。

例えば、既存の記事をお客さんの目線で見て、改善すべきところはないかを確認してもらう。「こういう話題もあった方がいい」という内容の問題かもしれません。「文字ばかりだから、ここは図にする、箇条書きにするなど見せ方を変えた方がいい」という話かもしれません。

10記事を増やすくらいなら、1記事あたりに3倍のコストをかけて、既存の3記事をメンテナンスする方がいいと私は考えています。ページが増えることにお金を使うのではなく、お客さんに伝わる内容へ直すために使うわけです。

もちろん、新しい内容を出した方がいい場合もあります。2024年当時、私はE-E-A-Tの「経験」にも注目していました。既存の情報をまとめ直すだけでなく、自分たちの経験から出せる新しい情報に目を向けてほしい、と考えていたんです。

商売を続けてきた皆さんの中に、まだ出していない情報がある

「もう世の中で語り尽くされているのでは」と思うかもしれませんが、皆さんの頭の中にあって、Web上には出ていない情報はたくさんあります。

私自身、いろいろなホームページや情報源にかなり触れている方だと思います。この話をした2024年当時で、私が担当してきたお客さんは600、700という数でしたし、同時に20〜30件を見ていることもあったので、入ってくる情報は多かったんです。

それでも、お客さんのところへ行って話を聞くと、知らなかったことばかりなんですよ。どうでもいい話ではなく、商売に関係する内容です。「これはこういうことなんだ」「ここにはこういう違いがあるんだ」と、実際に聞いて初めて分かることが本当にあります。

ビデオ会議は移動時間がかからないので、とてもありがたいです。ただ、やっぱりそこへ行くこと自体にも価値があるなと感じます。少し話がそれましたが、それくらい知らないことがあるということは、皆さんの中にも、まだ出していないものがあるはずなんです。

営業で話すとお客さんの反応がいいことは、検索数が少なくても、伝える価値のある内容かもしれません。「この話は食いつきがあるよね。でも検索キーワードとしては全然ボリュームがない」。そういうものはたくさんありますし、昔からそういう話がお客さんに響くんです。

検索で見つけてもらう記事と、2ページ目・3ページ目の役割を分ける

検索で集客する段階では、お客さんがすでに知っている言葉からアプローチすることになります。知らない言葉は検索できませんから、お客さんの頭の中にある言葉を使う必要があります。

でも、その先の2ページ目、3ページ目は違います。サイトを見て回りながら、皆さんの商売への理解を深めてもらう段階では、お客さんがすでに知っているキーワードだけを気にしなくていいんです。

むしろ「そういうこともあるんだ」という驚きが、皆さんを選ぶ理由になっていきます。私がお客さんのところで聞いて驚くのと同じように、初めて知る話が興味につながるわけです。

検索で見つけてもらう記事と、その先でお客さんに響く内容を伝える記事は、同じ基準で考えなくて構いません。検索で見つけてもらうための記事は、ある程度検索される言葉を意識して、話題の軸がずれないように内容を膨らませる。それ以外の多くのコンテンツは、お客さんに響く内容を中心に、あまりSEOばかり気にせず作る方がいいと思います。

それを毎週1本、あるいは毎日出さなければいけないわけではありません。質を犠牲にして量を出すことには、私はほとんど意味を感じません。やることを3分の1に減らして、1つに3倍のコストをかけ、いいものを作り続けた方がいいと考えています。

理想を言えば、何らかの形で皆さん自身ができるようにしたいところです。Webサイトの固定ページでもブログでも、皆さんがお客さんに話しかけているのと同じです。自分たちの商売の説明を、自分たちでできず、丸ごと外に任せないといけないのは、本来おかしいと思うんですね。

ブログなのか動画なのか、スライドなのか、写真と文章なのか。どういう形で伝えるかはテクニックなので、相談してもらっていいと思います。でも、内容に関しては皆さんが主役です。Webをあまり気にせず、こつこつお客さんを取って、きちんと商売してきた会社こそ、出せるものがあるはずです。

続けている施策は、順位ではなく商売とのつながりを説明してもらう

すでに記事制作をお願いしているなら、アクセス数やエンゲージメント率などを確認し、「ずっと何となくお願いしてきたけれど、これには意味があるのかな」と疑問を持ってみてください。

きちんとしたパートナーなら、「こういう状況なので意味があります」と、数値を基に説明できるはずです。何位になったという順位だけではありません。ほとんど検索されない言葉なら、1位でも商売にはつながらないことがあります。

どれくらい集客できて、その先でビジネスにどうつながっているかを説明してもらってください。その説明ができない、何か曖昧だという場合は、やめることを考えたり、別のところに意見を聞いたりして、お金をかける価値があるかを判断してほしいと思います。

そもそも、お客さんは毎日更新しているから偉い、とは思っていないのではないでしょうか。さすがにブログが1年間止まっていれば不安になることはあるかもしれません。ただ、皆さん自身がほかの業種で探し物をするとき、「ここは定期的に豆知識を更新しているな」と気にしていますか。

自分たちが気にしていないなら、お客さんも同じかもしれません。定期更新しなければいけないという先入観は、少し捨ててもいいと思います。

コンテンツを増やす理由を、先に決めておく

やるなら、ちゃんと濃いコンテンツを作っていきたいですね。内容をきちんと作ると、お客さんの動きが変わることを私は感じています。会社のコンセプトとセットで設計すれば、会社に対する見方にも関わってきます。

ただの下請け会社なのか、ある分野に強い会社なのか。雑な仕事をするところなのか、きっちり仕事をするところなのか。そういう見られ方は、コンセプトから落とし込んだコンテンツで随分変わってきます。少し上の話から考えてもらえるといいのではないでしょうか。

私たちもWebサイト制作で、継続して出すコンテンツをご提案することはあります。ただ、あらかじめ何を作るか、なぜ必要かを決めたうえで提案しています。

初期段階で用意しきれない内容があるから。時代が変わり、新しく注目される話題が出てきたときに書ける場所があった方がいいから。あるいは制作事例など、ブログのような仕組みにした方が、現場で更新しやすく、形式もそろえられるから。そうした理由があって作ります。

必ずビジネスを前提にして、その中で皆さんが更新し続けられるよう、レクチャーもしながら支援しています。

コンテンツは難しいですね。量を出したところで読まれるわけではないし、では動画ならいいかというと、動画も考えて作らなければ見てもらえません。情報がこれだけあふれているので、何でも作ればいいわけではないと本当に感じます。

私自身ももっと真剣に考えなければいけないと思いながら、自社のコンテンツは放置気味で、反省しています。お客さんのことで手いっぱいになり、自分のサイトはなかなか手を付けられていません。その点は、あまりうちのサイトを参考にしないでください。

関連コンテンツ

記事からサービスへのつなぎ方は、第355回:集客から検討へのつながりを確かめるでも扱っています。工務店の網戸の直し方を例に、記事を読んだ人が相談を考えるまでの流れをお伝えしています。

既存ページを残すか、直すか、まとめるかを整理するときは、コンテンツ作成・活用入門の更新・統合・廃止の判断も参考にしてください。

配信スタンド

運用責任者は、更新本数を目的にせず、記事の役割から継続、更新、統合、廃止を判断するときに、役割と品質からコンテンツの継続可否を判断する方法を使えます。

■Podcast /Webinar への質問は

こちらのフォームへどうぞ。
https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7

運営・進行

株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)

代表取締役・コンサルタント 中山陽平

Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/

このWebサイトをフォローする
中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ)
無料公開中 令和時代の買い手を理解する Webコンサルの基礎資料