第355回:記事を増やしても問い合わせが増えないとき、集客から検討へのつながりを確かめる

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

コンテンツを作らなければいけないと思って、実際に記事を増やしている。検索順位も上がり、アクセス数も増えた。でも、問い合わせにつながっている感触がない。こういうご相談は少なくありません。

そのとき、さらに記事を増やす前に見ていただきたいところがあります。集客するためのコンテンツと、来た人にサービスを検討してもらうためのコンテンツが、きちんとつながっているかという点です。

集客する記事だけを増やしていないか

コンテンツには役割があります。まだ自社を知らない人に触れてもらうものと、興味を持った人にサービスを詳しく知ってもらい、問い合わせや購入へ進んでもらうものです。

マーケティングでは、この流れを漏斗に見立ててファネルと呼びます。上の段階がTOFU、真ん中がMOFU、最後がBOFUです。厳密にどこまでがどれかと分けるより、まずは集客用と、その先で検討してもらうためのコンテンツがある、と捉えてください。

たとえば、ホームセンターなら商品の使い方や選び方を紹介する記事は、初めての人に見つけてもらう入口になります。一方、サービスの特徴、実績、お客様の声、よくある質問、資料などは、自分に合うかを判断してもらう材料になります。

検索されている言葉を調べ、記事を網羅していく。これは集客のためには必要ですが、来た人が検討できる材料が足りなければ、入口を広げても反響が増えるとは限りません。アクセスが3倍になれば問い合わせも3倍になる、という関係ではないんですね。

集客用の記事ばかり作っていると、アクセス数が増える一方で、問い合わせに至る割合は下がっていくことがあります。その場合、次の記事を作る前に、受け皿となるサービス紹介や判断材料が整っているかを確認してほしいと思います。

サイトの中だけを磨いても、入口は増えない

逆のパターンもあります。自分のサイトに愛着があり、サービス説明や見せ方を一生懸命改善している。でも、そもそも知ってもらうためのコンテンツを作っていないというケースです。

成果が変わらないと、デザインが悪いのではないか、古いシステムだからではないかと、リニューアルを繰り返してしまう。しかし、サイトの中身を良くすることと、人に来てもらうことは、両方考えなければいけません。

仮に月に100人が来るサイトで、問い合わせの割合が1%から3%になったとします。割合としては3倍ですが、問い合わせは月1件から3件です。ここで、同じような客層の人を5倍集められ、3%も維持できれば15件になります。もちろん、客層も割合もそのままという、かなり都合の良い仮定です。それでも、入口と中身の両方を見る意味は分かると思います。

集客用の記事ばかり増やすことも、サイトの中だけを直し続けることも、片側だけの改善です。制作の段階から、何を使って人に来てもらい、その人に何を見てもらうかまで、パートナーと一緒に考えておきたいところです。

網戸の直し方を読んだ人が、相談を考えるまで

では、両方を用意していれば十分かというと、もう一つあります。その二つがつながっているかです。同じサイトに置いてあれば、読者が自然にサービスページを見てくれるとは限りません。

たとえば、工務店が網戸の直し方を載せたとします。「この道具を使って、こう直してください」で終わっていたら、読者は目的を果たして帰ります。役立つ記事ではあるけれど、その工務店に相談しようという流れにはなっていないんですね。

そこで、直すときに気をつけるところも伝える。固定が甘いと虫が入ったり、また外れてやり直しになったりすることがある。自分でやる時間や、失敗した場合の手間も含めて考えてもらう。そのうえで、網戸一枚から相談できることや、ほかの場所の確認も一緒にできることを伝えられれば、専門家に頼むという選択肢が見えてきます。

これは、知識を出し惜しみするという話ではありません。やり方を知った人が次に気になることと、自社に相談する意味を、内容の流れの中でつなげるということです。自分で直せば十分な人もいますし、頼んだ方がよさそうだと思う人もいる。その判断ができるようにしておきたいんです。

読者の目的が完結したら、サイトの構造がどうなっていても、そのまま帰ってしまいます。「良い記事なら中を回ってくれるだろう」という期待だけでは、なかなか先へ進んでもらえません。

検討が進んでから生まれる疑問を拾う

もう一つ、集客用と検討用では、求められる情報の性格が違います。検索されている言葉は、読む前から本人が知りたいと思っていたことです。でも、サービスを読んだり説明を受けたりして、初めて浮かぶ疑問もありますよね。

そうした疑問は、最初から検索されているとは限りません。検索数がないから不要だと考えると、サービスに興味を持った人が本当に知りたい情報を落としてしまいます。

検討を進めてもらうコンテンツは、検索されるかより、その段階のお客さんに必要かを優先してください。価格や流れのように集客も兼ねられる内容はありますが、すべてを検索向けにしようとすると、不自然な説明になってしまうこともあります。

まずは、自社の記事から入った人のつもりで読んでみる。そこからサービスを知りたいと思えるか、知りたいことを確かめられるか、相談へ進めるか。できれば第三者にも見てもらってください。作った本数だけを見る前に、入口からその先までの流れが切れていないかを確かめてみていただければと思います。

関連コンテンツ

集客から検討への流れを踏まえて、今後も同じペースで記事を作り続けるべきか迷ったら、第540回:更新頻度より、お客さんの疑問と記事の役割を見直すも参考にしてください。

配信スタンド

経営者やWeb担当者は、コンテンツの役割を集客だけに限定せず、制作から活用まで一続きで考える際に、集客から活用までの各段階でコンテンツを使う全体像を使えます。

■Podcast /Webinar への質問は

こちらのフォームへどうぞ。
https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7

運営・進行

株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)

代表取締役・コンサルタント 中山陽平

Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/

このWebサイトをフォローする
中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ)
無料公開中 令和時代の買い手を理解する Webコンサルの基礎資料