第246回:自社に合うWeb活用を、理想の一日の絵から考える

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

Webやホームページをもっと活用したいけれど、自分たちは何から始めればよいのか。そんなご相談をよくいただきます。新しい手法やサービスが次々に出てきても、大企業のように片っ端から試せる人やお金があるわけではないですよね。

何が自分たちに合うのかと疑問を持っているのは、良いことだと思います。専門家に全部投げればよいとせず、自分たちで使い方を考えようとしている。その先へ進むために、私がお勧めしている方法をお伝えします。

ツールの名前から、いったん離れる

あの広告が良いらしい、このマーケティング手法が話題らしいと手を広げ、成果が上がったか分からないまま費用だけ出ていく。これは、道具に振り回されている状態です。

ホームページも、かっこよく作ろう、競合と同じものを持とうという気持ちだけで作ると、何百万円もかけたのに変わらない、むしろ下がったということさえあります。誰にいつ見てもらい、どう使うのかが決まっていないんですね。

まずはSEO、CRM、WordPressといった名前を頭からいったん外し、やりたいことから考えてください。手法を取り入れること自体が目的になってしまうと、その後の良し悪しも分からなくなります。

Web以外なら、「とりあえずExcelを使おう」と言われても、何の業務を効率化するのかと聞きますよね。車にラッピングをするなら、知名度を上げる良さもあれば、営業しているエリアを競合へ知らせる面もある。そうやって考えるはずです。Webになるとイメージがつかず、なんとなく良さそうで始めてしまうことがあります。

一日の仕事が、どうなっていたらよいか想像する

やりたいことと言われても、それが言葉にならない。言葉にできないから検索もできない。その気持ちは分かります。そこで、イメージングやビジュアライゼーション、私はもう「妄想」と呼んでいますが、これをやってみていただきたいんです。

仕事の始まりから終わりまで、一日を思い浮かべてください。その中で、どうなっていたらよいかを考えます。

「できるかは分からないけれど、こうなっていたらいいな」というところから始めます。最初から、これはできないだろうと消していかないでください。

例えば、通勤の電車でスマートフォンを見ると、その日の予定や議題が一覧になっている。関わる人が用意する資料が上がっているかも分かり、心配ならボタン一つで大丈夫かと連絡できる。案件の進み具合が一目で分かり、必要な業界ニュースも結びついていたらいいな、と想像します。

朝思いついた疑問を入力しておけば、会社に着いて一仕事した頃には回答が来ている。営業なら、進行中の案件とフォローする相手がこんな形で見えたら助かる。バックオフィスなら、今日やる仕事や見積もりがこう扱えたらよい。そういう場面を出していくんです。

もちろん、空を飛べたらいいなというような、明らかに現実離れした話は置いておきます。実現の仕方は分からなくても、こういう一日なら成果が上がりそう、楽に終わりそう、楽しく働けそうという姿をためていきます。

絵にして、ぼんやりした部分を具体的にする

書き方は何でも構いません。文章でもよいですが、私はコピー用紙などへ、絵で描くことをお勧めしています。上手い、下手の話ではありません。朝はこうなっていて、その後はこうなるという四コマ漫画のようなものでもよいんです。

頭では分かっているつもりでも、絵にしようとすると、分かっていないところが出てきます。例えば、ドラえもんを描いてくださいと言われたら、顔は思い浮かびますよね。でも描き始めると、ひげはどうだったか、ポケットはどう付いていたかと、迷うかもしれません。

「使いやすい画面」と書いて済ませず、どう見え、どう使えたらよいのかを描いてみてください。言葉では具体的に考えたつもりでも、絵にすると、そこで初めて考え始める部分があります。

これを何日か、例えば一週間くらい続けてみます。一回で全部決めようとせず、日々の仕事を想像しながら、自分が望んでいる場面を出していくわけです。

持ち寄った理想の一日から、実現方法を探す

複数人で働いているなら、それぞれが考えたものを持ち寄ってみてください。いきなり何かを決定するのではなく、それはいいね、そういうことを考えていたんだと、ブレインストーミングのように出し合います。

その上で、朝から夜まで、こんな感じに仕事が流れたら、みんな良い感じだねという姿にまとめていきます。意思決定の方法は会社によって違いますから、最終的に経営者が決める組織であれば、それでも構いません。

やりたいことが見える状態になってから、それを実現するツールやサービス、仕事のやり方を探す順番です。必ずしも新しいシステムを入れるとは限りません。

自分たちで調べてもよいですし、専門会社に聞いてもよいでしょう。「何かいいものはないですか」だけでは、相談される側も分かりません。でも、「こういうことをしたいのですが、方法はありますか」と聞いていただければ、具体的にお答えしやすくなります。

マーケティングでも同じです。お客様にこんなふうに接したい、事前にこの情報を知っておいてほしい。そこまで分かっていれば、広告なのか、媒体なのか、どのようなSEOなのかという助言も、的を絞って受けやすくなります。

できたものを、自分たちの望んだ姿で確認する

自分たちがどうなっていたいかを持っていれば、システムや仕組みができたときにも、ちゃんと使えるかを確かめられます。こうなっていればよいという姿があるから、受け入れてよいかを判断できるんです。

社内でも、外から何かを押し付けられたという受け止め方とは違います。自分たちがやりたいと言ったことが実現できるなら、やってみようとなりやすいですよね。

欲しい姿を考えるところまで外へ任せず、実現したかを自分たちで判断できる状態を作ってください。Webのことは詳しくなくても構いません。手段を考えるのは最後で、自分たちの業務は皆さんがよく知っているはずです。

ホームページのリニューアルなどは、自社をどう表現し、誰にどう受け入れられているかを考える貴重な機会です。全部お任せで楽になったと感じるかもしれませんが、その考える機会まで失うのは、もったいないと思います。

この順番を繰り返していくと、営業を受けたり、新しい情報を見たりしたときにも、今の自分たちに必要かを考えやすくなります。欲しい姿を描き、それに必要な方法を探す。その過程を、皆さんで共有していただければと思います。

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