第232回:動画と音声、どちらを始める?お客さんとの距離感で考える

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

お客さんに会えないときにも、できるだけ会っているような状態をつくりたい。そこで動画や音声の発信を始めたい、という相談をいただくことがあります。

このとき、動画と音声をひとまとめに考えない方がいいと思います。何を伝えるかに加えて、お客さんが今、皆さんとどのくらいの距離でいたいのか。それを考えて形式を選んでほしいんですね。

最初から近い関係を求められるとは限らない

初めて知った会社から、いきなりぐいぐい近づかれて話をされても、そこまで聞きたいと思わないことがあります。もちろん、早く詳しいことを聞きたい人もいますが、まず少し離れて知りたい人も多いでしょう。

私は、この距離感がコンテンツの種類によっても変わると考えています。比較的遠いところから触れやすいのが文章です。相手に会わずに言いたいことが分かり、自分のペースで読み返したり考えたりできます。

まず内容を知り、ここはよさそうだと思ったら、発信元に少しずつ近づいて、さらに深い情報を得ようとする。そういう流れがあるわけです。

最初に触れる人に向けたコンテンツでは、相手がまだ距離を置いていることを前提にしてください。文章でも、初めから発信者の個人的な話ばかりでは、うまく届かないことがあります。

知ってもらうための情報と、すでに関心を持ってくれた人へ伝える情報は違います。どちらに向けて作っているかを考えておく必要があります。

動画は、人となりの情報も一度に伝わる

動画になると、顔や動き、話し方などの情報が増えます。内容を論理的に理解するだけでなく、どんな人かを感覚的にも受け取ることになります。

その分、文章より距離を縮めてくるようなところがあります。文章を読んでいて途中に動画があっても、今は再生したくないと感じることはないでしょうか。まだ、その人とそこまで近い距離でいたくない段階なのかもしれません。

みんなが動画を見ているのだから、自分たちの動画も見てもらえるだろうと考えて作っても、この距離感が合わなければ届きにくいと思います。

動画にするかどうかは、受け手がその情報量や人となりまで求めているかと合わせて考えます。形式を変えれば自然に関心が深まる、とは限らないんですね。

一方、会社として発信するなら、動画には使いやすい面もあります。複数の人が出たり、社屋や社内を見せたりすることで、特定の一人だけでなく、会社のコンテンツとして伝えやすくなります。

音声は、発信する人への関心がより大切になる

以前は動画が一番距離の近いものかと思っていましたが、自分で続ける中で、もっと近いのは音声ではないかと感じるようになりました。

イヤホンなどを通して、その人の声だけが直接入ってくる。番組として公に話していても、一対一で聞いている感じが強いんですね。

ラジオでも、誰々の番組という形が多いですよね。テレビで何となくいいと思う人でも、その人一人のラジオ番組まで聞くかというと、そこにはもう一段、その人への関心が必要だと思います。

音声は、会社の情報そのもの以上に、話している人を聞きたいという関係が大切になりやすいと感じています。この人の言うことは面白い、また聞きたいと思ってもらえるかどうかです。

経営者が積極的に発信したい場合や、私のように一人を前面に出している場合には合うことがあります。これから会社の中の誰かを知ってもらいたいという方針なら、先に用意する考え方もあるでしょう。

ただ、うちも百回ほど続けて、ようやく手応えが出てきた感覚でした。音声なら気軽に始められそうだからというだけで、すぐ反応が出ることを期待しすぎない方がいいと思います。

動画は、すでにある接点の中で使うことも考える

動画を作ると、YouTubeでたくさん再生されることを目標にしがちです。でも、会社の目的は再生回数そのものではなく、商売にどう役立てるかですよね。

私はまず、ホームページや、お客さんに送るフォローメールで使うことを考えてほしいと思っています。この説明は動画の方が伝わりそうだ、この段階の人には中の様子を見てもらいたい。そういう用途を決めて作るんです。

アップロードした先から新しい人が来ることもあるでしょうが、それだけを前提にしない。自分たちがすでに持っている接点の中で、どこへ動画を入れるとよいかを考えます。

再生回数だけでなく、その動画を届けたい相手に見てもらえたかで評価してください。ページに来た人のうちどれだけ見たか、メールで案内した人がどれだけクリックしたか。契約したお客さんに、動画を見たか、どうだったかを聞くこともできます。

数字を大きくすることばかり追うと、会社として本当に伝えたかったことから離れる場合があります。まずは文章で知ってもらうのか、動画で会社を伝えるのか、音声で発信者との関係を深めるのか。

お客さんとの距離感と、今あるフォローの流れを見ながら、自分たちに必要なコンテンツを選んでいただければと思います。

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