第4回:FAQは短く答えるだけでいい?お客さんの次の疑問まで伝える考え方

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

FAQは、お客さんとの会話が始まる場所です

よくある質問のページは、質問が一行、その下に答えが二、三行という形になっていることが多いですよね。ただ、その形が決まりだと思ってしまうと、もったいないんです。FAQは、お客さんが商品やサービスを選ぶ上で、とても重要なコンテンツになる可能性があります。

会社概要も同じです。何を売っているかだけでなく、誰が提供しているかを気にするお客さんにとっては、会社について書かれた情報が大きな判断材料になります。FAQも、単に事務的な確認を済ませるための場所とは限りません。

私がお伝えしたいのは、FAQを質問に答えて終わる場所ではなく、お客さんとの会話のスタート地点と考えてほしいということです。一つの質問に対して、一つのコンテンツを作る。そのくらいの気持ちで考えてみると、書く内容が変わってきます。

電話で聞かれたら、答えだけ伝えて切るでしょうか

例えば、お客さんから電話で「うちの場合、いくらぐらいかかりますか」と聞かれたとします。金額を答えて、オプションの値段を伝えたら、それで電話を切ってしまうでしょうか。おそらく、そうはしないですよね。

どんなことをしたいのか、どういう状況なのかを聞きながら、「それでしたら、こういうことも考えた方がいいですよ」とお話しすると思います。お客さん自身も、そのやり取りを通して、自分が何を求めているのかを整理できることがあります。

ところがWebサイトになると、聞かれたことにだけ答える形になってしまうんです。価格を聞かれたら価格だけ。納期を聞かれたら納期だけ。それでは、接客の途中で話を終えてしまっているようなものです。

質問の答えを読んだお客さんが、その次に何を知りたくなるかまで考えてみてください。価格に違いがあるなら、なぜ違うのか。安いものを選んだ場合、何が変わるのか。設置するときに気を付けることはないのか。そうしたところまで伝えることで、質問への回答が、選ぶための情報に変わります。

価格を説明するなら、価格差の理由も伝える

以前紹介した、家庭向けのプールを販売する会社の例があります。プールというのは高額な買い物ですし、自宅に置くとなると、分からないこともいろいろ出てきます。単に「いくらです」と答えれば済む商品ではありません。

その例では、価格がなぜ違うのかという疑問に対して、かなりの分量を使って説明していました。設置するためにどれくらいのスペースが必要なのか、近くに林があっても問題ないのか。買う人が気にすることを、一つずつコンテンツにしていくんですね。

お客さんは、自分が最初に思いついた質問しか持っていないかもしれません。ほかの人がどんな点で悩んでいるのかを見て、「そうか、ここも確認した方がいいんだ」と気付くことがあります。FAQには、そうした役割もあります。

売り手に都合のよい答えへ誘導するのではなく、お客さんが自分で判断できる基準を渡すことが大事です。安いものと高いものの違いが分かれば、自分にはどちらが合うのかを考えられます。条件や注意点が分かれば、買った後のことも想像しやすくなります。

「詳しくはお問い合わせ」だけで止めない

詳しいことは電話で聞きたい、直接説明を受けたいという方もいます。一方で、できるだけ自分で読んで判断したい方もいるんです。どちらのお客さんもいることを考えると、説明を短くして「詳しくはお問い合わせください」だけで終えてしまうのは、親切とは言い切れません。

Webサイト上に十分な情報があれば、読んで考えたい方は自分のペースで検討できます。その上で、分からないところや自分の条件に関することを問い合わせてもらえばいいわけです。

私がお客さんに質問への回答を書いていただくときも、箇条書きの短い答えではなく、一ページ分を考えるくらいのつもりでお願いすることがあります。もちろん、分量を増やすこと自体が目的ではありません。答えの二歩先まで想像して、判断に必要な情報を書いてほしいんです。

その想像が、お客さんの疑問にぴったり合わないこともあるでしょう。それでも、答えだけを置いておくより親切になる余地はあります。FAQはこういう形だ、という固定観念から離れて、目の前で聞かれたらどう説明するかを考えてみてください。お客さんの気持ちになって考えることは、繰り返し意識して身に付けていくものです。その練習の場所としても、FAQを見直していただきたいと思います。

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