今回の内容について
今回は、サービスラインナップや商品開発を行う際に役立つ事例、という内容を中心に11月1週のニュースで押さえて頂きたいポイントをまとめています。具体的にはOffice365サポートを行うリコー社と、保育事業に参入するパセラ(ニュートン社)についてです。
また、Amazon Echoなどのスマートスピーカーにまつわるマーケティング面での懸念点やFireFox Quantumなどについても扱っています。
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エピソード詳細
今回は、企業が商品のクロスセル・アップセルを行うとき、新規事業を追加するというときに参考になる事例を2つご紹介します。
現在やっている事業の発展性が見えてこない状況で、どうにかして今までやってきたことや自社のアセット・資産を利用して次の新しい事業を展開していけないかと考えている方もいらっしゃるでしょう。
だからといって自分のやりたいことを自分だけのインスピレーションを元に決めてしまっても、上手くいかないケースもままあります。
そういった状況のときに参考になるニュースがここ最近で2つほどありました。
リコージャパンの新事業「Office 365の導入支援サービス」の意図とは
1つ目は、リコージャパンが中堅中小企業の働き方改革を支援するために、office365の導入サポート事業をマイクロソフトと共同で展開するというニュースです。
リコージャパンはオフィス機器を中心に、さまざまなオフィスの効率化などをしている企業ですが、マイクロソフトのOffice365の導入サポートなどを一緒にやっていこうということで提携したということです。
リリースから少し引用しますと、
日本マイクロソフトの技術支援のもと、リコージャパンは12月1日に、「リコー Microsoft 365 支援センター」を設立し、さまざまな設定や機能追加などをセンター側から遠隔でお客様を支援します。
(ニュースリリース:リコージャパンと日本マイクロソフトが共同で、中堅中小企業の働き方改革を支援)
リコーさんといえば、コピー機や複合機の印象が強いですね。この新事業は、すでにできているお客さんとのリレーションシップをもとにして、さらにそこにサービスを乗せていくというところの一環だと考えられます。
実際に複合機は、大塚商会さんなどの競合も含めてどこもなかなか厳しいです。大きいものをいれてくれる企業は増えてきませんし、今後もそうでしょう。
オンライン上での電子化も進んでいますので、だんだんコピーのニーズは減ってきます。
そのなかで、リコージャパンとして、自分達のノウハウは複合機の運用ノウハウといったことではなくて、お客様との関係性という部分だと考えたのではないでしょうか。
顧客の事業を理解した上で、業務効率化や適切なソリューションを提供するという強みを活かして、マイクロソフトの「Microsoft 365」の導入サポートを行うというわけです。
しかも遠隔でということなので、それなりの規模感を想定しているのだと考えられます。
365は、企業向けでも一人あたりのアカウントが1000円、2000円といった程度で、SalesForce等と比べると、きわめて安いです。SalesForceはオフィス系のツールではないですけれども、価格だけで単純に比較すれば非常に安いです。
そういったところで新しく良いサービスを提供していき、お客さんとのリレーションシップを強くしていくということなんだと思います。
新しい市場への進出より既存のマーケットを軸に新事業を考える
自分達の事業をいったん見返したときに、ぜひ注目していただきたいのは、今お客さんに対してどのようなリレーションを持っているかというところです。
皆さんが新しく何かを提供したいというとき、新しい市場を開拓しようとしてしまう傾向があります。
新しい市場の開拓というのは、ゼロから攻めるという状態です。
ブランドのある企業であれば、そのブランド名である程度アドバンテージを取ることができます。
ところが、そうではない小規模・中堅企業は、そのマーケットでは新参者ということで、ゼロスタートになってしまいます。それは非常につらく、がんばらないといけない状況です。
それよりは、最初の段階では、今いるマーケットに対してより付加価値を提供するにはどうしたらいいのか、と考えることが大切です。
既存のお客さんとのリレーションシップや信頼感や専門性を軸にして、そこに乗っける形で新たな事業を展開していくほうがいいでしょう。
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