第64回:Yahoo!SSL化によって試されるマーケターの考え方

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • Yahoo検索のSSL化で流入キーワードが見えなくなったことは、単なる計測テクニックの問題ではなく、Webマーケティングの前提が変わった合図である。
  • Googleサーチコンソールの情報だけでは足りず、特にYahooとGoogleでは来訪者の傾向が違うため、そのまま代用することはできない。
  • これまでのWebは、お客さんの欲しいものがそのまま見える特別に恵まれた環境だったが、今後はプライバシーや個別最適化の流れでデータはさらに減っていく。
  • これからは、少ない情報から仮説を立て、ユーザーテストや観察を重ねて検証できるマーケターが強くなる。

キーワードが見えなくなった意味

Yahoo検索のSSL化で、Yahooから来た人がどんなキーワードで訪れたのか、一般的なアクセス解析では分からなくなりました。今回私が強調しているのは、ここで細かな代替テクニックを追うことより、この変化をどう受け止めるかです。これは単なる不便ではなく、データの取り方に依存してきたマーケターの考え方を試す出来事だというわけです。

しかも、Google側にまだ情報源があるから安心、とはなりません。Googleサーチコンソールで得られるのはGoogleの一部の情報です。Yahooから来る人はGoogleから来る人と傾向が違うことが多く、特にB2Cではその差が無視できません。Googleの数字をそのまま横に伸ばしても、検索流入全体は見えません。

Webはもともと特別にデータが取れすぎていた

ここで印象的なのが、私のたとえです。昔は検索キーワードが丸ごと分かったので、売り手側からすると、お店の入口でお客さん全員が「私はこれが欲しい」とアンケート用紙に書いて入ってきてくれるようなものでした。リアルの世界でそんなことはまずありません。

つまり、Webが優れていたというより、たまたま異常にありがたい状態が続いていただけだったのです。その前提に慣れきってしまうと、データが減ったときに何もできなくなります。今回の変化は、その当たり前が終わったことをはっきり見せた出来事だと読めます。

これからは減る前提で考える

私は、今後データは増えるより減ると見ています。プライバシーへの意識は高まり、検索結果の個別最適化や地域差も強くなっています。検索順位ひとつ取っても、人によって見え方が違う以上、昔のような固定的で角度の高いデータは手に入りにくくなります。

だから必要なのは、今あるデータにしがみつくことではなく、少ない情報からどう考えるかを鍛えることです。ランディング数や検索順位、サイト内行動から仮説を立てる。実際に使ってもらうユーザーテストをする。競合を覆面調査する。自分たちで画面や導線を分析して施策を作る。そうした、データだけに頼らない活動の比重が上がっていきます。

マーケターが試される分岐点

ここで差が出るのは、データがないと嘆き続けるか、少ないデータからお客さんを想像して動けるかです。お客さんが何を求めているかを考え、それに合う施策を試し、当たれば伸ばし、外れれば直す。結局はリアルの商売で昔からやってきたことを、Webでもきちんとやる時代に入っていくということです。

YahooのSSL化は、一見すると計測上の制約に見えますが、実際にはマーケターの地力を問う分岐点です。新しい前提に合わせて考え方と技術を更新できるかどうかで、これからの差は大きく開いていきます。

まとめ:データ欠乏を前提に強くなる

キーワードが見えなくなったことを、単なるやりにくさで終わらせてはいけません。これまでのWebは、売り手にとって都合よくデータが見えすぎていただけで、その状態はもう続きません。これからは、減っていくデータを前提に、お客さんを想像し、観察し、試し、検証する力が必要です。その切り替えを早く進めたマーケターほど、この先も成果を出し続けられます。

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