今すぐPodcastを聞く
こちらのプレイヤーからお聞き下さい(iTunesでの配信は、新番組開始のため、終了致しました)
※2012年・2013年頃配信のPodcastです。時代性をご理解の上ご視聴下さい。
トランスクリプション
今回は「Banner Blideness」についてです。
バナーブラインドネスとは?
「Banner Blideness」とは、ユーザが無意識に「広告的なものを」見ないようにする、という現象をさします。
現在はあまり聞きませんが、一時横幅468pxなどの大きなバナーが闊歩していた時代に、ジャンパネロ・ベンウェイ氏とデイビット・レーン氏が発表した
Banner Blindness: Web Searchers Often Miss Obvious Links,”
という論文。
これにより、この「バナーブラインドネス」という言葉が、広がりました。
この現象自体は、オンラインマーケティングを行う方なら必ずおさえて置かなければいけない問題です。
単純に捉えるのはおすすめできない
ただ、単純に 「バナーは見られない」だから「テキストの方が良い」 という様に考えるのは、おすすめできません。
なぜなら、まずそもそも時代背景が1998年当時と今では違うからです。
バナーブラインドネスが唱えられた時代は、本当に、バナーが氾濫していた時代でした。
ホームページのサイドバーが、小さいサイズから大きいサイズまで、チカチカ光るアニメーションバナーが10個20個あるということが、決して珍しくない時代
その時代に唱えられたのが「バナーブラインドネス」です。
しかし今は、バナー自体の制作ノウハウが成熟してきたことと、WEBサイト運営者側のリテラシが上がってきたこと、そして広告効果を計測できるようになったため、出稿側も、ひたすらに売り込むような、相手に嫌がられるバナーを、自然とやめていったことにより、今は昔ほどギラギラした状態ではありません。
なので、イメージ広告を頭ごなしにNGにするのは、おすすめできません。現実にAdwordsなどで広告を出していると、イメージ広告のほうが、最終的なコンバージョン率含めて、効果が高いことは、普通にあります。
おさえるべきこと
ここでおさえるべきなのは、 テキストも、イメージも、ポイントを抑えているかいないかが大事、だということです。
Adwordsのテキスト広告は、記事に紛れて誤クリックしてしまう点を差し引いても、あんなに目立たないのにクリック率が高かったりします。
それは、ひとえに
「最初にどこを見ればいいか分かりやすい」
「そしてそこに、魅力的な文章が入っている」
からです。
Adwordsのテキスト広告を見たことがある方は、イメージしやすいと思いますが、どうやっても、あのリンクの青文字部分が最初に目に入ります。
しかし、イメージ広告の場合は、そのデザインは完全に制作側に任されているのでさっと、目の端に入った時に
・どこをまず見ればいいかわからない
・なので、最も魅力的であろうメッセージが伝わらない
・なのでクリック率などが悪い
といったことが起きます。
しかし、そこをきちんと抑えていれば、目を引く、誘目性の点でテキストより優れているイメージ広告は、大きな効果を発揮するんですね。
こういった、テキストかイメージか、で思考停止するのではなく、もっと根本的なことをおさえた上で、合っている方を選べばいいのではないでしょうか。 バナーブラインドネスという概念にとらわれるのは、あまりおすすめできません。
明らかに駄目なものも…
ただし、ヘッダー画像右上などの「どう考えてもいかにもバナー広告」などは
クリックされることはあまりないと考えたほうが懸命です。
あれは、中吊り広告のようなもので、認知度やブランディングのために使うくらいの気持ちでいたほうがいいのではないかと思います。そういった間接効果を狙う場合に、おすすめです。
では、今回の「Banner Blideness」については以上です。
その他のバックナンバー
- 第1回「A/B testing」- AとB、より良いやりかたはどちらか?を知る
- 第2回「Above The Fold」- 最初にユーザの目に入る、いわばお店の入り口
- 第3回「Affiliate」- 魅惑のアフィリエイト、その戦術
- 第4回「AutoResponder」- 自動返信メールの密かな重要性
- 第5回「Blogroll」- サイドバーから貼られたリンクリストの有用性
- 第6回「BounceRate」- サイトの良し悪しを測る大事な指標
- 第7回「buzzword」- バズワードは、意図的なものかそうでないのか、追いかける価値があるかの判断が大切
- 第8回「Banner Blideness」- 今もまだバナーブラインドネスという概念は正しい?
- 第9回「Call To Action」- 要所要所で買い手を動かす案内役
- 第10回「Click Through Rate(CTR)」- 重要だが注意すべき指標の1つ
- 第11回「contextual advertising」- インタレストマッチ・コンテキストマッチとは
- 第12回「コメントスパム」- 知らないうちに片棒を担がないようにご用心
- 第13回「Conversiont Rate」- マーケティングのマイルストーン指標
- 第14回「cost per acquisition(CPA)」- 獲得費用対効果という指標
- 第15回「Deeplink(ディープリンク)」- アクセス者の動きの変化
- 第16回「Description」- 検索エンジンからの集客で大事なポイント
- 第17回「Doorway Page」- ドアウェイページ
- 第18回「ExitRate」- 離脱率…直帰率は違う指標
- 第19回「favicon」- 枯れた技術だからこそ重要な存在
- 【第20回:コラム】検索結果に著者情報が出たことの意味とは?
- 第21回「Freemium」- フリーミアムという言葉の意味とは
- 【TOPICS】ベネッセ『いぬの気持ち』から盗むべき凄いところ
- 第22回「FirstView」- ファーストビュー、最初の挨拶
- 第23回「Geo Targeting(ジオターゲティング)」- モバイルは有望、PCはなかなか難しい
- 第24回「Guest Blogging(ゲストブロギング)」- ブランド構築の早道。しかし日本ではまだ…
- 第25回「HeatMap(ヒートマップ)」- 分かりやすいが正確性には要注意
- 第26回「inbound link(インバウンドリンク)」- 被リンクやバックリンクと同義語
- 【コラム】SNSでシェアされやすいコンテンツを作るには?12のチップス
- 第27回「KeywordDensity」- キーワード出現頻度の今
- 第28回「Keyword Tag」- もはや設定する意味はないかもしれない
- 第29回「LinkBeit」- リンクを集めるコンテンツを作るときに気をつけるべき事
- Appleのスティーブ・ジョブズ氏の「20のライフレッスン」by Mashable
- 第31回「Meta Tag(メタタグ)」とは?
- 第33回:GoogleAnalyticsの(not set)と(not provide)の違いとは?