[22/05/27]家具業界の市場規模の伸びと結界の話をもう少し掘り下げてみる

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • 家具市場の伸びを、単なるコロナ需要ではない視点で考えられる
  • 人が自分を確認するために空間へ何を求めるかが見えてくる
  • 機能だけでは差別化しにくい商品で何を訴求すべきかのヒントになる

家具市場が伸びている理由として、リモートワークや在宅時間の増加はよく挙げられます。もちろんそれも一因ではありますが、今回の話では、そこだけに原因を寄せてしまうと見落とすものがあるとしています。

焦点になっているのは、もっと心理的な側面です。人はなぜ家具にお金を使うのか。なぜ家の中を整えたくなるのか。その背景を、自分と外界との境界、自分を確認するための空間という観点から掘り下げています。

一時的な需要だけでは説明しきれない

コロナで家にいる時間が増えた、リモートで背景が見えるようになった、単身世帯が増えた。こうした説明は分かりやすいものです。ただ、家具市場はここ十年ほど伸び続けており、一時的な事情だけで片づけるには無理があります。

しかも、リモート会議では背景をぼかしたり、白い壁を選んだりするのが普通で、家の中が常に見られているわけでもありません。だから「見られるから整える」だけでは足りない。もっと深いところに理由があるはずだ、というのが今回の出発点です。

部屋は自分の延長になる

ここで出てくるのが、個室や部屋は自分の延長になりやすい、という考え方・方向性です。人は自分の好きなものに囲まれると、それを通じて自分を感じやすくなります。逆に、気に入っている持ち物や空間を否定されると、自分自身を否定されたように感じることもあります。

家具は単なる道具ではなく、その延長線上に置かれます。どんな机を置くか、どんな椅子に座るか、どんなテイストでそろえるか。そこには機能だけでなく、「自分はこういう人間だ」という確認作業が含まれています。

子どもが個室を持つと自分の好きなもので満たしたくなる感覚や、古民家を借りたり買ったりして自分色に染めたくなる感覚は、まさにその表れです。

境界が外へ広がる時代

この背景には、インターネットによって自分の比較対象が急に広がったこともあります。かつては身近な範囲の中で、自分が何者かをある程度つかみやすかったものが、今は全国、もっと広い範囲と無意識に比べられるようになりました。

そうなると、自分を保つための支えが必要になります。そのとき、人は自分の内面を外に投影できる場所を求めます。家や部屋は、そのための分かりやすい器になります。ファッションや外出先で表現していたものが、動きづらい時期を経て、より生活空間へ寄ってきたと考えると納得しやすいところがあります。

今回の言い方を借りれば、自分の外と中の境界が外に広がり、その一部として部屋がより重要になった、ということです。

人はゼロから作るより、型に乗って自分を作る

もう一つ面白いのは、人は完全にオリジナルな空間をいきなり作るのは難しい、という視点です。まずはテイストのそろった家具や、インスタグラムで見た雰囲気のよい部屋のような、既存の型に乗ります。そのうえで、少しずつ自分らしさを重ねていく。

今の家具店がテイストごとに提案をそろえ、そこで「こういう感じいいな」が生まれやすくなっているのは、この心理とうまく噛み合っています。単に安いからではなく、自分の方向性を分かりやすく選べることも、伸びている理由の一つとして見えてきます。

機能差が出しにくい商品への応用

この考え方・方向性に立つと、今後伸びやすいもののヒントも見えてきます。自分の内面を外に投影できるもの、ありたい自分を演出できるものです。機能や品質だけでは差がつきにくい商品ほど、そうした役割をどう持たせるかが重要になります。

つまり、3Cのような分析だけでなく、人が何に支えられ、何を通して自分を確認したいのかまで見る必要があるということです。定量的な分析では拾いきれない次の一手は、こうした心理の側から見た方が見つかりやすい。今回の話はそこを強く示しています。

まとめ:家具の伸びは自己確認の需要でもある

家具市場の伸びを、コロナやリモートワークだけで説明しきれないのは、家具が単なる生活用品ではなく、自分を確認し、外に投影するための手段でもあるからです。家や部屋が自分の延長として重みを増したことで、そこに置くものへの意味も変わってきました。

だからこそ、これからの商品づくりや訴求でも、機能だけを見るのでは足りません。その商品が、相手にとってどんな自己表現の支えになるのか。そこまで踏み込んで考えることが、次の差別化につながっていきます。

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