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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回は、よく聞かれる競合調査ツールについて、その有用性や、どう付き合っていくかをお伝えします。競合調査を前面に出しているものもあれば、SEOツールの一機能として備わっているものもありますね。ここでは、具体的なツール名は挙げずにお話しします。
競合の情報を知りたいという気持ちは、とてもよく分かります。知る価値もあります。ただ、ツールから得られた情報を、本当に信じてよいのか。そこは押さえておかなければいけません。ここでは、2024年時点で私が実際に見ていたデータと、お客様へお伝えしていた考え方をお話しします。
推計されたアクセス数は、どこまで信じられるのか
結論から言うと、私が見ていた範囲では、精度はどんどん下がっていると言わざるを得ない状況でした。
背景の一つとして考えていたのが、プライバシーに関する規制などで、ユーザーの情報を集めることが難しくなっている点です。こうした推計の元になる情報には、例えば拡張機能、昔で言えばツールバーなど、匿名での情報収集を許可する代わりに利用するツールから集められるものがあります。情報収集への規制が厳しくなり、取れるデータが減れば、推計の精度にも影響します。
競合調査ツール自体は、10年、15年ほど前から普通にあったと思います。それが2024年の時点で実用的に使えるかというと、正直、かなり厳しくなっているかなと感じていました。
特に気をつけたいのは、一部の匿名データを元に、外からは分からないサイト全体のアクセス数を推測しているような情報です。直接取れた数字と、全体を推測した数字を、同じように扱わない方がよいと思います。
絶対値だけでなく、毎月の増減も合わないことがある
それ以前は、絶対値としては合わなくても、変化を見るには使えるのではないか、とお伝えしていました。前年と比べて競合がどのくらい頑張っているか、複数の競合の間でどういう入れ替わりが起きているか。そういうモニタリングには、有用なのではないかと考えていたんですね。
私たちも、お客様から「そういうデータはありますか」と聞かれることがあるので、毎月データを取って、ためていました。ところが、そのデータを見ると、あるサイトの数字が毎月ばらばらなんです。普通のサイトの変動とは思えないほど、がちゃがちゃと動いていることになっていました。
急に上がるサイトもあれば、急に下がるサイトもある。季節要因も見当たらず、前年の変動や、同じ業界のほかの会社の動きと突き合わせても、どう考えても合わないよね、というものがありました。私が使ったいくつかのツールでは、特定の一つだけの話ではありませんでした。
ですから、お客様には、絶対値だけでなく、「競合が伸びているのか、減っているのか」を見るためにも、基本的には信じない方がよいですよとお伝えしていました。参考値として相対的な動きを見るという使い方でも、少々厳しいかな、という判断です。
提案書に載った競合データにも振り回されない
お客様のところに届く提案を見ると、競合のデータを比較して「これだけ伸びしろがありますよ」と示してくる会社さんもあります。でも、同じツールで1か月ずらしてデータを取ると、全然違う傾向が出ることがあるんです。
残念ながら、都合のよいデータを持ってくるために使われているように感じるケースもありました。提案書に載っていたとしても、私は本当に参考の参考情報くらいで捉えておいた方がよいと思います。その数字に振り回されて、自分たちの判断を変えてしまうのは避けてほしいのです。
これは、データ量の多いアメリカなどでは違うのかもしれません。私がここでお伝えしているのは、日本のサイトについて、当時見ていた範囲での感触です。
昔は日本のデータがとても少なく、日本のサイトがほとんど出てこないこともありました。その点は良くなってきたと感じていました。日本法人ができているところなどは、そこを通じて日本のデータを入れているのかもしれません。ただ、出てくるデータが増えたことと、精度がよいことは別で、精度については正直、微妙だなと思っていたんですね。
検索順位や広告文など、直接確認できる情報を追う
では、競合調査ツールは何も使えないのかというと、そういうことではありません。調べれば実際に確認できるものには、使う意味があります。
分かりやすいのは、狙っているキーワードで競合が何位にいて、自分たちより上なのか、下なのかという情報です。これは検索すれば確認できます。
例えば、狙っている100個ほどのキーワードについて、競合として設定した3サイトが、自分たちよりどのくらい上にいるか、下にいるかをスコアリングする。キーワードを中心に考えること自体は少々古い面もありますが、この数字は匿名データから全体を推測したものではなく、実際に調べて取れるものです。
ツールによっては、競合のドメインで調べると、過去に出していた広告文などを確認できる機能もあります。これも、人が調べて集める部分を機械で行っているのであれば、参考情報として使えると思います。
自分たちが欲しい情報をピンポイントで集めて、継続して追う。それを支えてくれるツールには、十分使う価値があります。どのキーワードで、どういうクリエイティブの広告を出しているか。どのキーワードで何位に出ているか。そういう、外から直接確認できるところを見ていただきたいんですね。
競合のサイトや、会社としての動きも見ておく
競合を把握しておくこと自体は大切です。自分のサイトには興味があっても、競合他社のサイトの動きには、あまり注目していないケースがあるなと感じます。
SEOや広告に限らず、他社がどんな仕掛け方をしているのか。どんなキャッチコピーや切り口でお客さんを取ろうとしているのか。そこには敏感でいたいですね。極論、自分たちのサイトより競合他社のサイトをたくさん見ているくらいの方が、商売としてはあるべき姿ではないかなと思います。
まず競合をきちんと設定して、その動きを見ていく。検索エンジンからの集客を重視するのであれば、順位を追って、自分たちより上にいる競合をさらに上回るにはどうしたらよいかを考えることも、集客面では大切です。
会社名でアラートを設定しておくのもよいと思います。競合がWeb以外でどんな活動をしているかも、見ておきたいからです。例えば、地域でこういう活動をしています、という情報があれば、自分たちも対抗していく必要があるのか、考えるべきことがあります。
個別の数字だけでなく、競合他社そのものがどう動いているかを見ておいてください。オンライン、オフラインに関係なく、商売として競合を見るということです。
推計値で毎月「勝った、負けた」を決めない
直接確認できる情報を追うことと、一部のデータから全体を推測した数字を信じることは、分けて考えていただければと思います。AIという名前が付いていても、それだけで信じるものではないでしょう。推計された競合の数字は、眉に唾をつけながら、参考の参考の参考情報くらいで見る。そのくらいの接し方がよいのではないかなと思います。
間違っても、その推計値と自社を比較した数字をKPIにして、毎月「勝った、負けた」と判断するのはやめた方がよいと思います。
競合をきちんと考えることは、自分たちがどの市場にいるかを考えることでもありますし、お客さんが誰なのかを考えることでもあります。そこは押さえた上で、信頼できる情報を元に前へ進んでいただければと思います。
関連コンテンツ
競合の動きを追うには、どの会社やサービスがお客様に比較されているかを考えておく必要があります。
地域で実際に比較される会社を調べる範囲や、定期的に確認する考え方は、第164回:地域の商圏と競合調査も参考にしてください。同業以外の代替手段まで競合を見る範囲を広げる話は、第524回:同業以外の競合にも目を向けるでお伝えしています。
顧客理解を事業目標や施策につなげて考えたい方は、Webマーケティングの全体像もご覧ください。
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