第11回:身内には好評なサイトが、初めての人に信頼されるとは限りません

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

会社を知っている人は、画面にない情報も知っています

自社サイトを改善するとき、家族や知り合いに感想を聞くことがありますよね。ただ、その方たちは、皆さんがどんな商売をしていて、どんな人なのかをすでに知っています。

この人は悪いことをしないだろう、普段から詳しく教えてくれる、という安心感がある状態でサイトを見ています。初めて来たお客さんとは、出発点が違うんです。

身近な人からの好評だけで、初めての人にも信頼されるサイトだと判断しないでください。毎日更新して愛着があるほど、自分たちを知らない人の受け取り方が見えにくくなることがあります。

「何だかうさんくさい」と言われたサイトの話

これは私が直接その場で経験した話ではなく、お客さんから聞いた話です。家族で物販のサイトを運営し、家族や知り合いの意見を聞いて改善していたものの、なかなか大きな変化がなかったそうです。

夏休みに親戚の中学生くらいの子が遊びに来て、パソコンに開かれていたサイトを見ていました。その子は、どんな商売をしているかをよく知りません。後から感想を聞いたところ、「何だかうさんくさかった」と言われ、食事の場が静かになってしまったという話でした。

身内には分かっていたことが、その子には分からなかったんですね。何のサイトなのか、何を売っているのか、誰が売っているのか。そうした前提が伝わらず、不安な印象になっていたわけです。

人となりを知っている人の安心感は、サイトだけを見た人には引き継がれません。そこを補う情報があるかを、初めて見る立場で確かめる必要があります。

店頭で感じる安心を、Webではどう伝えるか

実際のお店へ行けば、店構え、周りの掃除、陳列、店員さんの応対など、いろいろなことを感じ取ります。意識しているものも、無意識に受け取っているものもあるでしょう。そうした情報から、ここなら買っても大丈夫そうだと判断しています。

売る側も、ほこりを落とそう、陳列を直そう、入りやすい店構えにしようと、普段の感覚から改善点を思い付けます。ところが、Webでは同じ感覚をそのまま渡すことはできません。

店頭では自然に受け取れる信頼の材料を、画面ではどう表現するかを考えてください。人間味や、どんな人が関わっているかも、その一つです。感覚で何となく伝わっていたものを、情報や見せ方として形にする必要があります。

きれいに作ることだけで、安心して取引できるかが決まるわけではありません。相手が何を見て信頼しているのかを考え、実際のサイトへ落とし込んで、反応を見ていくんです。

信頼できるサイトと、できないサイトを比べてみる

その感覚を身に付けるには、自分が信頼できるサイトと、そう思えないサイトを比べてみることをお勧めします。いくつも見ているうちに、ここが違うのではないかという点を拾えるようになります。

よい評判のお店を実際に利用してみるのも、一つの方法です。購入するまでのページだけでなく、買った後のメールやサポートに、安心感につながる工夫が隠れていることもあります。見るだけでは分からないことが、体験すると分かるんですね。

自分が買い手として何を信頼の材料にしたかを、具体的に捉えてみてください。漠然とよいサイトだと思うだけでなく、その理由を考えることで、自社を見直す手掛かりになります。

自分たちを知らない人の評価を、改善へ生かす

自社のサイトを見てもらうときは、できるだけ自分たちと距離のある方にお願いしたいところです。社内でも、別部門のことを知らない方なら、その立場で見てもらえるかもしれません。人数や所属だけでなく、何を知っている人なのかが大事です。

厳しい意見が返ってくることもあるでしょう。でも、その評価こそ、初めて来るお客さんの不安を知る材料になります。

画面の外にある知り合いとしての信頼を外して、それでも安心して買えそうかを確かめてください。商売では、まず信頼できる候補を選び、その中から購入先を考えます。その候補へ入れる状態になっているかを、改めて見直していただきたいと思います。

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