第115回:GoogleHireが米国でリリース、マーケットの線引きはWhatからWhyの時代に

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • Google Hire は、採用支援そのものよりも「市場の境界がどこで引かれるか」を考え直させる題材だと分かる。
  • 採用は経営に直結し、ミスマッチ一件の損失も大きいからこそ、使いやすく安い仕組みが入る影響は大きい。
  • これからは何を売るかではなく、どんな価値を届けたいのかという Why で競合を見直す必要があると見えてくる。

採用は経営の中核にある

Google Hire の話をすると、つい新しい採用ツールの話で終わりがちです。ただ、この回で先に置いておきたいのは、採用そのものが経営にとってかなり重要だということです。どんなに良いサービスや理念があっても、それを動かす人がいなければ会社は前に進みません。

ミスマッチ一人の損失は大きい

しかも採用は、人数を埋めればよいという話ではありません。会社の風土やミッションに合わない人を採ると、早期離職につながり、金銭面でも社内工数の面でも損失が大きくなります。だから採用は、単なる事務作業ではなく、会社の発展に直結する仕事として見た方がよいです。

Google Hire が怖い理由

Google Hire は現時点では米国向けのサービスで、日本に来るかもまだ分かりません。それでも気にしておいた方がよいのは、Google がこの領域に入ってきた時に、かなり強い形で勝負できそうだからです。特に G Suite と一体で使える点は大きいです。

採用業務が一連でつながる

応募者の進捗管理、候補者の発見、フォロー、スケジュール調整、メール送信、数値管理までが、Gmail や Google カレンダー、Google スプレッドシートと連動しながら進められる。しかも掲載面にも Google の力が及ぶとなれば、これまで高コストだった採用周りが、一気に使いやすくなる可能性があります。もし低価格で提供されたら、中小企業にとってもかなり大きな変化です。

候補者側の不満にも刺さる

採用の現場では、企業側だけでなく応募者側にも不満があります。自分に合う会社が見つからない、手間が多い、返事が遅い。そうした不満に対して、検索性や連携のしやすさ、レスポンスの速さで改善が入るなら、使う側にも受け入れられやすいはずです。つまり、企業側の効率化だけではなく、候補者体験の改善にもつながり得ます。

本当に見るべきは採用ツールの話だけではない

ここからがこの回の本題です。Google Hire そのものももちろん気になりますが、もっと重要なのは、こういう参入が自然に見えてしまう時代になったことです。昔の感覚だと、検索会社が採用支援に入ってくるのは異業種参入に見えます。けれど今は、そう見ない方が実態に近いと思います。

市場は What ではなく Why で引き直される

これまで市場は、何を売っているか、どんな商品やサービスかという What で区切られがちでした。けれど今は、どんな価値を届けたいのか、何を実現したいのかという Why の方で線が引かれ直しているように見えます。Google で言えば、必要な情報を集め、必要な人に届けるというミッションが先にあり、その延長線上に採用支援がある。そう考えると、突然違う業界へ飛び込んだのではなく、むしろ自然な広がりです。

自社の考え方・方向性も変えた方がいい

この変化は、採用業界だけの話ではありません。どの業界の会社でも、自分たちは何業なのか、何を売っているのか、という考え方・方向性だけで自社を定義していると、将来の競合を見誤ります。商品名や業種名の外側にある、自分たちが届けたい価値で捉え直した方がよいです。

競合は同じ商品を売る会社とは限らない

同じ理念や同じ Why を持つ企業は、今後まったく別の形で同じ市場へ入ってくるかもしれません。だから戦略を考える時も、目の前の同業者だけを見るのではなく、どんな価値を届けようとしている会社が周辺にいるのかまで見ておく必要があります。Google Hire は、その感覚をかなりはっきり示す例だと思います。

まとめ:マーケットの線引きは Why に寄っていく

Google Hire の話から見えてくるのは、新しい採用ツールの登場だけではありません。これからの市場は、何を売る会社かという What だけで区切ると見誤りやすくなり、どんな価値を届ける会社かという Why で見た方が実態に近くなります。自社の事業を考える時も、いま扱っている商品やサービス名から一度離れて、自分たちは何を世の中へ提供したいのかを見直すことが重要です。

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