第140回:Webマーケティングの第一歩は、使うお金を「費用」ではなく「投資」と考えること

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

Webマーケティングを考える第一歩として、使うお金を「費用」ではなく「投資」と捉えてみることをお勧めしています。お金がかかったから減らそう、という見方から、何を期待して使い、実際に何が返ってきているのか、という見方に変えるんですね。

マーケティングの仕組みを持つことも大事ですが、その前に、自分たちの商売がどう成り立っているかを把握する必要があります。何にお金や人の力を投入すればよいかを考えるためのお話です。

今の売上が、なぜ生まれているのかを見る

今までこういう営業をしてきた、営業担当者がいて、チラシを配り、ホームページからもたまに問い合わせがある。その中で今ぐらいの売上と利益が出ている。これだけでは、どこに力をかければよいのか、なかなか見えてきません。

もう少し中を見てみると、営業担当者がこれぐらい活動して、それがこれぐらいの引き合いになり、何パーセントが売上につながっている。人件費を考えると、このくらいの利益が出ている、という見方ができます。

Webであれば、どういう仕組みでアクセスがあり、どのくらいの割合で引き合いになっているのか。その後、どの営業担当者が対応すると、どのようにクロージングにつながるのか。そこまで把握できている状態を目指したいんです。

売上が立っているという結果だけでなく、そこへ至る商売の仕組みを、ざっくりでも数値にして見てください。マーケティング思考という言い方をしていますが、セールスまで含めた見える化、仕組み化の話ですね。

無駄を減らし、効率のいいところにお金や人的リソースを投入したくても、どこで何が起きているか分からなければ判断しにくいものです。まだ取り組んでいない会社さんは、自分たちの商売の中身がどうなっているか、いったん解体するつもりで見ていただきたいと思います。

売上が落ちたときは、少し前の活動までたどる

過去の数字を追うと、「この辺が変わったから悪くなったのかもしれない」「この活動を怠ると、三か月後に影響が出る」といったことが見えてくる場合があります。

特にBtoBでは、行った施策が売上という数字に返ってくるまで、二、三か月ほどの時間差があるケースを経験します。「前はあんなに問い合わせがあったのに、急になくなった」というご相談もありますし、うち自身も経験したことがあります。

追いかけてみると、こちらの施策がお客様の意思決定に影響して、お客様の中でいろいろなプロセスを経るのに時間がかかっている。自分たちが活動を怠った影響が、ずっと後になってやってくるんですね。

施策を行った時点と、売上に影響が表れる時点との間に、どのくらいの時間差があるかも見ておきます。そこが分かれば、必要な活動を不用意にやめずに済みます。

逆に、三か月後の状況を見通せるなら、「その時期は少し減っても大丈夫だから、今はもっと大事なことをしよう」という判断もできます。いつも目の前の数字だけに振り回されるのではなく、そういう見通しを持てるといいですね。

支援する会社さんにも、とりあえず広告を出して引き合いを増やせばいい、というところで終わらず、この辺りまで含めてサポートしていただきたいと思っています。

支出ごとに、期待しているリターンを考える

とはいえ、「そんなことを考えたこともないし、人材もいない。どこから始めればいいのか」という会社さんもあると思います。そこで、一度、人件費を含めた支出を、費用や経費ではなく投資だと考えてみるんです。

経費としてだけ見ると、「今月はこれだけかかった。もっと減らさなければ」となりやすいですよね。備品や人件費、広告宣伝費などについて、かけたお金に対し、自分たちは何が返ってくることを期待しているのかを考えます。

何のためにお金を使い、実際にどれぐらいのリターンを生んでいるのか、という目線を持つところから始めてください。明確にできないものもあると思いますが、まず、そういう目で見ることです。

経営者の方から始めてもいいですし、会社全体の稟議や経費申請に、その観点からのコメントを添えてもらう方法もあります。そうすると、少しずつ組織の文化や、お金の使い方への意識が変わってくることがあります。

いきなり全部を精密に把握しようということではありません。何を期待しているのかを言葉にして、実際にどうなっているかを見ていく。第一歩として、私はこれをお勧めしています。

削る前に、ほかの立場からも必要性を確かめる

そうして見ていくと、投資して意味があるもの、ないもの、それから、まだ分からないものに分かれてくると思います。明らかに意味がないと分かったものは、やめるという判断になります。

ただ、やめるときには多面的に見ていただきたいんです。ある人から見ると無駄でも、ほかの観点からは必要だった、ということがあります。

一つの立場から無駄に見えたものを、そのまま不要と決めず、いろいろな人の話を聞いてみてください。実はこういう側面で必要だから、やめるのは少し待とう、というものも出てきます。

経営者の方は、どんどん削れるものを削ろう、となってしまうこともあると思います。でも、ここでお伝えしたいのは、支出を一律に減らすことではありません。多面的に見て必要でないと分かったものを投資対象から外し、必要なものには投資していくことです。

あまり無理せず、ゆっくり進めてみてください。一緒に働くスタッフの方々の意識にも関わる部分ですので、何を期待してお金を使うのかを、皆さんで考えていければと思います。

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