第192回:ホームページにストーリーを組み込むには、現在だけでなく過去を伝える

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

今回は、ホームページのコンテンツに「ストーリー」を組み込むという話です。これは私たちが戦略を立てるときにも、特にホームページのコンテンツを作るときに、非常に意識している部分です。

人が関わるサービスや、他社との競争が激しい業界であれば、ストーリー性を盛り込むことはプラスに働くと考えています。ただ、パソコンの部品のように、性能やスペックだけで完全に評価されるものであれば、出してもあまり効果がない場合はあるでしょう。

現在の説明に、そこへ至った過去を加える

ストーリー性がないものは、時間軸でいえば「現在」だけを切り取ったものだと考えていただくと、分かりやすいかなと思います。それに対してストーリー性があるものには、過去があって、現在があって、できれば未来があります。未来は入れづらいこともあるので、最低限でも過去ですね。

例えば、昔はこういうことをやっていたけれど、お客様からこういう要望が多かったので改良を重ね、今のサービスになっている。型番商品を売っている場合でも、商品のラインナップや対応する体制について、「昔はこうだった。こういうことがあって、今はこうなっています」と伝えることができます。

商品やサービスを説明するときに、時間軸まで意識して情報を出しているかどうかです。単に「これはこういうもので、こういうスペックです」と書いてあるだけでは、買う側は、その特徴に本当に価値があるのかを判断しづらいんですね。

以前の製品にはどんな課題があって、なぜその機能が追加されたのか。そこまでお客様が自分で調べてくださればいいのですが、やってくれる方ばかりではありません。自分たちの説明の中で情報の伝達を完結させてあげられないと、販売先もなかなか広がっていきません。

改良の経緯が、お客様の判断材料になる

二世代前、三世代前の製品はこうだった。サービスはこういうふうに進化してきた。そうした情報を付け加えると、昔はできなかったけれど今はできることや、それが追加された経緯を伝えられます。

どんな要望に応えて、どう良くなったのかを知ることで、お客様は「こういう軸で選べばいいのか」と気づくことができます。今という瞬間のスナップショットだけでは、伝えられることが少ないんですね。

過去から現在への変化を見せると、その特徴の意味や、選ぶときの判断基準まで伝えられます。その中で、自分たちはこういうふうに進化させてきたということも示せます。

さらに、ここまでこうしてきたのだから、この先も良い商品やサービスを出していくんだろうなと感じてくださる方もいるでしょう。全員がそこまで意識するわけではありませんが、そうした期待も含めて商品を見てもらえる。もちろん、それを裏切らないフォローや、商品・サービスのアップデートは必要です。

比較を続けるお客様に、納得できる理由を伝える

比較する情報が増えると、選ぶこと自体に疲れてしまうことがあります。例えば私の行動範囲でいうと、レイクタウンやららぽーとのような大きな商業施設ですね。全部回ろうと思ったら、限られた時間では回りきれません。

「さっきの店でいいなと思ったけれど、この先にもっとお得なものがあるかもしれない」と歩いていく。良いと思うものがあっても、決められないんです。売る側にとって困るのは、結局、歩き疲れて「今日はもういいや」と帰ってしまうことです。

選ぶことには、ものすごくパワーが要ります。隅々まで調べることが好きな方は別として、どこかで「この中から選べばいいかな」と止まる方も多いと思います。

お客様が「ここで買っておけばいいな」と納得するときに、ストーリーが役立つのではないか。これは、いろいろやってきた中での、私の今のところの感想です。

少し高くても、自分に関係のない部分が多少劣っていても、必要な条件を満たしていて信頼できる。ここを選んだ理由を人に説明できる、会社であれば稟議書に書ける。必ずしも、すべての比較で一番にならなければ選んでもらえないわけではありません。

「自分たちは頑張った」で終わっていないか

人が重要になるサービスなら、会社概要やスタッフ紹介、ブログにもストーリーを入れられます。なぜこの事業を始めたのか。ここまでサービスが育つ間に、どんな出来事があったのか。そういう内容も、商売全体への付加価値になります。

会社概要に資本金や取引先の表があることも、もちろん必要です。ただ、それだけでは伝えきれません。かといって、独りよがりな創業秘話や、「俺たちは頑張ってきたんだぞ」とだけ書かれた開発秘話では、むしろ反応を落とすこともあると思います。

そのストーリーを、お客様が自分に関係のある話として受け取れるかを見てください。「君たちはそうなんだろうね」で終わる内容では、自分にとってどうなのかというところまで届いていません。

創業のきっかけや、苦難を乗り越えてきた過程が、買う方の抱えている問題と似ている。それでもいいんです。直接商品の機能を説明する話でなくても、「自分たちと同じようなことで苦労してきたんだ」と感じられるものはあります。そのためには、お客様を知るしかありません。

今のホームページや会社案内、スタッフ紹介が、現在だけのスナップショットになっていないか。もっと伝えられることはないか、独りよがりになっていないか。そこを見直して、必要なら第三者も交えながら、どうしたら伝わるかを考えていただければと思います。過去や、これからどう育っていくのかが見えると、ホームページの印象も変わってきます。

関連コンテンツ

ストーリーを伝える意義は分かっても、実際にどう形にすればよいか悩んだら、Podcast 第551回:ストーリーを自分語りで終わらせないためにも参考にしてください。

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