第292回:Webマーケティングは何から勉強する?担当者が実務を通じて学ぶ進め方

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

Webマーケティングを勉強したいけれど、何から始めればよいのでしょうか。担当者になった方からも、社員に学んでもらいたい方からも、よくいただくご質問です。

私がお勧めしているのは、まず目の前で必要になったところから学ぶことです。全体を理解してから動きたい気持ちは分かりますが、その順番が誰にでも合うとは限りません。

全部を覚える前に、今何に困っているかをはっきりさせる

Webマーケティングは、商売の中でWebを使う仕事です。検索の仕組みだけでなく、お客さんの理解や伝え方、売り方にも関わります。最初に全体を薄く知っておこうと思っても、範囲はかなり広いんですね。

営業を学びたいと言われたときにも、その方が今どんな仕事をしていて、どこで困っているかを聞くと思います。それと同じように考えてみてください。

学ぶ順番は、知識の一覧からではなく、今解決したい問題から考えましょう。サイトへ人が来ないことに困っているのか、数字を見ても意味が分からないのか。それによって、最初に調べることは変わります。

まだ利用者としての感覚がないなら、実際にネットで商品を探して買ってみることが、出発点になる場合もあります。何を学ぶと仕事が前に進むのかを考えることが大切です。

本を渡す前に、本人が学びたいと思える場面を作る

学ぶこと自体が好きで、放っておいても本を読み、いろいろ試す方もいます。そういう方であれば、興味のあるものから広く学ぶ方法も合うと思います。

一方で、自分にどう関係するのか分からない内容を、最初からたくさん覚えるのはつらいという方もいます。これは優劣の話ではありません。同じ教材を渡せば、誰でも同じように身に付くわけではないということです。

「この問題を解決したい」という必要が生まれると、教材の読み方も変わります。例えば解析の本も、まず自社の数字を見て分からないところが出てきてからなら、知りたい部分を探しながら読めます。

これから使うから、と入門書を一冊渡すだけでは、読む目的が曖昧なままになるかもしれません。実際の仕事と、学ぶ内容をつなげていただきたいと思います。

自分で学べる人には裁量を、迷う人には相談相手を用意する

自分からどんどん学ぶ方であれば、必要な予算や時間を用意し、ある程度任せる方法があります。ただ、好奇心の向く方向と、会社で担ってほしい仕事が離れすぎていないかは確認が必要です。

営業やマーケティングを考えてほしいのに、システムの仕組みにばかり関心が向いている、ということもあります。その力を別の仕事へ活かすのか、今の役割へ戻すのかは、会社として考えます。

自分だけでは進めにくい方には、仕事をしながら質問できる相手がいるとよいですね。先輩に聞いて、「こういうときはこう考えるのか」と分かるような形です。社内に詳しい方がいなければ、外部の支援も選択肢になります。

本人に合う学び方と、困ったときに進めるための支えを用意してください。一律の研修だけで済ませず、実際の取り組みを一緒に見てもらえると、質問も具体的になります。

最初から成功だけを求めず、試したことを振り返る

初心者に実際の仕事を任せてよいのか、不安になる方もいると思います。ただ、経験のある人でも、一度で必ず当たるわけではありません。状況を見て修正し、目標へ近づけていく力が大切です。

最初の失敗を強く責めると、担当者が無難なことしかしなくなったり、都合のよい数字だけを報告したりすることも心配です。それでは、何が起きたのかを会社として学べません。

試した理由と結果を説明してもらい、次にどうするかまで一緒に考えましょう。何でも好きに失敗してよいということではなく、仕事の目的と、経験から学ぶことを両方大事にするわけです。

いきなり会社の重要な部分を任せるのが難しければ、担当する範囲を絞る方法もあります。自分が動いたことで反応がどう変わったかを確かめられる仕事にすることが、学ぶ意欲にもつながります。

作業を終えることだけが目的になっていないかを見る

慣れないうちは、目の前の作業を終えることで精いっぱいになりがちです。日報に書くことを作ろうとして、何のための仕事だったかが後ろへ行ってしまうこともあります。

そこで、上司の方は目的や目標へ繰り返し戻してあげてください。何をしたかだけでなく、何が分からず、何を調べ、どう考えたかも、仕事として見ていただきたいと思います。

作業の件数だけでなく、判断するために考えたり調べたりした過程も確認することが大切です。そうすると、手は動いているのに目的へ近づいていない、という状態にも気づきやすくなります。

学ぶ側へ努力を求めるだけでなく、学びながら仕事を進められる環境を作ることも、管理する側の役割です。

学んで試した過程を、会社に残していく

私自身、説明するときの板書も、実際にやるから気づくことがあります。手元の紙では書けても、人に見せるために立てた面へ書くと感覚が違う。文字の大きさや見え方も、使う場面があって初めて考えるようになります。

Webの仕事も同じです。教材を読むことに加えて、使ってみて分からなかったこと、直してみて分かったことが、自分たちの知識になります。

何を学び、どう試し、何が分かったかを、会社の中へ蓄積していきましょう。結果だけでなく、その過程が残ると、次の課題にも取り組みやすくなります。

何から勉強するか迷ったら、まず今の仕事で困っていることを一つ挙げてみてください。その解決に必要な知識を入れ、使い、また分からないところを聞く。その繰り返しを、会社として支えていただければと思います。

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