第323回:経済産業省のDX・AI導入ガイドブックはWeb活用で悩んでいるなら、一読の価値あり

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • WebやITの活用で迷う会社が、最初に踏むべき整理の手順
  • いきなり施策やツール選びに入らないほうがよい理由
  • 外部の専門家に相談する前に、自社で持っておきたい視点

今回取り上げられているのは、経済産業省の AI 導入ガイドブックです。ただ、話の本質は AI そのものではなく、未知の技術や新しい手法を自社にどう取り込むかという考え方にあります。だからこの内容は、そのまま Web 活用や IT 導入にも読み替えられます。

ホームページはある、システムも少し入っている。けれど、活用できている実感がない。何をやればいいかも、どこまで自社でやるべきかも曖昧。そうした状態の会社にとって必要なのは、いきなり新しいツールを探すことではなく、導入前の整理を一度きちんと経験することです。

最初に必要なのは、大きく始めることではない

Web や IT を活用しようとすると、つい大きな構想から入りたくなります。ホームページを作ったのだから一気に集客も改善も進めたい。システムを入れるのだから一気に効率化したい。ですが、慣れていない会社ほど、小さく素早く始めるほうが現実的です。

たとえば、よく聞かれる質問を FAQ に載せる。業務の途中でお客様の声を集めて掲載できるようにする。毎日の業務記録を完璧に管理するのではなく、まず一日の振り返りだけを残す。そうした小さな運用でも、続ければ会社の状態は変わっていきます。

重要なのは、最初から大きなことをやることではなく、継続できる最小単位を見つけることです。そこで初めて、改善が習慣になります。

経営者の意思がないと浸透しにくい

もう一つ大事なのは、社内への浸透です。Web や IT の活用は、担当者だけが頑張っても進みにくい領域です。会社としてなぜ変わる必要があるのか、何のためにやるのか、どんな姿を目指すのか。この話を経営者が言葉として示せるかどうかで、進み方は大きく変わります。

立派な資料を配ることより、「こういう会社にしたい」「そのためにこの取り組みが必要だ」と腹落ちする言葉で伝えることのほうが効きます。人は仕組みだけでは動きません。とくに変化を伴うときは、誰が本気で進めるのかが見えないと、表向きの協力すら得にくくなります。

だから、最初は経営者が旗を振ることが大前提です。そのうえで、実際に進める推進役を明確にする。少人数でもよいので、責任の所在が見える形にしたほうが動きます。

自社の業務を分けて見る

導入前の整理でいちばん重要なのは、自社の業務や収益の流れを分割して見ることです。何となく「集客が弱い」「業務が非効率だ」と言うだけでは、改善の打ち手は定まりません。

たとえば、受注、販売、フォロー、アフターサービス、問い合わせ対応など、流れを分けてみる。そのうえで、どこに問題があり、どこにボトルネックがあり、どこなら Web や IT の資産をはめ込めるかを考える。こうして分けるだけでも、見え方がかなり変わります。

しかも、この分割ができると、予算判断もしやすくなります。どこにどれだけの改善余地があり、そこにいくらまで投じられるかを考えやすくなるからです。手法ありきではなく、問題の場所から考える。その順番が大切です。

優先順位をつけてから専門家に会う

業務を分けて問題を見つけたら、次は優先順位です。全部を一度に改善できる会社はまずありません。だから、事業への影響が大きいところからやるのか、小さな成功体験を積みやすいところからやるのか、その時点で順番を決めておく必要があります。

ここまで自社で考えておくと、外部の制作会社やコンサルタント、広告代理店と話すときにも判断しやすくなります。逆に、何も整理せずに「うちの問題も含めて提案してください」とだけ投げると、どうしてもテンプレート的な提案が混ざりやすくなります。提案する側も無料の初期段階で深く入りにくいため、これはある意味当然です。

その結果、提案を受けた側は良し悪しを判断しづらくなり、導入後に「思ったほど成果が出ない」という不幸が起きやすくなります。発注側も受注側も苦しくなるので、前段の整理はできるだけ自社で一度やってみたほうがいいのです。

自社分析は外注判断のためにも必要

もちろん、分析から全部を自力で完璧にやる必要はありません。忙しいので、そこも含めて一緒に考えてほしいという相談は十分ありです。ただ、何も考えずに丸投げするのと、一度自社で悩んだうえで相談するのとでは、得られるものが違います。

ここまでは自社で持つ。ここから先は専門家のほうが効率的。この線引きを持てるようになること自体が、導入の大きな前進です。ガイドブックが価値を持つのも、まさにその土台を言語化してくれているからだと思います。

まとめ:導入前の整理が、活用の質を決める

Web や IT をうまく使える会社になるために必要なのは、新しいツールを知ることだけではありません。小さく始めること、経営者が意味を示すこと、自社の流れを分けて問題を見つけること、そして優先順位をつけてから外部と話すこと。この順番を踏むことが大切です。

導入前の整理は地味ですが、ここを飛ばすと後で迷いが増えます。逆に、一度でもこのプロセスを体験しておくと、次からの判断がかなり楽になります。Web 活用で悩んでいる会社ほど、まずはこの前段の整理から見直す価値があります。

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