第324回:「Webコンテンツは積上げ資産になる」時代は終わった

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • 「コンテンツは積み上げ資産」という考え方が揺らいでいる理由
  • 過去の発信が今の価値観で攻撃対象になりうる構造
  • これからのコンテンツ運用で必要になる管理と見直しの視点

Web コンテンツは積み上げ資産になる。この言い方は長く使われてきましたし、私自身もそう考えてきた部分があります。継続して作れば、過去の自分たちが未来の自分たちを助けてくれる。たしかにその面はあります。

ただ、今はその前提がかなり揺らいでいます。理由は、受け手の価値観や判断基準が、以前よりずっと速く変わるようになったからです。昔は評価された内容が、短い時間で一転して問題視されることがある。そうなると、積み上げたはずのコンテンツが、そのまま負の遺産にもなりえます。

資産性が成立していた前提

そもそも「積み上げ資産」という考え方は、受け手の価値観がそれほど急には変わらないことを前提にしていました。ある時点で良いとされた内容は、しばらくそのまま効き続ける。だから、記事でも動画でも、作れば作るほど会社に蓄積されるという発想が成り立っていたわけです。

実際、昔はその前提でもある程度うまく回っていました。価値観の変化がもっとゆるやかで、短期的な炎上や急激な論点の切り替わりも今ほど多くなかったからです。ところがここ数年は、その回転が明らかに速くなっています。

その結果、当時は自然だった表現や文脈が、今見ると強く批判されることがあります。コンテンツの寿命が短くなったというより、文脈の寿命が短くなったと言ったほうが近いかもしれません。

とくに危ないのはウエットなコンテンツ

すべてのコンテンツが同じように危ないわけではありません。製品紹介や機能説明のように、事実を比較的ドライに伝えるものは、まだ影響が小さい部類です。もちろん見せ方によっては注意が必要ですが、価値観の変化に直撃しやすいのは、もっと人間臭いコンテンツです。

たとえば、社長日記、経営者コラム、創業秘話、採用ページのメッセージ、その時代の空気を色濃く反映した記事。このあたりは、当時は前向きに書いた内容でも、後から違う意味で読まれる可能性があります。昔は美談として受け取られた努力や働き方が、今では別の角度から批判されることもあるからです。

つまり、会社の人柄や熱量を伝えるために書いたコンテンツほど、時代の変化の影響を受けやすいのです。

SNS時代は掘り返しのコストが低すぎる

さらに厄介なのは、過去の発信が簡単に掘り返されることです。昔の発言が、いま発言したかのように切り出される。前後の文脈が失われたまま、まとめられ、拡散される。こうしたことは、いまのネットでは珍しくありません。

とくに SNS のようなウエットな場での発信は、そのリスクが高くなります。過去の投稿、過去のインタビュー、昔のコメント。どこに何を載せたのか自分たちで把握していないと、何かあったときに守りようがありません。

本来は、その時代の文脈で判断されるべき発言まで、現在の価値観だけで断罪されることもあります。理屈として納得しづらい部分があっても、現実のネットはそう動いています。だから、理想論だけでは守れません。

これからはメンテナンス前提で作る

ここから先の考え方はかなりす。コンテンツは、作ったら終わりの資産ではなく、定期的に見直す前提の資産として扱う必要があります。どこに何を書いたのか、どこに原稿があるのか、どこに転載されたのか。この管理をきちんとすることが、まず大事です。

また、インタビュー記事や寄稿のように、自分たちだけで最終表現をコントロールしにくいものもあります。掲載時にはよく見えても、後で読むと危うい表現が残ることもあります。紙でも Web でも、外部媒体に出す情報は将来のリスクまで含めて考える必要があります。

センシティブな話題にむやみに踏み込まないという判断も、これまで以上に重要になります。何でも発信したほうが良い時代ではありません。

量を積むより、まとめて管理する

昔のように、たくさん作ればそのぶん強くなるという考え方は、もう少し慎重に扱ったほうがよさそうです。内容が広がりすぎたサイト、方向性の違う情報が混在した発信、どこに何があるかわからない状態は、それだけで管理コストとリスクを増やします。

むしろ、情報の方向性をまとめる、整理する、必要なら別の場所に切り分ける。そのようにコンパクトに運用する発想のほうが、いまは合っています。量を誇るより、文脈を管理できることのほうが大切です。

まとめ:積み上げ資産から、管理する資産へ

Web コンテンツは今も価値があります。ただし、それは放っておいても増価する資産ではありません。受け手の価値観が速く動く時代では、過去の発信が急にリスクへ変わることがあります。とくに人柄や時代感覚が強く出るコンテンツほど、その影響を受けやすくなります。

だからこれからは、積み上げること自体よりも、どこに何があり、今の文脈でどう見えるかを管理し続けることが重要です。コンテンツを資産と考えるなら、作ることと同じくらい、見直すことにも責任を持つ必要があります。

配信スタンド

■Podcast /Webinar への質問は

こちらのフォームへどうぞ。
https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7

運営・進行

株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)

代表取締役・コンサルタント 中山陽平

Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/

[無料週間メルマガ] Webコンサル通信 - 中小企業に活用に役立つヒント・トピックスをお届け
このホームページをフォローする
中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.)