Webマーケティング用のコンテンツ作成って大変で、なかなか進まない…と悩むケースは多く様々な方法論が世の中にはでています。
ただ、私としてまず強調したいのは「Webコンテンツを作る」だけに終わらせるのは勿体ないケースが多いということ。せっかくなら一粒で2度3度美味しい方が良いですよね。
ではそんなことができるかというと、できるんです。
Podcast版はこちらです
細かいニュアンスや省略部分など含めた全長podcasts音声版もぜひお聞き下さい。
具体的には
- Webコンテンツの元ネタが潤沢に手に入る
- 社内の疑問や質問をセルフで解決できるようになり、他人の時間を奪わないで済むようになる
- 自分の中、チームの中での暗黙知を明確化でき、水平展開できるようになる
こんなことが少なくとも実現できます。
ではどういうことなのか?について、今回は取り扱っていきます。
注目のニュース:AIの進化により社内ナレッジの構築が楽に・深く可能に
今回の話題のきっかけはちょっと変わった「FAQの自動生成ツール」が出たというニュースです。
このPodcastを出している時点ではPKSHAテクノロジーさんが出している「PKSHAナレッジメーカー」というものです。
これを使うと、FAQを自動的に生成できます。
社内ナレッジツールについてはその重要性含めて今に始まった話ではありません。例えば、
- 社内のよくある質問対応
- お客さんへの対応の標準化や品質安定
- 細かい手順やマニュアルなどをまとめて自己解決率を上げる(社内セルフサービス型ヘルプを構築)
等を狙って構築している会社も多いでしょう。特にスマホの写真が簡単に採れるようになってからは、スマホアプリと組み合わせて、写真を撮りながら簡単に手順書ができるようなツールも増えました。
また、私がガリガリと企業で仕事をしているときも、Googleの社内向けのカスタム検索エンジン(確かSiteSearch)をもとに仕組みを構築した記憶もあります。実際よく使われてそのまま一部はお客さま向けに転用させました。
お客さまの方でも、簡単なところではGoogleWorkspaceのサイト機能、本格的なところでは社内でFreshWorkやZenDesk導入などもしていますね。SaaS系が増えているのでとても楽です。
音声を取り込むことで見えてくる物があるのではないか
さておき、面白いと思った理由は、端的には「入力の幅が広いこと」。
具体的には、メールや手動入力はもちろんのこと、社内コミュニケーションチャット、さらには問い合わせの会話の音声も使える模様。
内部の問い合わせやお客さんとの対応などで、文字化せずに音声自体を読み込ませ、AIが自動的に振り分け含めてFAQを生成する仕組みだそうです。プライバシー情報などのマスキングは配慮されていると思われます。
私も実際に使ったわけではないのでもしかしたら違うかもしれませんが、「音声を取り込む」これが非常に面白い方向性だと思うのです。
音声なら、自然とデータが取れる
社内ナレッジのポイントは、以下にデータを集約できるかです。しかし大企業でも中小企業でもここで苦労します。端的にはなかなかみなさん集めてくれません。
特に大企業においてはこれからの時代、社内で持てるデータが多いことにありますから、データが集められる利点を生かさなければ大きな組織を維持するうま味は減ってしまいます。
データが集まりやすいと、AIを使って意味のある情報を生み出すことができます。AIは情報量が少ないとうまくいかないため、学習元のデータソースが必要になります。大きな企業はこういったデータを作りやすいので、それがすごい強みだと思いますが、なかなか集められないことも多いです。
手動で集めるのは限界があるため。今までも、質問と回答を書いたり、質問に対して定期的に回答を出して社内FAQを作ってきた会社も多いですが、それでも手動での集め方には限界があります。
しかしここで音声が入ってくるとどうでしょうか。
音声データの楽な点は「とりあえず録音しておけばそれ以上の作業が必要ない」ことです。
それがコンテンツ化された際に調整は必要ですし、取り込みやすいように喋ったりスピーチTOテキストの精度の課題もあります。しかし、いちいちキーボードで入力するのに比べれば相当とっつきやすいでしょう。
スピーチTOテキストの精度はどんどん上がっている
一昔前のGoogle音声認識辺りを想像している方は「とはいっても精度低いし手直しが大変では」と思われるかもしれません。
しかし今の物は相当精度が上がっています。特に私はOpenAIのWhisperのラージモデルを推します。
私のPodcastの動画版には最近はハードキャプションを埋め込んでいますが、これはWhisperで起こして、簡単なところや冗長なところを直す以外は保母ノータッチでいけることすらあります。それくらいの精度です。
Introducing Whisper
https://openai.com/blog/whisper/
※私はGoogleのColab上でPythonで動かしています。検索するとやり方たくさん出てくると思います。
文字おこしした後に、整文したり読みやすくする作業は必要になるかもしれませんが、その辺りは外注を使ったり、あるいは新人の方に教育兼ねてやってもらってもよいでしょう。
音声は文字と違って本能的な物が漏れやすいため、発見が多い
音声からは、予想していなかった情報がたくさん発見できる可能性が高いです。自分たちが意識していなかったものをたくさん発見できます。
そのため、テキストでの明示的な入力以外にも、だだらに漏れてくる音声を元にしたデータも組み込むと「草々そういうことが知りたかったんですよ」という内容が出てきやすいんですよね。
考えずに答えていたことが、実はたくさんの人が求めていたことだったということありますよね。
社内に対しても、そしてお客さまに対しても。
これは社内に対してはよいナレッジベース、社外に対しては素晴らしいWebコンテンツになります。
ツールを使わずとも、Webコンテンツ作成は社内にもよい影響を与えると知って欲しい
今回伝えたかったことの1つは、ツールを使って欲しいと言うことではなく、ナレッジの共有はWebコンテンツの作成とセットで考えるとおいしい、そのことを知っているだけでも有益だということ。
常にお客様の質問や社内の質問に対して、毎回毎回手作業で対応するのではなく、それらを集約して課題を見えるようにすることが重要です。
特別なツールを使わなくても出来ることはたくさんある
特別なツールを使わなくても、社内の共有スプレッドシートやGoogleフォームを使って、匿名で質問を投稿できるようにすることができます。
それに対して、回答をまとめ、担当者がどのような対応をするべきかなどを決めることができます。また、社内のFAQを取りまとめ、社内のポータルサイトに作ることで、会社の中でのやり取りがスムーズになります。
社内でのよくある質問をまとめることで、同じ質問が繰り返されなくなり、時間の無駄を省くことができます。また、質問をするのが苦手な人や忙しい人にも役立ちます。
質問と回答が蓄積されいくことで、対応品質が上がり、聞かれることが決まってくるため、対応する人間も余裕が出てきます。
その結果、今までは聞かれたことに答えることしかできなかった人が、もっと提案営業的なことができるようになり、気持ちの余裕ができる。
良いことがたくさんあります。
ぜひ、安価なものや無料の物を組み合わせて、効率よく「テキスト以外の」様々なソースを元に社内のナレッジ統合を考えてみて下さい。
でも最初はどうしたら?と悩んだら
どうしたらよいか?と悩んだ方は、まずは「知りたいことを書くスプレッドシートを用意して、有識者にそれに対しての答えを音声で吹き込んでもらい、それを文字化する所から始めるとよいでしょう。
それは社内にとってはよい教材になりますし、社外に対してはFAQやコラムなど良質なコンテンツになるでしょう。Googleとしても推奨する、実体験に沿ったオリジナルのコンテンツですから。
それでは今回の内容がお役に立てば幸いです。
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中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから