[TOPIC/22/10/11] BtoBの購買が進まないのはなぜ?価格・評判・接し方を考える

中小企業を強くするWebマーケティングPodcast — ラウンドナップWebコンサルティング 中山陽平

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

BtoBで問い合わせが増えない、あるいは商談が先に進まない。そんなとき、営業のフォロー回数や担当者の話し方を見直したくなるかもしれません。もちろんそれも大事です。ただ、買い手が自分たちで比較し、判断するための材料を渡せているかも考えたいところです。

今回は、2022年に公表された海外のBtoB調査を手がかりに、購買の過程で何が止まりやすいのかを見ていきます。日本の企業すべてにそのまま当てはまる数字ではありませんが、私が現場で感じていることとも重なる部分があります。

営業に連絡が来ないのは、必要な情報がないからかもしれない

BtoBは、選定に関わる人が複数いたり、金額が大きかったり、導入後に簡単には切り替えられなかったりします。買い手は、営業へ連絡する前にも候補を比べます。必要な情報がサイトで見つからなければ、問い合わせる前に候補から外してしまうかもしれません。

今回取り上げた調査は、問い合わせが来ない理由を直接測ったものではありません。ただ、購買が長引く理由を見ると、買い手が判断の途中でどこにつまずくかの手がかりになります。

2022年のBtoB調査で挙がった購買遅延の理由
買い手が挙げた理由 割合
価格条件の食い違い 29.3%
商品・サービスに関する認識の食い違い 24.4%
情報不足 19.5%

最も多かったのは価格条件の食い違いで、情報不足は別の理由です。価格や提供内容を買い手が判断しづらいまま話が進むと、後になって条件のずれが表に出ます。連絡する前にも、同じような疑問を抱えているかもしれません。私は、そこにWebサイトで先回りできる余地があると思います。

売り手を選ぶ決め手としては、「購入しやすくなる情報を提供できること」が40.5%で、相手企業やそのニーズを理解していること、商品・業界に詳しいことより多く選ばれています。営業担当者の知識やフォローが不要になったわけではありません。買い手が自分で検討できる情報も必要だ、という見方です。

価格を隠すのは今の時代にはNG

分かりやすいのは価格です。私は、まだ「費用はすべてお問い合わせください」としているサイトを見かけます。以前なら、まず問い合わせてもらってから説明する進め方もありました。しかし、価格の見当がまったくつかなければ、予算に合うか分からないまま候補から外されてしまうかもしれません。

「隠さない」は、すべての商材に確定額を載せるという意味ではありません。一件ごとに見積もりが変わるなら、おおよその価格帯、金額が変わる条件、標準的な範囲を示すことは考えられます。私自身、問い合わせ後に初めて金額が分かって双方の時間を使ってしまうより、前もって合う・合わないを判断できたほうがよいと感じています。

ただし、価格だけを詳しく書けば済むわけでもありません。この調査では、サービス提供会社のサイトで知りたい情報として、次のものが挙がっています。

  • 商品の特徴
  • 提供するサービス
  • 料金体系

買い手が比較のために知りたいことを、自社のサイトだけで見つけられるか。価格を出すことは、その一部です。営業資料を作る前に、まずサイトを買い手の目で見てみる必要があります。

価格よりも「失敗しない」が大事な時代

価格の見当がついても、「この会社を選んで大丈夫か」は別の判断です。今回の調査では、サービスを選ぶ際、価格やサービスの比較より事業者の評判を重視する買い手がいました。価格がどうでもよいという話ではありません。予算に合うかを確かめたうえで、失敗したくないという気持ちにも答える必要があります。私も、お客さんの声や事例を集める仕組みをつくるよう、よくお伝えしています。

ただ、BtoBでは本音のレビューを集めるのが簡単ではありません。会社名を出して他社のサービスを評価するのは、その企業にとって重い行為です。大きな会社ほど協力を得にくいというのは、私も経験しています。今回の調査でも、買い手の54.8%が、信頼できるBtoBサービスのレビューを見つけるのは難しいと答えています。

だから、レビューの数だけを追いかけるより、公開できる範囲で事例やお客さんの声を少しずつ増やしていくことが現実的だと思います。読む側も、売り手が用意した事例をそのままうのみにするわけではありません。それでも、判断材料が何もないよりはずっとよいはずです。

安易にオンラインで済まそうとしない

当時の調査では、取引をオンラインで進めたい買い手もいました。電子契約のような仕組みは、手続きの手間を減らします。うちでも使っていますが、初めて使うという会社さんにも「これを機に」と受け入れてもらえることがあります。オンラインで進められる部分を整えること自体は大切です。

ただし、最後の意思決定では対面を望む回答もありました。売り手の都合だけで、何でもオンラインで済ませようとしないほうがよいでしょう。もちろん、全員が対面を望むという話でもありません。普段の情報収集や手続きはオンラインで進め、最後に一度会って話す。そんな組み合わせもあるだろうと、私は感じています。

まとめ:お客さんの要望を勝手に推測していませんか?

「価格を出さなくても問い合わせてくれる」「サービスのよさが分かれば評判は気にしない」「最後までオンラインでよい」。売り手側でそう決めつけていないでしょうか。買い手が迷う理由と、売り手が想像する理由は同じとは限りません。

2022年の海外調査では、購買が長引く理由として価格条件やサービス内容の食い違い、情報不足が挙がりました。これは今の日本の自社顧客をそのまま表す数字ではありません。それでも、価格帯や提供内容、事例を問い合わせ前に分かるようにし、最後の接し方も一律に決めつけない。お客さんが何を知り、どう判断したいのかを、こちらの都合だけで推測しないことが出発点だと思います。

引用元・参考情報

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