[23/06/08]2023年度版中小企業白書でおさえるべきポイント【Vol1】

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • 2023年度版中小企業白書は、景況感の回復をそのまま楽観材料として読むべきではないこと
  • 地域課題への対応、人手不足への備え、外部人材の活用など、これからの中小企業が考えるべき打ち手が見えてくること
  • 白書の数字を見るときは、平均値の裏にある企業ごとの差を読む必要があること

今回は、2023年度版中小企業白書のポイントを、特にWeb活用や経営の打ち手という視点から整理します。細かな数字の紹介よりも、今の中小企業がどう読めば次の一手につながるかに絞って見ていきます。

回復の数字を、そのまま安心材料にしない

白書では、感染症流行前に向けて売上が戻りつつあるという全体傾向が示されています。これ自体は前向きな材料です。ただ、ここで注意したいのは、全体平均が戻っているからといって、何もしなくても各社の業績が自然に戻るとは限らないことです。

現場感としては、感染症下でやり方を変え、商品や売り方を見直し、少人数でも売上を作れる形へ移った企業が押し上げている面がかなりあるはずです。一方で、耐えるだけで終わった企業は、むしろ差を広げられている可能性があります。白書の数字は、景気が良くなったから安心という話ではなく、努力した企業が先に抜けていった結果でもあると読んだ方が安全です。

地域課題は、地元企業が取りに行ける市場

今回の白書では、地域の持続的発展や地域課題の解決が大きなテーマとして入っています。これはきれいごととして読むより、今後の市場の考え方・方向性として押さえておく価値があります。一般的な悩みや汎用的なニーズは、全国の大手や便利なサービスが取りに来ます。そこだけで戦うのは、中小企業にはかなり厳しい場面が増えています。

その一方で、地元の事情、人のつながり、その地域特有の困りごとは、地域に根ざした企業の方が圧倒的に強いです。最初から全国を狙うより、まずは自分たちの足元で共闘圏をつくる。地域課題を解決することで商売につなげる。この視点は、これからますます重要になるはずです。

人手不足は採用だけで解けない

白書の中でも、人手不足はかなり重いテーマとして出てきます。しかも単に人が足りないだけではなく、残業規制の強化なども含めて、今いる人に無理をさせ続けるやり方が通用しにくくなっています。つまり、採用できるかどうか以前に、今の業務の回し方を変えないと持たない会社が増えていくということです。

そこで出てくるのが、業務プロセスの見直しやデジタル化です。熊本市の運送業者の事例では、人手不足をきっかけに配車業務の効率化と情報共有の迅速化を進めていました。特別にIT企業だったわけではなく、段階的に取り組んだ結果、少人数で回る形に近づいています。ここで大事なのは、できる会社だけの話として眺めるのではなく、時間をかけてでもやる会社が前に進んでいると受け取ることです。

外部人材は代行ではなく、社内に残すために使う

もうひとつ注目したいのが、副業人材や外部人材の活用です。EC強化に取り組んだ企業の事例では、専門知識を持つ副業人材と定期的にオンライン会議を重ね、課題整理や改善を進めた結果、販売高を大きく伸ばしていました。

ここで本当に重要なのは、外注したから伸びたということではありません。社内の担当者が一緒に走り、考え方や判断の背景を吸収し、最終的に自走へつなげている点です。外部人材は、単純な穴埋めではなく、社内の力を育てるための触媒として使う方が、中長期でははるかに効きます。

値上げと労務は、避けずに向き合う前提

白書には、原材料高や賃上げの圧力、さらに労務面の制度変更も色濃く出ています。これはWebで何とかなる話ではありませんが、逆に言えば、Webやデジタルはこうした環境変化に耐えるための一手として考えるべきです。値上げを納得感のある形で伝える、少人数でも回る仕組みに変える、採用や定着で選ばれやすくする。こうした部分で効いてきます。

特に労務や残業規制は、知らなかったでは済みにくい分野です。自社で取り切れないなら、専門家の情報に触れる導線を持っておく必要があります。白書は、その危機感を数字で再確認させてくれる資料でもあります。

まとめ:平均値の回復より、動いた企業の差を見る

2023年度版中小企業白書を読むときに大事なのは、全体が戻りつつあるという数字に安心することではありません。その裏側で、地域課題に向き合い、人手不足に備えて業務を見直し、外部人材も使いながら前に進んだ企業が差をつけていると読むことです。白書は景況感の資料であると同時に、これから何をやらないと置いていかれるかを示す資料でもあります。自社を平均値の中に置くのではなく、どちら側に寄っているのかを見直す材料として使うのがよいと思います。

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