[23/07/20]WixAIから考える、生成系AIによるWebサイト完全設計の有用性と未来、そして準備すべき事

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • Wix AIのようなサイト自動生成は便利だが、すぐに本格的な成果獲得サイトを置き換えるものではないこと
  • AIサイト生成の質を決めるのは、結局こちらが何をしたいかをどこまで言語化できるかであること
  • 今後はサイトの基本品質が当たり前になり、その上で真似しにくい資産や現場の理解が勝負になること

今回は、Wixが発表したAIサイトジェネレーターをきっかけに、生成AIによるWebサイト設計の現実的な有用性と、その先に何を準備すべきかを考えます。結論から言えば、これは面白い流れですし、使い道もあります。ただし、いきなりゲームチェンジャーとして受け止めるより、土台づくりの道具として見た方が現実的です。

短期的には土台としての価値が中心

Wixのようなクラウド型ツールが、AIでサイト全体を作る流れ自体は新しくありません。ただ、Wixはもともとの基盤が強いので、従来のサイトジェネレーターより良いものを出してくる可能性はあります。その意味で期待はできます。

とはいえ、現時点で一般的なマーケティング成果を狙うサイトを、これだけで完結させるのはまだ厳しいでしょう。実際には、まず土台を作って、その上に自分たちの情報や写真や導線設計を足していく形になるはずです。制作会社のきっちりした制作プロセスを、そのまま置き換える段階ではありません。

ボトルネックは作る技術ではなく、考える力である

この種のAIで本当に難しいのは、デザインを出すことより、何を作るべきかを言葉にすることです。自社は誰に何を届けたいのか、何が強みで、何を反応として取りたいのか。その整理が甘いまま入力すると、結局はどこかで見たような無難なサイトが出てくるだけです。

つまり、入り口がプロンプトに変わっても、本質的な難しさは残ります。HTMLが書けない、ツール操作が苦手という人にとっては助けになりますが、「そもそもどうしたらいいか分からない」という人の悩みを一気に解決してくれるわけではありません。

AIはデータが多い領域ほど強い

もうひとつ見ておきたいのが、AIの強みと限界です。大規模言語モデルは、世の中にたくさんあるデータからパターンを引き出すのは得意です。だから、同業他社が多く、よくある構成やよくある訴求が通じる領域では、かなり役に立つでしょう。

一方で、商売がニッチだったり、狙う相手が狭かったり、独自の強みが大きかったりするほど、使えるデータは少なくなります。その場合、周辺業界の似た情報を引っ張ってきてしまったり、平凡な提案に寄ってしまったりしやすい。これから生き残るにはニッチ化が必要だと考えるなら、AIだけで完結する世界にはなりにくいわけです。

潜在的な価値はAIが拾いにくい

さらに重要なのは、商売で本当に効くものは、言葉として表に出ている情報だけではないという点です。キーワードや比較情報のような、すでに言語化されているニーズを集めて作ったサイトは、どうしても似てきます。比較サイトが似通いやすいのも、その延長です。

実際の現場では、お客さんがまだうまく言葉にできていない違和感や、「なんかこっちが良かった」という感覚の方が、意思決定に効くことがあります。そういう潜在的な価値や、接客の中で見つかる本音は、今の生成AIがそのまま得意とする領域ではありません。だからこそ、現場を知っている側の調整が必要になります。

これからは基本品質が当たり前になる

その一方で、AIが広がることで、サイトの基本品質は確実に底上げされます。構造、導線、ページ構成、見せ方、キャッチの作り方。そうした「ちゃんとしているサイト」を作る知見は、これまで一部の会社や担当者の武器でしたが、今後は広く使えるものになっていくでしょう。

これは一見よい話ですが、同時に最低ラインが一気に上がるということでもあります。以前なら30点でも成立していた世界で、80点が当たり前になる。そうなると、基本品質を満たしているだけでは差になりません。できていなければ減点、できていても加点ではない、という状態に近づきます。

今から作るべきは真似しにくい資産

だから準備すべきなのは、AIの力を借りて基本を押さえることと、その上で他社が簡単に真似できないものを蓄積することです。お客様の声、独自の仕組み、現場でたまる知見、フィードバックを素早くサービスへ反映できる体制、時間をかけて積み上がる信頼。こうしたものは、簡単には代替されません。

加えて、社内でその流れに乗れるようにしておくことも大事です。担当者は気づいていても上が動かない、というケースは多いので、経営側や責任者がこの変化を理解し、動きやすい雰囲気を作る必要があります。2030年に入ってから慌てるのでは遅い、という感覚はかなり大事だと思います。

まとめ:AIで土台をスムーズにし、その上で自社らしさを積み上げる

Wix AIのようなサイト自動生成は、これから確実に存在感を増します。ただ、現時点では大事なサイトを丸ごと任せるというより、土台を早く作る道具として見るのが現実的です。そしてその先では、誰でも基本品質の高いサイトを持てるようになる分、比較されるのはその上に何があるかになります。AIを使って当たり前の部分を押さえつつ、現場からしか出てこない価値や、真似しにくい資産を今から育てていく。それが一番大切な準備です。

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