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今回の内容について
今回は、人材難が続く中小企業・小規模事業者の方々にむけて、ウェブを活用とするコアとなる人材の育成方法についてオススメのやり方をお伝えしています。
よくある落とし穴や、辞めてしまったら?などの疑問にもお答えしています。 人材の選定やその後どうするかなどについては、今回は省略しています。
それらの内容については、eラーニングサービス「ラウンドナップ・Webメソッド」で公開していますので、そちらをご覧下さい。
詳しくは、この動画か、iTunes/Googleの音声ポッドキャストをお聞き下さい。
YouTubeで動画形式で配信しています
YouTubeにて動画にて配信しています。内容自体は同じです。お好きな方をご覧下さい。
エピソード詳細
今回のテーマは、どこの企業でも持っている課題「人材をどうやって育成するか」についてです。
採用、人選、育成・・・人材の悩みは尽きない
中小企業・小規模事業者の方々にとっては非常に大きな課題ですね。
人材の流動性が上がってきていたり、採用に対してそこそこ人が集まってきているのは、まだまだ大企業ばかりです。中小企業・小規模事業者には、なかなか人が流れてきていないのが現状です。
そもそも採用しなければいけない、という話はあるんですけれども、それ以外に、採用したけれども、Webをこれから構築していくために誰をアサインしようかな、誰を使っていこうかな、ということを考える必要があります。
人選も重要になってきますし、この人に決めたという段階で、どうやって教育をしていくのか、またこれも悩み事です。
場合によっては、今は任せる人はいないし、今のところ自分でいろんなことをハンドリングしていきたい、お客さんのことをわかっているのは現状ではやっぱり自分かな、ということで、経営者の方自身がハンドリングされるケースというのも多いです。
特に小規模事業の方々では多いでしょう。また、個人事業主の方にとっては、それが
当たり前です。
ここにはいろいろな課題があって、一つ一つ解決していかなければなりません。
トータルで解決したいという方は、e ラーニングのラウンドナップメソッドを、月々980円で見ていただくのが一番早いです。
今回の放送のなかでは、その中でどうやって育成したらいいの?という部分についてお話します。
育てるべきはWebの専門家ではなく「あいだに立てる人」
こういう人にやらせてみようか、ということで、その人の適性を見ることも、もちろん一つの目的としてはあります。
でも、やっぱり育っていってもらわないといけない。では、どのような姿に育っていかなければならないのか。
別に専門家を育てる必要性はないんですね。
そうじゃなくて、間に立つ人間をうまく育てていくのが、中小企業にとってはベストとだと、私は経験上考えています。
そこに至るまでに、何をさせればいいのかというところが非常に悩ましい問題です。
「とにかく体験させに行く」は育成の落とし穴
ここでよくある間違いは「なんかよくわかんないけど、とにかく体験させに行く」っていうところなんですね。ここは落とし穴です。
間違いっていうのは、例えば、Web のことを知らせなきゃいけない、何が起こっているのか分からせなきゃいけない、ということで、いきなりセミナーに行かせたり、展示会に行かせたり、それから商品説明会に行かせたり。そういう、「とりあえず行って現場を感じてこい」みたいなやり方は間違いです。
言葉にすると何かこう意味がありそうなんですけれども、非常に漠然としたやり方で、まず教育をはじめるっていうところ。教育というとちょっと上から目線な言い方になるかもしれないので、育成と言ったほうがいいかもしれないですね。
こういう、目的もなくとりあえず情報に触れるというやり方は、基本的にほとんど意味がない。意味がないばかりかマイナスの効果になってしまうことの方が多いです。
判断基準が未成熟の状態で情報を浴びるのは危険
なんでかというと、情報を正しく吸収していく、価値ある形で自分の中に取り込んでいく、栄養として取り込んでいくためには、事前にそれが正しいか正しくないかという判断基準を、ある程度自分の中に持っていないと成立しないんですね。
それがない状態でいくと、すべてを取り込んできてしまうことがあります。
行く先によりますけども、ベンダーに行くのだったら、ベンダーさんの言いなりのこと全部覚えてきてしまって、手先のようになってしまったり。
あるいは考え方みたいなフラットな協会などのセミナーに行ってしまうと、そこの考え方に染まってしまって、物事を多面的に見られなくなってしまう。あるいは全てを否定する。
いろいろ見てきたんですけども、「ぱっとするものなかったです」と言って、「Webなんてこんなもんだよな、自分はなんでこんなことやらされてしまったんだろうな」って思ってしまう、そんな感じに分かれてしまうんですよね。
自分の中でれっきとした判断基準がない状態で送り出されているので、当然モチベーションも湧きませんし、どんな質問をすべきかも分かりませんし、返ってきたものにリアクションを返すすべもありません。
間違っていても中途半端でもいいから、判断基準をまず仮説立てる
会社から外に出す段階で、その人が理論武装を完璧にする必要があるというわけではなく、「これは意味がありそう、これはなさそう」という判断基準の芽くらいは持っている状態になっていないと危険です。
その芽があれば、なんとなくうっすらとでも「これは役に立つか」「もう少しこれが必要かどうか情報を集めてから判断しよう」というように、自分の判断基準ともども成長させていこうという考え方に行く可能性が十分にあります。
それが全くない、もしくはその判断基準を持つべきだということに気づいていない状況で送り出されてしまうと、先に挙げたような丸のみかシャットダウンか、0か100かの状態になってしまいます。これで良い結果が生み出せるわけはありません。
全部シャットアウトするならそもそもその人は必要ありませんし、手先のようになって帰ってくるなら、そのベンダーさんを呼ぶほうが早いわけです。そうならないためにはどうしたらよいかというと、当然社内でもまなくてはいけません。そこで皆さんが悩むのは、では社内でどう教育すれば良いかということです。
ここで私は、別に当社のようなコンサル会社を入れて育ててから行ってくださいと売り込みたいわけではないのです。そうではなくて、どの会社でもできるやり方を今回お伝えするつもりです。どうすれば人が判断基準を持つかというのは、もちろんいろいろなやり方があります。
判断基準を育てるためには/適切な人材
やはり実体験を積む、そして自分が行ったことにフィードバックが返ってくるという状況下に置くことが一番の近道だと思います。自分がある施策をしたことに対して、意味が無かった、もしくは何かアクセス解析の数字が変わってきた、反響が来た、順位が上がったなど、何かしらのフィードバックが返るという環境を作ります。
AI的に言えば評価学習をさせるようなことです。その中で自分でいろいろなものを取捨選択してトライしていき、結果を見てまた次のトライを行うという環境に置くことが一番早いと思います。それをやるような意欲がある人を選ばなくてはいけません。
そういう意味で言うと、理系でなくてはいけないということもないです。そもそもWEBやITは理系だというのはただの思い込みです。今はかなりテクノロジー系のことが分かっていないとマーケティングができないので、確かに数字には強いほうが良いですが。
専門知識は必須ではない
専門知識が必須、つまり例えば昔で言うとHTMLが分からないとWEB担当ができないということではありません。お客様のことが分かっていて、いろいろなことが客観視できて、頭の回転が速いとか、そういう感じで選べば良いのです。柔軟性がある人が一番良いのではないでしょうか。
年齢も縛りはありません。若いから良いということではありません。たくさんネットを見ていることとネットで売ることは別の話です。年齢層が上の人は頭が堅いなんてよく言われますが、皆そうかというとそんなこともありません。人によりけりです。最近スマートフォンに変えたばかりなのに柔軟な発想ができるという人も山のようにいます。
では人材を選んで、いきなりHPを任せるかというとそれはリスキーです。トライアンドエラーや自己学習の場に使われるのは怖いです。会社に対して使うお金は額も大きくなるし、気軽にいろいろなことをやらせるわけにもいきません。また任される側としても、最初からそれをやるというのは萎縮する可能性が高いです。
何かやらかしたらという気持ちがあると、自分の中で少し飛躍したトライが全部できなくなってしまいます。報告した時に怒られないようにという、いわゆる担当者的根性が前面に出てしまいます。そういう状況は避けたいですね。
人材を選んだ後の教育方法
そこでお勧めの方法は二つあります。まずは自分の会社のある事業に関して切り出したようなサイトを作り、そこに関してトライアンドエラーをしてくださいという、オフィシャル寄りのやり方です。多少しくじってもいいよ、という感じです。
例えば特定の製品群の特設ページを作り、集客をし、見込み客育成をし、販売をし、その後のフォローをし、3カ月後や1年後にどういう姿にするか、というやり方です。
習うより慣れろ
もう一つは全く関係なく、例えば自分の趣味のメディアを作ってアクセス数を上げるチャレンジをするという方法です。今は個人ではなかなか厳しい部分もありますがアフィリエイトサイトを作る、ECサイトを立ち上げるということもできます。
個人でも今は卸しと繋がって仕入れて物を売ることはできます。また例えば、オリジナルのスマートフォンケース等を自分で作ることもできる時代です。つまり今の業務とは関係ないネタを持ってくる方法です。
どちらが楽かは、本人に聞いてみるのが良いでしょう。人によっては、業務時間内に業務外っぽいことをやることに罪悪感を覚える場合もあります。もしくは、自分の得意分野をやってみたいという場合もあります。これはもうその人に任せるのが良いです。それによって採算を得ようとは考えず、あくまでも教育と考えてください。
やる時間は明確に1日1時間等と決めて、その人が取れる時間の範囲内で自由に何をやっても良いという形にします。予算は月々いくらと決めます。
できれば成果、KPI、目標を設定して、クリアしたらボーナスを付けるとより良いでしょう。人によっては報酬がないほうが動く場合もあります。楽しくてやっている人に報酬を与えると逆にモチベーションが下がるということもあるので、そのあたりは皆さんの目で判断してください。
このようにリスクが少ないところで、自由にWEBマーケティングから販売、セールスまでやるという仕組みを用意してあげるのが一番早いです。もちろん報告はさせます。目標に対してなぜダメだったのかということは皆で一緒に考える場所を作ります。
発表の機会を持たせると一粒で2度美味しい
1、2カ月に一度、皆でブレストする場を作ります。その人だけの知識ではなく、会社全体の知識にすることは大事です。一度このようにゲーム感覚というか、自分で物事を動かしてフィードバックを得て、目標に届くか届かないかというキリキリしたことを体験することで、最も生々しい判断基準が自然と身につきます。
そういう人は1時間の間に成果を出そうとすると、いろいろな情報を探していろいろなことを試します。「これは実際にやってみたら役に立たない」「この情報は関係ないと思いきや役に立ったな」というように、自然と土地勘のようなものが付いてきます。必要なものとそうではないもの、外に投げて良いもの、自分が実は考えなくて良いもの、いろいろなものがたまっていきます。
それが一番近道かつ無理が少なく、しかも後に繋がる判断基準やノウハウを身につける方法です。例えば業務内の何かの事業をやっていれば、それが成長していけばそのままその人に任せて、会社の柱の1本にすると良いです。
そうでない場合はノウハウを用いて、後々会社の何かを任せるという形で鞍替えしていくと良いでしょう。その中で自然とその人から「あの展示会に行ってみたい」「この資料請求をしたい」「担当の話を聞きたい」ということが出てくるはずです。それが出てくる人を選びたいところです。
そういう時期までいけば、恐らくある程度適切な判断ができるようになっているでしょう。こういう話が出てこなかった場合にも、半年とか続けた状態になってから展示会やカンファレンスに行くと、得られるものが全く違ってきます。まずは内部で知見をためて判断基準を作った上で、外側のいろいろなところに飛び込んでいくようにしましょう。
これが大企業だと、先に経験者の先輩がいるので、一緒に習っていくというスキルの伝承が行われます。だからこそ大企業が強いのです。それができない中小企業としては、このように1から作っていく必要があります。
ノウハウは専任を作らず必ずシェアすること
大切なことなのでくり返しますが、この時に担当者だけにノウハウをためておくことはリスクが大きいです。
なぜなら、辞める可能性があるからです。また人によっては、単純にポジティブに「楽しくなったからそちらの業界に行きたくなった」というケースがあります。ですから、必ずやってきたことは全員でシェアする場を作ってください。
行ったことは全て記録してください。それがあるだけで、不意に辞めてしまった後でも、次の人が0からスタートする必要がなくなります。
50くらいからスタートできれば、楽になります。あとはその人が安定してある程度、1,2年やってくれるようになったら、早めに跡継ぎを付けましょう。その人にも教えながら進めていく環境を整えるのがお勧めです。教えることによって学ぶこともあります。
早め早めに人をつないでいきましょう。専任を作る必要はありません。兼任で何人かが繋がっている状況を常に作っておくと、中小企業としては安定するのではないでしょうか。経営者がやる場合には辞めることはないでしょうが、どこかで手を離すタイミングが出てくると思うので、そういう時にはこの考え方をしてください。
当社への相談でも「やりたいけど時間がない」「どこから手を付けたら良いか分からない」「社内で体制を作りたいけれどどうすればよいか分からない」「今やっていることがずっと続くとは思えないから違う販路やWEB強化をしてリスクヘッジをしたい」というものが多くあります。
その際には、このように担当者を育てながらHPを育てること、その副産物として企業全体としてどちらの方向へ向かっていくかを明確化していくこと(これにはHPが役立ちます)をアドバイスしています。
その過程でなかなか社員に相談できないこともあると思うので、そういうことについて相談を伺っています