第20回:ユーザーテストはどう進める?参加者選びから改善への反映まで

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

数字で分からない部分を、実際の操作から確かめる

アクセス解析で滞在時間が短かったとして、それはページに興味がなかったからでしょうか。それとも、分かりやすくて知りたいことをすぐに吸収できたからでしょうか。数字だけでは、頭の中で何が起きていたかまでは分かりません。

そうした部分を補う方法の一つが、ユーザーテストです。やり方はいろいろありますが、基本は、実際に使ってもらって、その様子を観察することです。特別な機材で視線まで調べる方法もありますが、まずはもっと簡単な形から始められます。

大きな流れは、テストをお願いする人を探す、環境を整える、テストする、見つかったことをサイトに反映する、という四つです。準備が大変すぎて実施できなくなるより、何を知りたいかに合う形でやってみていただきたいと思います。

実際のお客さんに近い人にお願いする

参加者は、狙っているお客さんと共通点が多い方を選びます。ペルソナを設定しているなら、それに近い方が一つの目安になります。年代や性別だけでなく、商品についてどの程度知っているかも、行動や受け取り方に関係します。

社内の人にお願いする場合もあると思います。ただ、サイトを作っているWeb担当者や、商品を熟知した営業の方では、お客さんがどこで迷うかを見つけにくいんですね。ほかの部署の方など、対象のお客さんに近い立場の人を考えてみてください。

一人の感想だけで決めず、できれば三人、五人くらいの方に使ってもらいたいところです。複数のタイプのお客さんを想定しているなら、その違いも考えて人を選びます。誰でもよいから人数を集めるのではなく、買ってほしい方に近いかを軸にします。

目標と状況を伝え、考えたことを声に出してもらう

環境は、区切られたスペースに普段使うようなパソコンを置き、後ろから操作を見てメモを取る形でも構いません。画面や声を記録できるようにしておけば、後から振り返りやすくなります。高価で大掛かりな設備から始める必要はありません。

テストでは、達成したい目標と状況を伝えてください。何となくサイトを見てもらうだけでは、行動の理由が分かりにくくなります。例えば、どういう家族構成で、どの立場の人が、どれくらいの予算で、何のためにサービスを探しているのか。急いでいるのか、誰かに頼まれたのかという状況もあります。

そして、頭の中で考えたことを、文章にならなくてもよいので口に出してもらうよう、事前にお願いします。「あれ」「うーん」という声だけでも、どこで止まったのかを知る手掛かりになります。人は普段、考えたことを全部話しているわけではありませんから、これは明確にお願いしておきます。

購入先を選ぶ行動を確かめたいなら、競合のサイトも含めて見てもらうことが必要です。一つのサイトの中だけでなく、情報を探して比較する動きまで、目的に合わせて観察してください。

遠慮せず話してよいことを、こちらから伝える

テストに呼ばれた方は、こちらが喜ぶようにしようと気を遣ってくださることがあります。問題があっても、言うのを遠慮してしまうんです。それでは、せっかく使ってもらっても改善点が見えにくくなります。

ですから、「悪いところを見つけたいので、思いついたことを何でも話してください。それが私たちのためになります」と、はっきりお伝えしてください。きれいな感想を求めているのではないことが伝わるようにするんですね。

参加者の好意に任せず、言いにくいことも話せるようにお願いすることが、準備の一部です。操作を見ているだけでは気付かなかった迷いや不安が、声になって初めて分かることがあります。

見つかった問題を全部直そうとしない

実際に人に触ってもらうと、想像していた以上にたくさんの問題が見つかります。だからといって全部を直そうとすると、それだけで一年が終わってしまいかねません。

改善に反映するときは、優先順位と期限を決めてください。同時に、今回はやらなくてよいものを選ぶことも必要です。大きな問題から改善し、それが終わったらもう一度テストするくらいの進め方が現実的です。

ユーザーテストそのものを続けることが目的ではありません。気付いたことをサイトの改善につなげて、その後どう変わったかを確かめるところまでが一つの流れです。会社ごとにやりやすい方法も違いますから、実際に行いながら、自分たちに合う形を見つけていただければと思います。

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