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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
「人材の採用や育成のコスト負担が大きい。副業人材という話を聞くけれど、中小企業や小規模事業者にとっても検討する価値があるのでしょうか」。今回は、こういった声についてお話しします。
先にお伝えすると、この話をした当時、私自身は副業人材の活用について現場で聞く機会がほとんどありませんでした。フリーランスの知り合いはたくさんいますが、企業に勤めながら別の会社を手伝っている人については、驚くほど情報が入ってこなかったんですね。そのため、副業人材の活用を自分で数多く支援した経験としてはお話しできません。その時点で、中小企業をサポートする立場からどう考えていたかをお伝えします。
副業人材とフリーランスを分けて考える
まず感じるのは、副業人材とフリーランスが、結構ごちゃごちゃに語られているということです。ここは分けて考えた方がいいと思います。
外部の人にお願いしたい背景には、人がいない、採用できない、採用してもすぐに辞めてしまってコストがかかる、という事情があります。採用コストは本当に高いですからね。
ただ、Webの仕事を常に一人分お願いできるかというと、そこまで社内の体制や理解が整っていない。費用をかけ続けるのも難しい。そこで、必要なときに必要なだけお願いできる相手がいないか、という話になります。副業人材が話題になる前から、そこにはフリーランスへ依頼するという選択肢がありました。
ここで私が副業人材と呼んでいるのは、企業に勤めながら、別の会社のお手伝いもする方です。その方々に期待できる点として、組織の中で働くことに慣れているというのは大きいのではないかと思います。
もちろん、人によります。フリーランスでも会社勤めを経験した方はいますし、組織をよく分かっている方もいます。ただ、会社で働いた経験がない方もいて、それ自体が悪いという話ではありませんが、組織の中でどう動いたらいいか、誰と話を通したらいいかといった経験の差は、プロジェクトの進め方に響いてきます。
技術だけでなく、社内を動かせる相手かを見る
受け入れる会社の中でプロジェクトをきちんと回せるなら、「何をするか」「なぜするか」は社内で決めて、「どうやるか」の部分を外にお願いできます。
でも、その体制ができていないと、外部の人に技術だけをお願いしても進まないことがあります。例えば「社内の人たちを説得したいので、そのための資料を作ってほしい」という依頼に、うまく対応できるかどうかです。会社という組織は独特ですし、会社によっても全然違いますからね。
会社の中でうまく立ち回って、人を動かすことに慣れている方は、フリーランスの中でもとても重宝されます。報酬が上がっていくのも、実際に会社を動かせるからだと思います。
技術があって、頼まれた作業をうまくこなせることはもちろん必要です。ただ、依頼する企業が求めているのは、その仕事によって結果が出ることですよね。
そこにはコミュニケーションやヒアリング、話し合いを進める力も関わります。「まず、こういう人たちをまとめた方がいいですよ」と言えるか。いきなり大きな長いプロジェクトを始めるのではなく、社内の理解を得るために、小さな成功を積み重ねていこうと考えられるか。そういう方は、会社自体を動かせるんです。
会社が動かなければ、中からいい情報もコンテンツの種も上がってきません。Web経由で来た案件に真剣に取り組んでもらえるかどうかにも響いてきます。副業人材という言葉を聞いたときに、組織に属していることを一つのポイントとして捉えたのは、そうした理由です。
大企業の副業成功事例を、そのまま当てはめない
では、これからは副業人材だねとなるかというと、当時の私には正直分かりませんでした。受け入れる側だけでなく、人材が所属している企業の側にも、対応する仕組みが必要だからです。
別の会社で働く時間をどう確保するのか。本業との調整をどうするのか。本人がやりたいと言えば、それだけでどんどん進められる話ではないだろうと感じていました。人材を出す側の体制が整うまでには、時間がかかるのではないかと思っていたんですね。
当時、成功事例として目にしたのは、LINEやイオンなど大きな企業の例が中心でした。でも、私たちが同じことをできるかは別の話です。「今いる会社を説得してでも、ここで少し働いてみたい」と思われる企業には応募が集まるでしょう。そうではない会社が同じように人を集められるとは限りません。
私が気になったのは、副業という仕組みが注目されることと、自社に合う人が来てくれることは別だという点です。いい人が副業として外に出てくるのか、その人に現実的な費用でお願いできるのか。そこが見えないまま期待を大きくするのは、少し早いのではないかと考えていました。
ただ、働いてみたいと思われる企業になるのに、全国的な知名度が必要なわけではありません。地域の中でそういう会社になれば、「何か働けることはありませんか」と声をかけてもらえることもあります。そういう方向を目指すのは、ありだと思います。
プロジェクトごとの依頼なら、経験のある相手を探す
必要なときにスポットでお願いしたいのであれば、そうしたサービスを提供している会社や、フリーランスを探して、月単位などで契約する。その方が現実的ではないか、というのが当時の私の考えでした。
特に、会社の中の組織も含めて考えて動いてくれる方、いろいろな人ときちんとコミュニケーションが取れる方です。プロジェクトの期間を決めて対応する仕事に慣れている方なら、これから初めて外部の仕事を始める方よりも、依頼の進め方を共有しやすいと思います。
ただ、フリーランスなら誰でもいいわけではありません。当時、私の周りでは二極化が進んでいるように感じていました。フリーランスになりませんかという広告やスクールが増える中で、経験の少ない方が入ってくる。高い報酬で仕事をする方もいる。その間にいる、中小企業がお願いしやすく、経験もある方がなかなか見つからないんですね。
うちも「いい人いませんか」と相談されるのですが、すぐに紹介できる人がいないことがありました。知っている方が就職したり、会社を立ち上げたりしているんです。自分のネットワークだけでは見つからず、知り合いに聞いて、さらにその先で探してもらうような状態でした。
今、いい方とつながっているのであれば、それは貴重なことだと思います。また、継続してサービスを提供する会社にお願いすることが、安定した依頼につながる場合もあります。
どこも人が対応できる量には限界があります。これ以上仕事を受けられない会社もありますし、うちも枠が空かなければ、基本的に新規の募集をかけられません。検討しているのであれば、必要になってから慌てるより、早めに相手を探しておいた方がいいと感じます。
外部の人が働きたいと思える環境を整える
そして、フリーランスの方が「この会社と仕事をしたい」と思える会社になることは、とても大事です。毎日会社へ行ってフルに働く形でなくても、ここなら働いてもいいかなと思える環境を作っていくことですね。
今お付き合いしている方がいるなら、率直な意見をもらってみてください。「こうなったらいいですね」という話をきちんとして、できるところから仕組みを整えていく。
社内でも、「このプロジェクトで外部の方にお願いしてみよう」と思ったときに、募集から受け入れまでの流れが分かっていれば使いやすくなります。「このフローで進めれば、人事の面でも確認が取れる」という仕組みがあると、担当者も動きやすいですよね。
副業人材については、私は当時、過度に期待せずに動きを見ておこうという立場でした。プロジェクト単位で人をお願いするなら、そうした仕事を受けている会社やフリーランスを探す。フリーランスについては、人づての紹介を頼りに、直接つながれる相手を探す方がいいと考えています。お願いした費用が、できるだけその方の仕事に向かう関係を作りたいからです。
人の問題は難しいですね。全員をフルタイムで雇って組織を作るという考え方だけでは、対応しきれないことがあります。ただ、新しい働き方の方が優れているから変えましょう、という話ではありません。正社員としてみんなで働いて頑張れる組織にできるなら、それに越したことはない。でも、人の確保が難しい中で、別の形も考えざるを得ない。私としては、そういう認識です。
うちのお客さまにも、こうしたことで困っている会社はたくさんあります。最終的には皆さんで自立することを目指して、依存されないようにする、ずっと居座らないコンサルであることを大事にしています。外部の人の力を借りながら、自社で仕事を進めていける形を考えていただければと思います。
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外部の人材を探すときは、相手を見つけた後に、誰が仕事を整理し、判断するかまで考えておきたいところです。
第304回:副業人材の活用事例で、調整役と継続する条件を見る
社内と外部の役割を分けて考える全体像は、Webマーケティングの実行体制もご覧ください。
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