第605回:Google検索結果の細かい変化に振り回されてはいけない、先を見据えて”企業がやるべきこと”とは?

中小企業を強くするWebマーケティングPodcast — ラウンドナップWebコンサルティング 中山陽平

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Podcastを今すぐここで聞く

  1. Podcastを今すぐここで聞く
  2. Googleの目的を「検索を対話型AIへ置き換えること」だけで捉えない
    1. 数字や見せ方の変化だけを追うと、振り回される
    2. 人は、情報を探すことそのものを望んでいるわけではない
  3. BERT・MUM・画像検索から、Googleが減らそうとしてきた負担を見る
    1. BERTは「どんな言葉で検索すればいいか分からない」に向き合った
    2. MUMは、何度も検索しなければ答えにたどり着けない問題を扱った
    3. Google レンズやマルチサーチは、言葉にできないものを検索できるようにした
  4. AIモードの先になにがあるのか?AIモードは通過点
    1. クエリファンアウトやSearch Liveも、同じ課題につながっている
    2. 今の入力画面や機能が、そのままゴールになるとは限らない
  5. 短期のAI検索対策と並行して、顧客理解の仕組みを作る
    1. 顧客の頭の中を、事業者側も理解できるか
    2. 文化風土と、データをためる仕組みの両方が必要
    3. 将来のためだけでは、現場は動きにくい
  6. 顧客の言葉が検索ボリュームの多寡と整合性がなくてもいい
    1. 今は、従来のキーワード調査も必要
    2. 検索数から始めるやり方に、頼りすぎていないか
  7. 顧客から話を聞ける人を、社内の部署を越えて巻き込む
    1. パソコンに詳しいことより、話を聞き出せること
    2. 経営者や管理職には、後ろ盾として支えてもらう
  8. 未来の機能を「予言」するのではなく、Googleが解消しようとする課題に着目しよう
  9. まとめ:短期施策を続けながら、顧客理解を積み上げる
  10. 引用元・参考情報
  11. 配信スタンド
  12. ■Podcast /Webinar への質問は
  13. 運営・進行

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

今回は、現場ですぐ使えるノウハウというより、この先5年、10年のGoogle対策についてお話しします。中長期で対策を考えるときは、Googleがどちらへ向かおうとしているのかを押さえておきたいんですね。

SNSにはいろいろな施策に関する投稿が流れてきますが、多くのものは、短期的な施策が多いかなと思います。

そして、GEO(Generative Engine Optimization:生成エンジン最適化)やLLMO(Large Language Model Optimization:大規模言語モデル最適化)など、サービスもいろいろありますよね。

今回、それ自体を否定したいわけではありません。効果があるものもありますし、今やっておかなければいけない短期施策は当然あります。

ただ、

  • 今見えているAI(Artificial Intelligence:人工知能)モードやAIオーバービューの延長線上だけを考えておけば十分なのか。
  • それとも、その先にもっと違うものが待っているのか。

そこは気になりますし、気にしておかなければいけません。

Googleが目指しているものを少しでも理解して、自分たちはどんなコンテンツや、それを生み出す仕組みを作っておくべきなのかを考えていただければと思います。

少しふわっとした内容ですが、Googleが実際に言っていたことと、私の現場経験や見方を分けてお伝えしていきます。

Googleの目的を「検索を対話型AIへ置き換えること」だけで捉えない

数字や見せ方の変化だけを追うと、振り回される

現場で感じるのは、AIモードやAIオーバービューが数字に相当影響しているということです。

Search Consoleをよく見ている方は、数字がポンポン変わるのを感じていると思います。インプレッションは増えているのに、クリック率は減っている。「AIオーバービューのせいでしょうね」という話は、多くの会社さんが一度は通っているのではないでしょうか。

Search Consoleの数字を単純に比較してよいのかという問題もあります。

この変化を見ると、Googleは検索結果を置き換えようとしているのだ、と考えたくなります。1位、2位、3位と順位を確認できた青いリンクの並びを、Geminiベースの対話型AIによる検索結果へ変える、という見方ですね。

現場でもそう捉えているケースが多いなと感じますが、それだけがGoogleの目的なのかは、少し考えておきたいんですね。

Googleは使ってもらうことで、広告や周辺サービスを売れるわけですよね。ただそれを前提にしつつ、これまでの発言を見ると、Googleはもっと抽象度の高いところに目標を置いているように思います。使ってもらうために。

SNSを見ると、「ランキングの変動がすごい」「AIオーバービューの見せ方が変わった」「こんな要素が出るようになった」といった話題が毎日のようにあります。

毎日変動していたら、報告する意味はあるのかなとも思いますが、ニュース性があるので流れてくるんですよね。追う意味がないとは思いません。ただ、そこだけを見ていると、振り回される一方です。

Googleはテストを繰り返しています。「こういう見せ方に変わったから、この施策をしましょう」をひたすら続けていても、結局元に戻ってしまうこともあると思います。お金の無駄と言うと強すぎるかもしれませんが、変更のたびに動くだけでは、積み上がらないこともあります。

参照:Google:Improving Search with rigorous testing(検索変更の評価とテスト)

人は、情報を探すことそのものを望んでいるわけではない

昔は、ディレクトリ型のYahoo!と検索型のgooがあったところに、シンプルなGoogleがやってきました。LYCOSとかインフォシークとか色々当時はありましたが…楽しかったですね、黎明期(遠い目)

さておき、その後の流れを見ていくと、AIの力を使うことで、Googleが実現したいことへ、より早く近づけるようになったと思います。私が見ているのは、人間が検索のために頑張らなければいけない負担を減らすという方向です。

検索って、実は大変ですよね。自分が何を探したいのかを言葉にして、どの単語を使えばいいかを考える。うまく出なければ言い換える。

画像を見せた方が早いこともあれば、文章を読んだ別の人なら「この人はこういうことに悩んでいるんだろうな」と気づけるのに、本人は気づけないこともあります。検索行動は、人間にとってそんなに簡単なものではありません。

セミナーでもよくお伝えするのは、「何かを探すのは、決して楽しいことではないですよ」ということです。

探したり比較検討したりしなくても、自分が求めるもの、納得できるものが見つかるなら、その方がいい。3C(Customer, Competitor, Company:顧客・競合・自社)分析などの場面でも、ユーザーさんが比較検討すること自体を望んでいると思わないでくださいとお伝えしています。

Googleは、情報を探すときの手間や面倒くささをどう減らすか考えてきた。そのための手段としてAIがある、という見方です。今を一つの通過点として考えて、Web上での立ち回り方やコンテンツの作り方を見ていく。短期の施策と並行して、その先を考えることも大事だと思っています。

BERT・MUM・画像検索から、Googleが減らそうとしてきた負担を見る

BERTは「どんな言葉で検索すればいいか分からない」に向き合った

私も2000年代に入るか入らないかという頃から検索エンジンを使っていますが、昔はこちら側がツールに合わせるという感じでした。「検索エンジンは、こう言ったら理解してくれるだろう」と言葉を言い換え、いろんな単語を試しながら、何とか欲しい情報を返してもらおうとしていました。

Googleは、自然な言葉で検索できるようにしたり、画像を使えるようにしたりと、こちらがいろいろ考えなくても、情報を与えれば結果を返してくれる方向へ進んできました。その延長で考えれば、人間の言葉や文脈を理解するAIを使うのは自然なことですよね。

2019年に検索へ導入されたBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)の説明でも、Googleは、利用者自身が検索の言葉をどう組み立てればいいか分からないことがある、と書いています。使うべき言葉そのものを知らない場合もある。何かを学ぼうとして検索するのに、その分野の知識が足りないために、聞き方が分からないんですね。

参照:Google:Understanding searches better than ever before(2019年のBERT導入説明)

これは、単に読み書きができるかという話ではないと思います。何かを調べて知識を持とうとしているのに、調べるための言葉が分からない。知りたいから調べるのに、先に知識が必要になるということはありますよね。

コンサルティングでも、先に書籍を読んで基礎知識を得てから調べることはありました。私も慣れていない業種へ入るときは、お客さんに「どの本や冊子を読んだら、この業界への理解を深められますか」と聞いていました。業界によっては10冊ぐらい読んでから、コンサルティングに入っていました。今はそこまで珍しい業界へ入る機会が減りましたが、こういうことは今でもあります。

BERTでは、単語だけやキーワード同士の組み合わせを見るのではなく、文全体の文脈を理解しようとする。文脈を理解することで、より自然な形で検索できるようにしてきました。2019年ですから、2026年の今から見ると7年前ですね。その頃から言葉選びの面倒くささを減らそうとしていたわけです。ただ、人はそれまでの検索行動に慣れているので、使い方がすぐには変わらなかったのかもしれません。

MUMは、何度も検索しなければ答えにたどり着けない問題を扱った

2021年に発表されたMUM(Multitask Unified Model)の説明では、登山の例が出てきました。以前ある山に登って、次は富士山へ登りたい。どんな準備が必要か、同じ装備で行けるのか。従来なら知りたいことを自分で分解して、何度も検索する必要がありました。

  • 二つの山の標高は、どれぐらい違うのか。
  • 気温や登山の難しさは、どれぐらい違うのか。
  • どんな装備を用意すればいいのか。

Googleは、こうした複雑な課題では平均8回の検索が行われると説明しています。将来的には、目的を達成するために必要な検索回数を減らしたい。人間が問題を分解して検索を繰り返す負担も、減らそうとしていたんですね。

参照:Google:MUM: A new AI milestone for understanding information(登山の例と平均8回の検索)

どんな言葉を使えばいいか分からない。さらに、知りたいことを調べるために、いろんな言葉で何度も検索するのも大変ですよね。今のAIによる検索は、以前からあった課題への取り組みが、形になってきたものと見ると分かりやすいと思います。

Google レンズやマルチサーチは、言葉にできないものを検索できるようにした

三つ目は、そもそも言葉にできないものです。Google レンズやマルチサーチなら、画像と文章を組み合わせて検索できます。スマホで撮って「これと同じもの」「こういう色」と服を調べたり、写真の場所を調べたりする。見せた方が伝わることを、無理に言葉で説明しなくてもよいんですね。

参照:Google:Go beyond the search box: Introducing multisearch

生地の手触りを「ふわふわ」と言ったところで、それだけで伝わるのか。百聞は一見にしかずということですよね。Googleは、周りの世界をもっと自然で直感的に理解できるようにしたいと説明しています。言葉を知らないことや、何度も検索することに加えて、言葉にしづらいことで生まれるストレスも減らすという流れです。

調べるときのストレスによって諦めてしまったり、本当に欲しいものへたどり着けなかったりする。Googleは、少なくとも表向きには、そういう困りごとを一貫して解消しようとしてきたのだと思います。

AIモードの先になにがあるのか?AIモードは通過点

クエリファンアウトやSearch Liveも、同じ課題につながっている

AIモードの文脈では、クエリファンアウトという言葉を聞きますよね。一つの知りたいことに対して、ユーザーではなくAI側が関連することを検索し、その結果をまとめて返す。これは、人が何度も検索しなければいけない問題への対応ではないでしょうか。

参照:Google:Expanding AI Overviews and introducing AI Mode(クエリファンアウトの説明)

クエリファンアウトは、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)がもともと持っていた機能だ、という話ではありません。AIをどう使うか、という話です。Googleがこの仕組みを使った背景には、以前から解消したかった負担を、この仕組みで減らせるのではないかという考えがあるように思います。

Deep Searchを使うと、品質の確認は必要ですが、ごっついレポートを作ってくれます。調査時間を大きく節約できるし、意図まで伝えられる。検索結果の並びというより、知りたいことをまとめて返してもらう感覚ですね。

参照:Google:AI Mode in Google Search: Updates from Google I/O 2025(Deep Search・Search Liveなど)

Search Liveでは、カメラを通して今見ているものについてGoogleと対話できます。自分でうまく言葉にしなくても、一緒に見てもらう。学習のパートナーが見てくれるような感じですね。言葉に変換して伝える負担を、さらに減らす方向だと思います。

参照:Google:5 ways to get real-time help by going Live with Search(カメラを使った対話)

自転車のどこかが壊れた様子を動画で見せながら、「どう直したらいいと思う?」と聞くデモもありましたよね。何の機能を経由していたかは、少し記憶が曖昧ですが、見たものをもとに返答してくれる。AIモードの性能が上がり、広告がうまく入るようになる。そこだけを最終形だと思わず、その先にもいろいろあると見ておいた方がいいと感じています。

今の入力画面や機能が、そのままゴールになるとは限らない

ここからは、完全に私の推測です。見ているもの、過去に調べた内容、自分の情報やリアルタイムの情報などを使って、必要なものを先回りして理解する方向へ進むのではないかと思っています。「この間言っていた、あれはどうなったっけ?」ぐらいの聞き方でも通じるような形です。言葉を入力して情報を探す、今のインターフェースがゴールではないのではないかという見方ですね。

どういう形になるかは分かりません。AIの進化や、世の中で受け入れられるかにも左右されます。私もGoogleの中の人ではないですし、仮に今目指しているものが分かっていたとしても、守秘義務があって話せないでしょう。将来の具体的な姿を、分かっているようには言えません。

私の勝手なイメージですが、脳と脳が直結して、ぼやっとしたことでも「ああ、なるほど、分かる分かる」と通じる、ツーカーの仲のような世界です。実際に脳へつなぐという話ではなく、概念としてですね。危うい問題もあるとは思いますが、人がGoogleへ合わせるより、Googleが人を理解する方向で見ています。

人が何を知りたいのか、何を好むのか、どういう価値観なのかを拾い、それを中で検索に使える言葉へ変え、返ってきた結果からその人に合うものを選ぶ。カメラなども使いながら、知りたい、調べたい、解決したいという気持ちを、より深く理解する方向です。

短期のAI検索対策と並行して、顧客理解の仕組みを作る

顧客の頭の中を、事業者側も理解できるか

そう考えると、企業に必要なのは顧客理解だと思います。お客さん以上に、お客さんの頭の中が分かるぐらいのところへ近づけるか。そのために、今のうちからお客さんのことをより詳しく知り、データを取れるようにすることが大きな課題になるのではないでしょうか。

大きな企業なら、そのデータをどう管理し、体系立てて保存するか。小さな企業なら、みんなで共有して、理念や営業、マーケティングにどう使うか。MicrosoftのWork IQのような考え方にも通じると思いますが、文脈やデータが足りなければ、AIでもどうしようもないわけです。

参照:Microsoft:Work IQ overview(組織のデータと文脈を扱う仕組み)

AIに引用されやすくする施策や、FAQ(Frequently Asked Questions:よくある質問)の作成なども、短期的にはやっておく必要があります。Googleがその先へ進むまでに、何年かかるか分からないですから。ただ、それと並行して、お客さんが知りたいことや気にしていることを、事業者側も詳しく把握する。その内容をGoogleが分かる形でネット上へ出したり、格納したりできるようにしておくことが、長い目では大事だと思います。

将来は、Webページではなくデータベースのような形になるかもしれません。そこはまだ分かりませんが、頻繁な仕様変更や、サービスを売りたい側の都合だけを追っていると、どこかで行き詰まるのではないかと思います。うちのような商売だと書いてあっても、「LLMOをやりませんか」という営業は来ますからね。短期施策だけでなく、中長期で何をしなければいけないかを考えておくことです。

まずは、Googleが目指しているものを自分で一次情報から見てみてください。誰かの説明を通すと、どうしてもその人の見方が入ります。そのうえで、短期的には何をするか、長い目では何が必要になるかを考える。その第一歩として、私はやっぱりユーザー理解ではないかなと思っています。

文化風土と、データをためる仕組みの両方が必要

必要なのは、顧客理解を深めようとする文化風土と、データを保存して使える仕組みの両方だと思います。お客さんを理解しなければいけないという意識だけあっても、置き場や記録の仕方が決まっていなければ、後から使えません。

  • ユーザー理解を深めることを、会社の文化にする。
  • 聞いた内容を格納する場所や、後から集計できる仕組みを作る。

データ量は、先にやったもの勝ちという面があります。大手はデータを持っていますよね。ただ、中小企業の強みは、お客さんとの距離が近いことです。お客さんのことを詳しく知るためのデータを、比較的集めやすいんですよ。

大企業では、ユーザーが万単位でいることもあります。その全体に当てはまる情報を得るには、広く調査しなければいけません。一部のユーザーだけを呼ぶと、偏っている可能性もある。中小企業の場合は、良くも悪くもそこまでお客さんが多くないので、2桁、3桁の人数に聞くだけでも、有用なデータになる場合があります。

例えば、お客さんが月30組いたら、年間で300組ぐらい、3年たてば1,000件ぐらいになりますよね。毎回きちんと記録していれば、後からお客さんを理解したり、変化を見たりするときに、振り返って確認できる情報がたくさん残ります。その時点で、何に役立つかが全部分かっている必要はありません。

一方、5段階評価に丸を付けるだけだったり、目の前で書いてもらうために、お客さんが気を遣ってしまったり、落ち着いて回答できなかったりすると、知りたいことを聞けない場合があります。情報を保管していなくて、昔のものが集計できない、捨ててしまった、ということもありますよね。ためるだけでなく、後から使えるデータになっているかを考えておきたいところです。

  • 評価の丸だけで終わっていないか。
  • お客さんが、気を遣わず落ち着いて答えられるか。
  • 昔の記録も、後から読み返したり集計したりできるか。

将来のためだけでは、現場は動きにくい

コストや始めやすさで考えると、顧客理解は大きいと思います。ほかにもできることはいろいろありますが、現場で「将来役立つので、これをやってもらえませんか」と言って、動いてくれる企業さんは少ないんですよ。皆さん兼務で忙しいですし、自分が納得できる理由もなく、面倒な仕事が増えても動きにくい。これは、もうそういうものです。

こういう施策は、どうしたら動いてもらえるかを考えたうえで提案しなければいけません。私も頭を悩ませているところです。ただ、お客さんを理解することは、今の仕事にも役立ちます。お客様の声としてコンテンツにできるし、一件ずつ見ている中でも気づきがあります。「やりたかったんだよね」という企業さんも多いんですね。

将来のGoogle対策として何から始めるかと聞かれたら、私は顧客理解を深めることを、ひたすら続けることをお勧めします。

顧客の言葉が検索ボリュームの多寡と整合性がなくてもいい

今は、従来のキーワード調査も必要

顧客理解を進めると、ジレンマが出てきます。個別の具体的な話が出てきて、特にSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)に取り組んできた方は、検索ボリュームやSearch Consoleの流入キーワードと合わないことに悩むんですね。

これは、まだ人間が検索エンジン側へ合わせているからだと思います。お客さんから聞いた言葉で、今すぐコンテンツをたくさん作っても、それだけでは足りません。お客さんの検索行動が変わるまでは、従来のキーワード調査も合わせて考えなければいけません。うちでも、「こういう表現はあるけれど、検索では実際にどうなのか」「まとめると、こういう単語だよね」と、API(Application Programming Interface)などを使って検索数を確認します。

今の段階では、顧客の言葉に加えて、これまでのキーワード調査も必要です。ただ、いずれ検索エンジンが人の頭の中の言葉そのものに対応するようになれば、キーワード調査の重要度は下がっていくのではないかと思っています。今は必要だが、その先では重みが変わるかもしれない、ぐらいに捉えていただくとよいのではないでしょうか。

「検索ボリュームに全然ないじゃん」「一人だけの問題なのでは」「聞き方が悪いのでは」「続けても意味がないんじゃないの」といった話は、出てきやすいんですよ。従来のSEOを続けてきた方を否定しているのではなく、やり方の世代が違うという話です。検索数と合わないことだけで、顧客理解を止めてしまわないようにしておきたいですね。

検索数から始めるやり方に、頼りすぎていないか

検索ボリュームから始めて、後から何かを足す形でマーケティングをしているなら、少し考え直す必要もあると思います。それは、お客さんがGoogleに合わせていた時代の情報をベースにするやり方です。検索数を常に出発点にする方法は、今後そのままでは通用しにくくなると私は見ています。

顧客から話を聞ける人を、社内の部署を越えて巻き込む

パソコンに詳しいことより、話を聞き出せること

そう考えると、Webやデジタル、AIに関わる人に必要なスキルも、少し変わってくると思います。インタビューの技術や、お客さんと会った経験などです。パソコンをたくさん使っているかというより、人からフラットな意見を聞き、追加の質問ができるコミュニケーション力が大事になるのではないでしょうか。

営業や製造の部署にも、そういうことに向いている方がいます。その人を巻き込んで、横断的なチームを作る。あるいは、まとめる部分だけ外部の専門家を使う。うちでもよくやりますが、Web担当者という肩書きだけで、人を決める話ではありません。

経営者や管理職には、後ろ盾として支えてもらう

管理職の方は、後ろ盾としていてもらうのはよいと思います。ただ、実際に聞き出す場へあまり入らない方がいいのでは、と私は感じます。2、3人の会社なら経営者も自然に入りますが、現場と経営者では目指すものが違います。仕事の良し悪しではなく、役割や目的が違うので、同じ場ではかみ合わないことがあるんですね。

お客さんの話を聞き、追加の質問をして、その内容を論理的に捉え、具体的な対応に結び付けられる人がいるなら、早めに確保して、大事にしておいた方がいいと思います。聞いた内容からコンテンツを作る作業は、外部に依頼してもいい。元になる材料さえあれば、いろいろできるという感覚です。

未来の機能を「予言」するのではなく、Googleが解消しようとする課題に着目しよう

ここまで話すと、「未来のGoogle対策をしなければ」となるかもしれませんが、未来のGoogleがどうなるかなんて分かりません。この数年でも大きく変わりましたし、5年後の具体的な形は分かりません。ただ、昔から利用者のどんな不便を解決しようとしてきたかは、見えてくると思います。

その不便がどこかで解消されれば、その先に新しい目標ができるのかもしれません。そこを追い、その時点で必要な短期施策を行いながら、先で大事になりそうなことを準備する。今のAIオーバービューやAIモードへの最適化を、企業の長期的なゴールそのものにしてしまわないことです。

私がお勧めする第一歩は、顧客理解の仕組み作り、データをためる場所、人材、そして実際に続けることです。「従来の検索が対話型AIへ置き換わる」という見方だけで、Googleの動きを理解しない方がよいと思います。人が知りたいことを、より自然に伝えられるようにする流れとして見ています。

短期的に売上を上げたり、反応を改善したりする施策は、もちろん大事です。ただ、考えたいのはそれだけではありません。Googleが何をしようとしているかを考えながら動きを追い、その先も一緒に考えられるパートナーを選ぶことも大切だと思います。

OpenAIやClaude、Xなどの動きによっても、状況は変わるでしょう。いろいろなものの入口になろうとする動きもありますし、株主などへの対応もあるはずです。どうなるかは分かりませんが、私はGoogle以外の動きも見ながら、お客さんに「次はこれもしておいた方がいい」「この辺は押さえておきたい」とお伝えしています。Googleだけを見れば未来が決まる、と考えているわけでもありません。

毎日のニュースやセミナーに対しても、肩の力を抜いて見ていただければと思います。「昔に戻っただけでは?」という内容もありますし、そこへお金をかける価値が本当にあるかは、意思決定する方も考えておきたいところです。会社にとって大事なのは、自分たちのお客さんです。その方々をより詳しく理解することには、Googleへの対策以外にも、いろいろなメリットがあります。

まとめ:短期施策を続けながら、顧客理解を積み上げる

  • Googleの動きを、検索結果をAIへ置き換えることだけで捉えず、利用者が情報を探す負担を減らす流れとして見る。
  • BERT、MUM、Google レンズなどは、言葉選び、検索の繰り返し、言語化の難しさへ向き合ってきた。今のAIモードも、その延長で考える。
  • 将来の具体的な形は分からない。今必要な施策と並行して、顧客理解を深める文化と、記録をためて使える仕組みを作る。
  • 現時点では従来のキーワード調査も必要だが、検索ボリュームと合わないことだけで、顧客の言葉を切り捨てない。
  • 肩書きにこだわらず、話を聞き、追加の質問をし、内容を具体的な対応に結び付けられる人を社内外から巻き込み、大事にする。

引用元・参考情報

配信スタンド

■Podcast /Webinar への質問は

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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)

代表取締役・コンサルタント 中山陽平

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