第9回:申込みボタンは一つでいい?見込み度に合わせて案内する導線設計

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

同じサイトに、検討段階の違う人が来ています

サイトの成果を上げたいとき、申込みボタンの目立たせ方に目が向くことがあります。ただ、その前に考えていただきたいのが、訪問した人は今どのくらい商品やサービスを欲しいと思っているのか、ということです。

初めて知った人もいれば、何度も見に来て比較している人もいます。一度買ったことがある人と、繰り返し買っている人でも、必要な情報は違うでしょう。同じサイトの中に、そうした人たちが一緒に来ているんです。

実際の接客なら、初めてのお客さんには基本から説明し、よく知っている方には細かい話をしますよね。Webサイトでも、お客さんの見込み度に合わせて、次にしてほしい行動とそこへの道筋を考える必要があります。その行動を促すボタンや言葉が、Call To Action、CTAです。

初めての観光客と、何度も来た人では案内が違う

例えば、アンコールワットを案内するガイドになったつもりで考えてみてください。初めて来た方なら、まず代表的な場所を見たいでしょう。ところが三回、四回と訪れていて、かなり詳しい方なら、いつもと同じ説明では物足りないはずです。

その方には、細かい見どころや、まだ行ったことがない場所を案内すると思います。お客さんがどれくらい知っているのか、何を見たいのかによって、案内の順番も内容も変えるわけです。

Webサイトに来た人も、自分の目的を達成するためにどこへ行けばよいのか、最初から分かっているわけではありません。だから案内が必要です。サイトの中で迷わせず、その人が今欲しい情報へ進めるようにすることも接客の一部です。

初めての方はこちら、すでにご存じの方はこちら、と入口を分ける方法もあります。ただ、情報は重なりますし、すべてのお客さんをきれいに分けられるとは限りません。入口を作れば解決するというより、その先で何を読んでもらい、どんな行動につなげるかまで考えることが大事です。

まだ調べ始めた人に、いきなり申込みを求めない

高額な商品やサービスを初めて見た人が、その場ですぐに電話したり、予約したり、申し込んだりできるでしょうか。まだ十分に分かっていなければ、なかなか難しいですよね。

その段階の方には、サンプルを試す、資料を請求する、メールで情報を受け取るといった行動の方が合っているかもしれません。まず理解を深めてもらうための次の一歩を用意するんです。

反対に、細かい仕様まで読み込んで、もう具体的な相談をしたい人もいます。その方に対して資料請求しか案内していなければ、「もう分かっているから、早く話をさせてほしい」となるでしょう。

行動のハードルを下げればよいのではなく、その人の検討段階に合う行動を用意することが大切です。話を聞きたい方には面談や電話、まだ調べたい方には資料やサンプルというように、そのページを読む方の状態と、案内する内容を合わせていきます。

家電量販店の接客を思い浮かべてください

家電量販店で、まだ何を買うか決めずに眺めているとき、すぐに店員さんから声を掛けられると、少し離れていてほしいと思うことがありますよね。ところが買うものが決まっているときには、店員さんが見つからないと困ります。

同じお店、同じお客さんでも、状態によって欲しい対応は変わります。サイトで一律に同じ案内をしていると、これと同じことが起きかねません。売りたい側の都合だけで申込みへ押すと早すぎることがあり、慎重に案内しすぎると、今すぐ相談したい人を待たせてしまいます。

そこで、どんな人がどのコンテンツを読み、その後に何をしたいのかを、一続きの流れとして見てください。訪問者を分けて動きを見たり、実際に使ってもらったりすると、案内と気持ちのずれに気付きやすくなります。

私も、訪問する人の違いとサイト内での動きを見ながら、コンテンツや目標への流れを調整してきました。すべての人に完璧に合う案内を最初から作るのは難しいと思います。それでも、今より合う人を増やすことはできます。ボタンを置く場所だけでなく、その手前にいるお客さんの気持ちから、導線を見直してみてください。

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