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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回は、プロダクトは機能ではなくユーザーエクスペリエンスで選ばれる、というテーマでお伝えします。特にWebサービスやWebアプリケーションを提供している方にとっては、機能を増やすことそのものよりも、どう使われ、どう感じられるかのほうが、これからますます重要になります。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
- Webサービスの機能は、以前よりもかなり真似されやすくなっていること
- 差別化の軸は、機能そのものではなく、使い勝手やブランドを含む体験に移っていること
- その体験は、解析と改善を回し続けることでしか強くならないこと
機能だけでは差が残らない
まず前提として、サービスを作るための敷居はどんどん下がっています。昔であれば、Webアプリケーションを作ること自体が限られた人にしかできないものでした。しかし今は、開発環境も便利になり、フレームワークもそろい、必要な情報もインターネット上でかなり見つかります。つまり、作るまでの時間もコストも、以前よりずっと下がっています。
この変化が意味するのは、機能は真似される前提で考えたほうがいい、ということです。たとえば広告APIを使って自動レポートを作るような比較的シンプルなサービスであれば、仕様や取得できるデータが見えれば、どういう仕組みで動いているかはかなり想像できます。デモ版を触ればなおさらです。独自データや強いバックボーンのような資産がない限り、機能面だけで守り切るのはかなり難しい時代です。
しかも、後から真似する側は試行錯誤のコストを払わずに済みます。すると、より安い価格で出してきて、価格競争に引きずり込まれる可能性が高くなります。せっかく苦労して作っても、機能だけを差別化の軸にしていると、利益がじわじわ削られていく。ここはまず冷静に見ておいたほうがいいところです。
選ばれる理由は体験に移る
では何で差がつくのかというと、私はエクスペリエンス、つまり体験だと考えています。使い勝手、触っていて感じる心地よさ、ブランドも含めた全体の印象です。意識的に便利だと思える部分ももちろん大事ですが、それ以上に強いのは、理由はうまく言えないけれど何だか使いやすい、という感覚です。
意識に上らない使いやすさ
リアルなモノでも、手に持ったときに何となくしっくりくるものがありますよね。それと同じで、Webサービスでも、ボタンの位置、ラベルの付け方、画面遷移の自然さ、処理の待たせ方のような細かな積み重ねで、無意識の使いやすさは作られていきます。ここができてくると、似た機能のサービスがあっても簡単には離脱されません。仮に他社へ移っても、結局戻ってくることが起きやすくなります。
この種の強さは、表面的に画面をなぞるだけでは真似されにくいのが特徴です。同じようなインターフェースを作ったとしても、細かなタイミングやサイズ感、色、言葉の置き方まで含めた機微はそう簡単には再現できません。だからこそ、目に見えにくい体験の質が、実は強い参入障壁になります。
体験は解析と改善で積み上げる
ただし、良いユーザーエクスペリエンスは思いつきでは作れません。何度もテストし、フィードバックを受け取り、改善を重ねることでしか育ちません。私はここを、継続的なPDCAとして捉えるのが大事だと思っています。
解析から始める改善サイクル
Web系のツールであれば、Googleアナリティクスのような解析ツールを入れて、どこで止まるのか、どこで時間がかかるのか、どこを直せば一回の操作時間が短くなるのかを見ていけます。アプリであってもSDKを入れれば計測できますし、それだけでは見えない部分はユーザーテストやマウスの動きを見るツール、あるいは実際に使っている様子を観察することで補えます。
こうした改善を回し続けることで、サービスは少しずつ使いやすくなっていきます。Webアプリケーションは、デスクトップアプリケーションに比べると解析しやすいのが大きな強みです。にもかかわらず解析しないのは、その強みを自分から捨ててしまうことでもあります。実際、私たちの現場でも、解析しやすい形に整えたうえで改善を進めることで、デモから本アカウントへのコンバージョン率が二倍、三倍に伸びることがあります。
つまり、機能を作って終わりではなく、使われ方を見て育てるところまでがプロダクトづくりです。体験を競争力にしたいなら、最初から改善し続ける前提で設計しておくことが欠かせません。
まとめ:機能を作って終わりにしない
今の時代、機能だけで勝ち続けるのは難しくなっています。機能は真似される前提で考え、そのうえで選ばれ続ける理由を体験の側に作っていくことが大切です。そしてその体験は、解析し、観察し、改善するという地道な積み重ねの中で育っていきます。
もしWebサービスやWebアプリを提供しているのであれば、ぜひ今のサービスを、どんな機能があるかだけではなく、どんな体験になっているかという視点で見直してみてください。そこに手を入れていくことが、価格競争に巻き込まれない強さにつながっていくはずです。
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