第66回:全体最適と部分最適って?

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • 全体最適と部分最適は、単なる流行語ではなく、Web施策の選び方そのものを左右する考え方である。
  • Webマーケティングでは、いきなりSEOやサイト制作から入るのではなく、まずWebの外も含めて全体像を見る必要がある。
  • 提案できる手段が限られていても、一段上の視点から整理して伝えることで、顧客にも社内にも通りやすくなる。
  • 全体を見る習慣は、その場の成果だけでなく、自分のスキルが無意識に狭くなることを防ぐ意味でも重要である。

言葉の意味を実際の現場に引き戻す

全体最適と部分最適という言葉は、もともと組織や人の話でもよく使われます。ある部門の負担は増えるけれど、会社全体で見ればコストが下がる。そういうときに、自分の部署だけを見て嫌だと言うのではなく、全体で見て判断しようという話です。

私が今回強調しているのは、この考え方をそのままWebマーケティングにも持ち込むべきだという点です。つまり、目の前の施策だけを見て判断するのではなく、そもそも何を解くべきなのかを一段上から見ることが出発点になります。

Webだけを先に決めない

たとえば「Webマーケティングをやりたい」と相談を受けたとき、すぐにWebの中だけで答えを出してしまうと、最初から視野が狭くなります。本来は、DM、チラシ、タウン誌、PR、マスメディア、口コミといったオフラインの接点も含めて見たうえで、その中でWebはどこを担うのかを考えるべきです。

場合によっては、最初に強化すべきなのはWebではなく、商品開発や別の導線かもしれません。全体を見たうえで、それでもWebが効くならWebをやる。この順番を守ることが、全体最適の第一歩です。

Webの中でも手段から入らない

全体最適は、Webの外だけの話ではありません。Webの中でも同じで、いきなりホームページを作る、SEOをやる、リスティング広告を回す、ソーシャルを始めるといった手段先行の進め方を避ける必要があります。

まず見るべきなのは、使える施策を並べたときにどこが一番インパクトが大きいか、どこがボトルネックになっているかです。今たまたま検索流入が少ないからそこだけを改善する、という進め方は部分最適になりやすい。トータルの戦略の中で優先順位をつけてから、必要な施策に入る方が成果につながります。

一段上から語る提案の強さ

実際には、所属している会社の都合で提案できる施策が限られていることもあります。それでも私は、一度全体を把握したうえで「その中で自分たちはこれを担う」と説明できることが大事だと話します。

この整理があると、顧客もなぜその施策なのかを理解しやすくなりますし、社内でも話が通りやすくなります。さらに、あとで別の施策につなげるときも筋が通ります。単に一つの手段を売るのではなく、全体の中での役割を示せるかどうかで、提案の重みは大きく変わります。

視野の狭まりは無意識に起きる

私がもう一つ強く警戒しているのは、同じことばかり続けることで、自分の発想そのものが狭くなっていくことです。問い合わせを増やしたいと聞くたびに、無意識に「ではアカウント構築から」と考えるようになると、それ以外の選択肢が頭に浮かばなくなります。

これは意識しているうちはまだ修正できますが、潜在意識のレベルで固まると厄介です。だからこそ、たとえ自分の会社では提供できない施策であっても、最初は広く考える。そのうえで自分たちの手札に落とし込む。この順番を保つことが、悪い意味で尖った人にならないためにも重要です。

相手の立場を知るほど全体最適に近づく

最後に私は、全体を見る力は机上の知識だけでは育たないとも話しています。できればお客さんの商売を体験した方がいいし、それが難しくても、自分の会社のいろいろな部門を回ってみる価値は大きい。そうすると、どこがいつも詰まりやすいのか、何を伝えると相手が動きやすいのかが見えてきます。

相手の気持ちを組めるようになると、資料の作り方も、依頼の仕方も、提案の仕方も変わります。最終的に相手が動きやすくなり、成果にも結びつきやすくなる。全体最適とは、施策の並べ方だけでなく、人や現場の動きまで含めて見る視点なのだと分かります。

まとめ:全体を見てから自分の手を動かす

全体最適と部分最適の違いは、単に広く見ましょうという精神論ではありません。Webの外も中も含めて全体像を見たうえで、どこに手を打つべきかを決めるという実際の現場の順番の話です。そしてその視点は、提案の説得力を上げるだけでなく、自分のスキルが無意識に狭まることも防いでくれるんです。まず全体を見る。そのあとで、自分がやるべき部分を切り出す。この順番を崩さないことが大切です。

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