第236回:「普通のセミナーができないからWebセミナー(Webinar)をやろう!」は危険な理由

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • オフラインのセミナー来場者と、オンラインで情報収集している人は別の行動原理で動いている。
  • 早い段階の見込み客に、個人情報入力と決まった時間の参加を求めるWebセミナーは相性が悪い。
  • Webセミナーが機能するのは、比較検討が進んだ濃い見込み客に対してである。
  • 小さな会社はライブ開催にこだわるより、録画動画や個別対応の方が成果に結びつきやすい。

セミナーをWebに置き換える発想の落とし穴

展示会や説明会ができない時に、まず浮かびやすいのが「それならWebセミナーにしよう」という発想です。実際、そう動く会社が増えるのも自然です。ただ、この回で問題にしているのは、その発想が短絡的だと集客も成約も崩しやすいという点です。

オフラインの成功体験をそのまま移せない

リアル会場のセミナーでは、来場した時点である程度温度感が高く、名刺交換やその後の個別相談も自然に受け入れられます。ところがオンラインで情報を探している人は、同じではありません。会社名や連絡先を出すこと自体に慎重で、比較対象も多く、営業に近づきすぎたくないという感覚も強い。ここを取り違えると、見た目は似ていても中身はまったく違う施策になります。

「セミナーができないからWebセミナー」は危うい

本来は、オンラインのお客さまとどうつながるかを考えた結果として、必要ならWebセミナーにたどり着くべきです。ところが現実には、「今までセミナーをやっていたから、今度はWebでやろう」という置き換えだけで動いてしまいがちです。この順番だと、顧客側の行動の違いが抜け落ちます。

オンラインで人が情報を集める理由

オンラインの情報収集には、オフラインにはない明確な利点があります。そこを壊すような形でWebセミナーを設計すると、そもそも人が集まりません。

営業に会わずに済む

Webで情報を探す人は、営業担当と会う前に自分で比較したいと思っています。だからこそ、ホワイトペーパーや記事、動画を使って事前に調べるわけです。その段階で重いフォームを出し、会社名や電話番号まで求めると、一気に心理的なハードルが上がります。

好きな時に好きな速度で見られる

もう一つの利点は、いつでもどこでも、自分のペースで情報を取れることです。これがWebの大きな価値でした。ところが時間を区切ったWebセミナーは、その利点に逆らいます。録画で十分な内容なのに、決まった日時に来てもらう設計にすると、仕事中には見づらいですし、オフィスで長時間見続けるのも気まずい。情報の取り方として無理が出やすくなります。

重いフォームと時間指定が相性を壊す

この回では、今よく見かけるWebセミナーの募集方法にかなりはっきり疑問を投げかけています。

初期段階の人に求めすぎている

まだ情報収集の段階にいる人は、「少し気になる」くらいの温度感です。その相手に対して、多数の入力項目があるフォームと、決まった時間の参加を同時に求めるのは重すぎます。本当なら後で見込み客になり得た人まで、「無理に営業してきそうだな」という印象で離れてしまうんですよね。

期待値を上げすぎる副作用も大きい

集客を急ぐあまり、件名や告知文を強くしすぎると、来た人の期待値が上がります。その期待に届かない内容だと、単に参加されないだけでなく、会社全体の印象まで傷つけます。短期の集客を優先しすぎると、先の見込み客も減らしかねません。

Webセミナーが効くのはファネル後半

ではWebセミナーは全部駄目なのかというと、そうではありません。使いどころが違う、というのがこの回の整理です。

比較検討が進んだ相手には意味がある

数社まで候補を絞り、実際の使い勝手や細かい疑問を確認したい人にとっては、質疑応答のあるWebセミナーやデモの価値は大きいです。この段階なら、会社名を伝えることにも抵抗が少なくなりますし、時間を合わせて参加する意味も出てきます。

入口に置くと取りこぼしやすい

問題は、その後半向けの施策を、入口に近い人へいきなりぶつけてしまうことです。情報収集レベルの見込み客に対しては、もっと軽く、何度でも見返せる形の方が合います。ここを間違えると、将来客になり得た人まで途中で逃してしまうんですよね。

小さな会社の現実的な動画活用

小さな会社であればなおさら、動画をWebセミナーという枠に閉じ込めない方が動きやすくなります。

録画動画を資産として置く

セミナーの内容が役立つなら、まずは録画して見られる形にしておけば十分です。ホームページ内に動画コンテンツの場所を作る、ステップメールで順番に届ける、LINEやメールで必要なものを送る。こうした形の方が、お客さまのペースに合いやすく、長く使える資産にもなります。

個別対応に動画を混ぜる

質問への返答や提案の補足を、文章だけでなく短い動画で送る使い方も実際の現場的です。話す人の雰囲気や考え方が伝わるので、「この人なら合いそうか」が判断しやすくなります。濃い見込み客になった相手には、一対一で電話やメールを重ねる方が早い場面も多いでしょう。

まとめ:動画は強いが、Webセミナーは万能ではない

動画そのものは、今の時代にますます使いやすくなっています。ただし、だからといって「リアルのセミナーができないならWebセミナー」という発想で動くと、オンラインのお客さまの行動とずれやすくなります。入口に近い相手には、軽く、いつでも見られる形で情報を届ける。比較検討が進んだ相手には、必要に応じてライブや質疑応答を使う。動画を一つの道具として冷静に置き直すことが、小さな会社にはいちばん実際の現場的です。

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