第350回 初心者むけ「なぜそのウェブ解析レポートは誰かに影響を与えられなかったのか?」

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • 解析レポートが響かない原因は、レポートの見た目より出発点のずれにあること
  • 解析ツールで分かる範囲を過信すると、意思決定に役立たない報告になりやすいこと
  • 誰の何を支援するのかを先に決め、できれば複数人で磨くことが実際の現場では重要であること

今回は、なぜ頑張って作ったウェブ解析レポートが社内で使われなかったのか、というテーマです。設定も調べ方も一通り押さえ、裏付けとなる数字までそろえているのに、反応が薄い。評価もされない。そういうとき、もっと頑張れば何とかなると考えがちですが、現場ではその方向で好転しないことが少なくありません。

問題はレポート作成力より出発点のずれ

最初に押さえたいのは、うまくいかない原因が「分析が足りない」ことではないケースです。むしろ多いのは、解析という世界の中だけで答えを出そうとしてしまうことです。数字で見えるものだけを並べても、受け取る側が知りたいこととつながっていなければ、報告としては機能しません。

広告アカウントの数値をそのままPDFで並べて「今回の成果です」と出しても、相手からすれば、それで次に何を判断すればよいのか分からない。出す側はきちんとデータを見せているつもりでも、受け取る側には意思決定の材料として届いていない。このずれが、レポートが影響を与えられない一番の原因になりやすいのです。

最初にハウツーへ飛びつく危うさ

書籍やセミナーには役立つものが多くあります。ただ、最初の段階でそれを丸ごと信じてしまうと、頭の中が「解析で分かること」中心になりやすい。すると、現場ごとに違う事情や、人ごとに違う価値観が抜け落ちてしまうんですよね。

実際の現場では、業種も社内文化も、経営者の考え方も、お金のかけ方もすべて違います。しかも解析ツールで直接分かることは思っているよりずっと少ない。だからこそ、ハウツーをそのまま当てはめるのではなく、自分の現場では何が見えていて、何が見えていないのかを自分の頭で捉える必要があります。

誰の何を支援するのかを先に決める

解析に取りかかる前に確認すべきなのは、「何を分析するか」ではありません。誰の、どんな判断や行動を支援したいのかです。意思決定を助けたいのか、優先順位を決めたいのか、選択肢を増やしたいのか。ここが曖昧なままでは、どれだけ数字を集めてもレポートは宙に浮きます。

大事なのは、相手と一緒にすり合わせることです。どんな情報があれば役に立つのか。毎月何を見たら行動が変わるのか。普通のアクセス解析だけで足りるのか、ヒートマップのような別の手段がいるのか。そうした前提を先に共有しておくと、レポートは「数字の羅列」ではなく「次の一手の材料」に変わっていきます。

一人で抱え込まず、複数人で精度を上げる

特に始めたばかりの段階では、一人で進めるほど危険です。項目の意味の取り違えや、比較の仕方の誤り、論理の飛躍はどうしても起きます。しかも一人だと、そのまま何カ月も、何年も修正されないことがある。これが社内全体を間違った方向へ導くこともあります。

二人以上で見れば、単純なミスも、解釈の「かたより」も減らせます。プレゼンの練習を互いに行い、気になった点を質問し合うだけでも、レポートの質は大きく変わります。外部の視点を早い段階で入れることが、結果的には自分の中に客観性を育てる近道でもあります。

まとめ:レポートより先に支援の設計

解析レポートが響かないときは、見せ方や熱量の問題だけではありません。最初にハウツーへ寄りかかりすぎていないか、解析で分かる範囲を過信していないか、そして誰の何を支援するのかを確認できているか。この順番を見直すだけで、レポートの役割は大きく変わります。

解析は万能ではありません。だからこそ、現実の仕事や意思決定の流れにどうつなげるかを先に設計し、そのうえで数字を使うことが重要です。急がば回れですが、この回り道が、結局は一番影響を与える解析につながっていきます。

配信スタンド

■Podcast /Webinar への質問は

こちらのフォームへどうぞ。
https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7

運営・進行

株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)

代表取締役・コンサルタント 中山陽平

Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/

[無料週間メルマガ] Webコンサル通信 - 中小企業に活用に役立つヒント・トピックスをお届け
このホームページをフォローする
中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.)