第38回:ノウハウを得たいなら「販促費」ではなく「投資」と考えよう

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • Web施策の初期段階では、使った費用をすべて販促費として見ると身動きが取りにくくなる。
  • 最初のうちは、費用の一部を将来のノウハウを得るための投資と考える方が現実的である。
  • 失敗を許しつつも、必ず原因と次の打ち手を持ち帰る運用が現場を動かす。
  • チームが育って投資対効果を見積もれるようになったら、投資の比率は段階的に下げていけばよい。

売上直結だけを求めると止まる

前回の発注スキルの話に対して、「売上につながるか分からないものには投資できない」という反応があったことから、この回の話は始まっています。たしかに、成果が読めない施策にお金を出すのは簡単ではありません。特に上の立場にいる人ほど、判断基準がないまま動くことに抵抗を感じるはずです。

ただ、私がここで問題にしているのは、その慎重さが強すぎると、結局何もできなくなることです。最初からすべての施策に明確な売上リターンを求めてしまうと、新しいことに手を出せず、社内にノウハウも残りません。

初期施策の半分は投資とみなす

この回で提案されているのは、最初のしばらくは費用のうち半分を販促費、残り半分を投資と考える考え方・方向性です。売上に直接つながる分を期待しつつも、返ってこなくても将来につながるノウハウを社内に蓄積するためのお金だと捉える。ここでいう投資は、単なる我慢ではなく、次に効く打ち手を得るための学習コストです。

事例どおりにいかない現場

なぜこの考え方が必要かというと、Webのノウハウはあまりにも細分化していて、他社の成功事例がそのまま自社に通用することの方が少ないからです。同じ業種であっても、会社が違えば前提が違う。しかも公開されている事例は、本当に大事なコアの部分を伏せていることも多く、真似しただけでは再現できません。

だから、やってみてうまくいかなかった時にも、その失敗自体を投資の成果として扱う必要があります。何が原因で外れたのか、次に何を変えるべきか。そこまで持ち帰って初めて、投資として意味が出てきます。

失敗から次の一手を取る

私は、現場に対して「半分は投資だから失敗してもよい」と伝えてあげてほしいと言っています。ただし、何でもやってよいわけではありません。フィードバックは必須であり、次のアクションにつながる情報を必ず得ることが条件です。たとえば50パーセントくらいの確率でいけると思えるなら、まずやってみる。その代わり、結果と学びはきちんと残す。そういう基準です。

このメッセージは現場をかなり動かします。というのも、実際の担当者は「失敗したら怒られるのではないか」と感じて、踏み込んだ施策を避けがちだからです。やりたいことがあっても、うまくいくと言い切れない企画書は通しづらい。そうして、効果があったのかなかったのか分からない小さな施策ばかりが増えていきます。

上から方針を出す意味

この停滞をほどくには、上から方針を出す必要があります。プレイヤー側から「失敗してもいいからやらせてください」とは言い出しにくいものです。だからこそ、経営者や役員が、最初の一定期間は学習のための投資枠を認め、その代わりに必ず振り返りを求める、という運用を明言する意味があります。

そうして初めて、現場は守り一辺倒ではなくなります。小さく安全なことだけを繰り返す組織ではなく、会社に大きく貢献できるチームへ育てていくための土台ができます。

投資比率は段階的に下げる

もちろん、ずっと半分が投資のままでよいわけではありません。現場が育ち、これをやればこれくらいの投資対効果が見込める、という見積もりができるようになってきたら、投資の比率は減らしていけばよいと話されています。最終的には販促費として回せる部分が増えていくはずです。

逆に言えば、投資対効果を見積もれるようになること自体が相当なレベルアップです。そこに到達するまでの過程を、単なる失敗の連続として扱うのではなく、組織を育てる投資として捉える。この視点が、この回の中心にあります。

まとめ:ノウハウ獲得は投資として回す

Web施策の初期段階では、使ったお金のすべてに即効性のある売上を求めすぎると、現場は動けなくなります。最初のうちは、費用の一部を将来のノウハウを得るための投資と考え、失敗しても次の一手につながる学びを必ず持ち帰る。その前提を上が示すことで、現場は大きく動きやすくなります。そして、見積もりの精度が上がるにつれて投資の比率を減らしていく。この段階的な育て方が、Web活用の力を社内に根づかせる考え方です。

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