第235回:Webマーケティングにおいて、誰かのテクニック論を拾い食いすることの危険性

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • 見知らぬ人のテクニック論は、情報の多さや拡散数だけで判断すると危険である。
  • 公開されたノウハウには、お金・人・環境などの暗黙の前提が埋め込まれていることが多い。
  • 長文や大きなフレームワークほど、そのまま一部だけ拾っても効果が出にくい。
  • 小さな会社が本当に見るべきなのは、ネットの流行より、目の前の顧客と自社の行動から返ってくるフィードバックである。

知らない人のテクニック論が危うい理由

今のオンライン上には、役立つ情報も多くあります。ただ同時に、見知らぬ人が出しているテクニック論を、そのまま「使える答え」として受け取るのはかなり危険です。この回では、その危険を感情論ではなく構造の問題として説明しています。

増えているのは情報そのものより解釈

デジタル化で誰もが発信できるようになり、世の中にあふれているのは一次情報そのものというより、それに対する解釈です。「私はこう思う」「このやり方でうまくいった」という声が膨大に積み重なっている以上、そこから自社に合うものを見分けるには、本来かなり丁寧な検証が必要になります。

検証できないまま雰囲気で選びやすい

ところが実際には、全部を検証する時間はありません。すると人は、書き手の勢い、見た目の整理のよさ、シェア数や反応の多さといった分かりやすい指標で判断しがちです。ここが最初の落とし穴です。選び方が雑になると、役立つ情報に出会う確率より、合わないものを拾う確率の方が上がってしまうんですよね。

ノウハウに埋まった前提条件

もう一つ大きいのが、公開されたノウハウには見えない前提がある、という点です。善意で出された情報でも、この問題は消えません。

善意の情報でも環境を引きずる

人は自分が育ってきた環境の中で成功した方法を語ります。だから、予算が潤沢な会社で当たり前のことは、書き手の中では前提になっていても、読む側には見えません。広告費がまとまって必要な施策や、単価の高いツールが前提のやり方はその典型です。やってみて初めて「そもそもうちでは再現不能だった」と気づくようでは、時間もお金も失いやすくなります。

大きなフレームワークほど部分食いが効かない

体系立って見える情報ほど、「この中の一つだけでも持ち帰ろう」と思いがちです。ただ、二十個、五十個と並んだ施策群は、全部がつながって初めて意味を持つことが多いものです。一部だけ抜いても効果は薄く、逆に全部やるとなるとマーケティング全体を入れ替える話になってしまう。自社の目指す方向と本当に近いかを確かめないまま拾い食いすると、だいたい中途半端で終わります。

バズと長文は安心材料にならない

この回で印象的なのは、長い情報や拡散された情報ほど、むしろ注意した方がいいという指摘です。

量と価値は直結しない

長い記事や分厚い資料を見ると、「ここまで出してくれるなら価値があるに違いない」と感じやすくなります。しかも、人はたくさんもらうと疑いにくくなります。ただ、本来見るべきなのは文字数でも努力量でもなく、その情報を実行した時に何が起きるかです。短い言葉でも深く効くことはありますし、逆に長いだけで何も進まないこともあります。

拡散数は中身の検証を代替しない

バズった情報は雪だるま式に広がります。その途中では、中身を読まずに「これだけ広がっているなら価値があるはずだ」と再共有されることも珍しくありません。つまり、拡散数は中身の保証ではなく、拡散のされやすさを示しているだけの場合があります。特にマーケティングの話では、この差を意識しておかないと危険です。

変化が速い時代は賞味期限も短い

たとえ良いノウハウであっても、今は届く頃には古くなっている可能性があります。ここも、小さな会社が外の情報をそのまま追う時の弱点です。

届いた時点で古いことがある

誰かが試し、整理し、記事やセミナーにし、それが拡散されて自分の元へ届くまでには、どうしても時間差があります。変化の速い時期には、その時差だけで価値が落ちます。さらに、自社で検討して着手する頃には、もっと状況が変わっていることもあります。

追いかけ続ける戦いは小さな会社に不利

公開されたノウハウを見てすぐに大きく動けるのは、資金も人もある会社です。小さな会社が同じ土俵で追いかけると、実行に移す前に消耗して終わりやすい。だからこそ、外の流行を追うより、自社が持っている近さと速さを活かす方が勝ち筋になります。

小さな会社が見るべきは目の前の反応

では何を基準に動けばいいのか。この回の結論はかなり、まずは目の前のお客さまを見た方がいい、というものです。

顧客の困りごとから始める

お客さまが今どこで困っているかを集め、それを一つずつ解決していく。小さく見えても、この積み重ねは確実に前へ進みます。しかも、解決すると次の困りごとが見えてきて、より質の高い情報が返ってきます。ネットで拾ったノウハウより、自社にとってははるかに濃い情報です。

受け手になった時の違和感も資産になる

私は、自分がサービスを受ける側になった時の違和感も大事にしていました。「なぜここにこれがないのか」「こうなっていたら助かるのに」と感じたことを、音声メモなどですぐ残しておく。そしてそれを自社に引き寄せて考える。この観察が、次の施策の種になります。

フィードバックとアクションの円環を回す

大事なのは、フィードバックを受けて動き、動いた結果をまた見直すことです。この円環が回り始めると、自社にとって効く知見が自社の中にたまっていきます。外部の情報を完全に切る必要はありませんが、優先順位はあくまで自分たちの現場が先です。そのうえで、背景や考え方が自社と近い発信者を見つけ、参考にするくらいがちょうどよいでしょう。

まとめ:拾い食いより、自社で確かめて回す力

見知らぬ人のテクニック論が危ないのは、全部が間違っているからではありません。前提条件も、鮮度も、自社との相性も、表面だけでは分からないからです。小さな会社には、目の前の顧客に近く、動きも速いという強みがあります。その強みを使って、困りごとを見つけ、小さく動き、返ってきた反応をまた次につなげる。この力を育てる方が、誰かの答えをなぞるよりずっと実際の現場に効きます。

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