第356回:DX白書を読む〜中小企業が前に進むための4つのポイント

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • 中小企業がDXを前に進めるうえで見落としやすい前提を整理できる
  • 経営者、実行タイミング、進め方の順序をどう考えるべきかが分かる
  • 完璧を待たずに一歩を踏み出す現実的な進め方をつかめる

DXという言葉は広く使われていますが、実際に何から考え、どこで動き出すべきかとなると、急に手触りがなくなります。そこで今回は、DX白書の総論を手がかりにしながら、中小企業が前に進むために押さえておきたい点を整理します。

ポイントは、用語の定義を覚えることではありません。実際に前へ進む会社と、必要だと思いながら止まる会社の差がどこで生まれるのか。その分かれ目を見ていくことです。

動き出しの起点は経営トップ

まず強く押さえたいのは、DXは誰か詳しい人が自然に広げてくれるものではないという点です。現場の熱量や詳しい担当者の存在はもちろん大切ですが、それだけでは会社全体は動きません。私は、結局は経営者が動くしかないとかなりはっきり述べています。

これは厳しい言い方に見えるかもしれませんが、現実的な整理でもあります。予算をつけるのも、優先順位を上げるのも、風土を変えるのも、最終的には経営側の判断だからです。現場がよい提案を出しても、上が旗を振らなければ途中で止まります。

実際、Web活用でもうまくいってきた会社は、経営者自身が疑問を持ち、調べ、判断し、前に出ていたという実感が語られています。全部を細かく理解する必要はなくても、分からないから後回しではなく、分からないから知ろうとする姿勢が起点になります。

待っていてもやりやすい未来は来にくい

次に重要なのが、もう少しこなれてから取り組もうという発想です。もっと簡単な道具が出るのではないか、もっと分かりやすいサービスが出るのではないか。そう考えたくなる気持ちは自然ですが、この待ち方にはあまり期待しない方がよいというのが今回の指摘です。

新しい技術や仕組みは、時間が経てば必ず分かりやすくなるとは限りません。むしろ新しいものが増え続ける分、判断材料はさらに複雑になります。チャットGPTのような新しい道具も、最初は単純に見えても、使いこなしの論点はすぐ増えていきます。

だからこそ、待つこと自体がリスクになります。環境が整ったらではなく、今の条件の中でどこから入るかを決める方が現実的です。

DXを二つに分けて考える

ここで役立つのが、デジタルオプティマイゼーションとデジタルトランスフォーメーションを分けて考える視点です。前者は既存業務の効率化や改善、後者は自社の価値提供や事業そのものを変えていく取り組みです。

この二つは、どちらが上という話ではありません。両方大事ですが、まだ何も進んでいない会社であれば、まずは業務効率化から入るのが現実的です。足回りを軽くし、人手不足や残業、属人的な業務の負担を減らしながら、技術を使うことへの抵抗感を下げていく。その積み重ねが、次の変革に進む土台になります。

いきなり自己変革まで進もうとすると、社内の理解も経験も足りず、話だけが大きくなりがちです。まずは改善を通じて成功体験を作る。この順序が大切です。

一発成功を目指さず、試行錯誤で進める

もう一つ大事なのが、最初から完璧に当てようとしないことです。白書の中でも、軌道修正しながら進める考え方が示されています。つまり、全部を決め切ってから動くより、目指す方向を決めたうえで試しながら修正していく方がよいということです。

これは中小企業にとってむしろ救いになる考え方でもあります。予算も人材も限られる中で、一発で正解を引き当てるのは難しい。だからこそ、最初の一歩を軽くし、手応えを見ながら次へ進む方が続けやすいのです。

ゼロから全部自前で考える必要もありません。白書の事例を読み、近い事業者のやり方を見て、まずはまねるところから始める。私が言うように、手本を分解して取り入れる姿勢の方が現実に合っています。

まとめ:前進を止める前提を捨てる

今回の4つのポイントはす。動き出しの起点は経営トップであること。待っていても取り組みやすい未来は勝手には来にくいこと。DXは効率化と変革に分けて考え、まずは現実的なところから始めること。そして、一発成功ではなく試行錯誤を前提に進めることです。

DXを重い言葉のまま抱えると、何も始まらなくなります。まずは自社の状況に引きつけて、どの改善なら今すぐ着手できるかを考える。その一歩が、次の変化につながっていきます。

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