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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
AI時代に伸ばすべきは、知識よりも「生の経験」
AIが社会を大きく変えていく今、「自分はどんな能力やスキルを伸ばしていけばいいのか…?」
と迷う場面がでてきたという声を聞きます。
コミュニケーション、ファシリテーション、プログラミングなど候補はいくつも挙がりますが、何を選ぶかの前に、私が現場でAI活用の差を見てきた結論は「生の経験を積み重ねておくこと」です。
私自身AIを日常的に使っていますし、もっと使いこなしている方も、まだ距離がある方も、仕事の現場で数多く見てきました。そこで一貫して感じるのは、AIを使って成果を出せる人ほど、もともと自分の中に「やってきた量」があるということです。
営業でも制作でも開発でも、実際に泥臭く手を動かした経験がある人は、発想の幅が広がりますし、AIへの頼み方そのものが変わってきます。
AIの返答の室を決める重要な要素「考えるフレーム」
AIを使っていて「うーん、そうじゃないんだよな」と感じるときがないでしょうか…?
あの違和感の正体は、「どこからどこまでを考えるべきか」という線引きが、こちらの期待とズレているケースが多いです。
これは、AI分野で「フレーム問題」と呼ばれる概念に近い話。
それは、ざっくりとは「AIは考えようと思えばいくらでも範囲を広げられてしまうため、こちらが求める枠に収めるには、指示する側が境界線を引いてあげる必要がある」ということ、
つまり、AIに「どこまで考えてほしいか」を渡せるかどうかが、成果の分かれ目になるわけです。
実践経験があると、AIに渡す条件が具体的になる
実際に経験がある人は、AIに対して「これも考えて」「そこは今は要らない」という判断ができます。そして、返ってきた案を見て、「何が満たされていないか」を言葉にして修正できます。
逆に、ふわっと「調べておいて」と頼むだけでは、返ってくるものもそれなりにしかなりません(ありますよね…)
AIを使いこなしている人ほど、最初に条件を丁寧に置いてから対話を進めています。例えば、代表的な物としては、次の3つの軸で整理していることが多いと思います。
- 「前提条件」――今何が分かっていて、何が分かっていないのか
- 「制約条件」――やってはいけないこと、触れなくてよいこと、優先順位
- 「期待するゴール」――何を決めたいのか、どの粒度のアウトプットがほしいのか
この条件出しは、頭の中だけで組み立てようとしても限界があります。
でも、自分で手を動かしたことがある領域であれば「ここが落とし穴」「ここは余計」という勘所が育つので、AIの出力を実務に乗せやすくなりますよね。
「将来AIがやるから、今はやらなくていい」は危ない考え方
AIやロボティクスの発展を見ていると、肉体労働も含めて代替される領域は広がっていくでしょう。
だからこそ「どうせその仕事はなくなる」と考えて、経験を積むことを避けてしまう人が出てきます。しかし、私の実感としては「仕事が消える」というよりも、「仕事の形が変わる」という表現のほうが正確です。
スピードが上がったり作業が軽くなったりしても、改善の余地は残りますし、安全性やコストの見直しなど手を入れる場所は次々に生まれます。そのときに効いてくるのが、実際にやってきた経験です。形が変わった仕事の中で、何をどう改善すべきかを見極められるかどうかは、過去の経験量に大きく左右されます。
経験は、どんどん積みにくくなる
便利さが増すほど、AIが当たり前になるほど「体験する機会」そのものが減っていきます。
たとえば移動ひとつ取っても、今は当たり前のように速く移動できますが、かつてのように「移動そのものが日常の経験になる」という状況は生まれにくくなっています。AIの進化も同じ構造で、効率化が進むほど、人が直接手を動かす場面は確実に減っていきます。
だからこそ、気軽に経験できるうちに体感する・手を動かしておくことが大切です。現場の温度感や細部の感覚は、画面越しに眺めるだけでは手に入りません。あとから取り戻そうとしても、そう簡単にはいかないものです。
体験を増やすために、今すぐできること
「経験を積め」と言うと大げさに聞こえるかもしれません。大切なのは、学びとして終わらせず、現場で人や業務と接しながら積み重ねることです。
- 副業として小さく受けてみる――範囲を決めて、責任を持ってやり切る
- 誰かの仕事を手伝わせてもらう――近くで見て、同じ手順を自分でもやってみる
- ボランティアでもいいので実務に触れる――「役割がある場」に入り、期待に応える
こうして体験を積んでおくと、AIを使う場面でも「何を任せて、どこを自分で見るか」の判断がしやすくなります。AIは便利な道具ですが、道具を価値に変えるには、使う側の解像度がものを言います。
余談:法人の生き残りはまた別問題…
個人のスキルの話から少し視野を広げると、法人側の世界も大きく揺れています。ChatGPTが新機能を出すたびに、産業全体がざわついてますよね。
例えばメディアの世界は、収益モデルの面でも専門性の面でも、相当厳しい局面に入っていくと感じています。
Google Discoverのように検索しなくても情報が届く仕組みがある上に、対話型AIも「おすすめ枠」のような形で情報を届ける方向へ進んでいます。さらにMCP(外部ツールと対話型AIをつなぐ仕組み)のような流れが重なると、情報の流通経路そのものが根本から変わっていきます。
現場でのAI活用は、これから一気に広がる
私の支援先でもAIツールを使う方は増えてきました。ただ、体感としてはまだ「当たり前」と言い切れるほどではなく、あるタイミングで一気に広がるのだろうと見ています。キャズム(普及の谷)を越える瞬間は、いつも急にやってくるものです。
また、無料版と有料版の性能差を実感する場面も増えています。有料版一択です。
企業の場合は扱う情報の性質もあり、設定を含めて慎重に運用する必要がありますが、道具としてのポテンシャルの差が大きいのは間違いありません。
さておき、AIがさらに普及する前の今だからこそ、実際に触れて経験を積んでおくことが、これからの大きなアドバンテージになるはずです。再度強調しておきます。実践かけるAIのかけ算です。
関連リンク
- ラウンドナップ・Webコンサルティング(公式サイト)
- G検定とは(一般社団法人日本ディープラーニング協会)
- What is the Model Context Protocol (MCP)?(Model Context Protocol)
- OpenAI、ChatGPT、Sora のプライバシー設定(OpenAI)
- Google Discover の概要、掲載、表示方法(Google 検索セントラル)
よくある質問
- AI時代に、まず伸ばすべきスキルは何ですか?
- 私の答えは「生の経験」です。経験が増えるほど、AIに任せる範囲を決められますし、返ってきた案の良し悪しも判断しやすくなります。
- 知識を増やすより、経験を優先したほうがいい理由は何ですか?
- 知識はあとからでも取りに行けますが、現場の肌感覚は体験しないと身につきません。AIに指示を出すときも、経験がある人ほど前提や制約を具体的に置けます。
- AIの返答がいまひとつなとき、どこを見直せばいいですか?
- 「どこまで考えてほしいか」という線引きを見直すのが近道です。前提条件、制約条件、ゴールを言葉にして渡すと、返答の質が変わります。
- 将来AIがやりそうな仕事は、今から経験しないほうがいいですか?
- 私は逆だと思っています。仕事が消えるというより形が変わるので、残る業務の改善や判断に経験が生きますし、今のうちに触れておくほど差がつきます。
- 経験を増やしたいのですが、現実的にはどう動けばいいですか?
- 副業で小さく受ける、誰かの仕事を手伝う、ボランティアで実務に触れるなど、方法はいくつもあります。ポイントは、学びで終わらせず、役割を持って現場に入ることです。
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