第19回:自社サイトだけのユーザーテストで、選ばれる理由は分かるでしょうか

中小企業を強くするWebマーケティングPodcast — ラウンドナップWebコンサルティング 中山陽平

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

「このサイトを見てください」では、普段と違う行動になります

ユーザーテストを行っているのに、なかなかマーケティングの改善につながらない。そういう場合に見直していただきたいのが、自社サイトだけを見てもらう形になっていないか、ということです。

普段、お客さんは一つのサイトだけを見て、商品やサービスを決めているでしょうか。検索して、いくつかの候補を見て、比べながら考えることが多いですよね。ところがテストになると、最初から自社のトップページを開いて「では、これを使ってください」とお願いしてしまいます。

その状態では、お客さんが普段行っている比較が抜けています。買う先として選ばれるかを知りたいなら、競合と比べる行動まで含めて観察する必要があります。自社サイトの中だけで起きていることを見ても、それだけでは分からない部分があるんです。

使いやすさの確認と、購入先を選ぶテストを分ける

もちろん、サイトの使いやすさを確かめるという目的なら、そのサイトを操作してもらうことに意味があります。特定の情報が見つかるか、操作でつまずかないか。そうしたところを確かめたい場合はあるでしょう。

ただ、それができたからといって、お客さんが自社から買うとは限りません。ほかのサイトの方が条件を理解しやすいかもしれませんし、比較して初めて気になる点が出てくるかもしれません。

何を確かめるテストなのかによって、お客さんにしてもらう行動も変わります。マーケティングの観点で改善したいのであれば、自社サイトをうまく使えたかだけでなく、比較した上でどう考え、どこを選ぶかを見ていただきたいんです。

こちらが用意したサイトの中だけで完結させてしまうと、普段とは違う条件での感想になりやすい。実際のお客さんに近い行動をしてもらうことを、テストの設計に戻して考えてみてください。

競合も見ながら、一つを選んでもらう

例えば、三つ、四つのサイトを見ながら、目的を達成するためにどこを選ぶか考えてもらいます。途中で、ほかにも探したくなることがあるでしょう。その動きも含めて見ていくんです。

できれば検索するところから始めてもらうと、どんな言葉を使うのか、検索結果のどこを見て選ぶのかが分かります。サイトへ入った後だけでなく、その前にどう候補を探しているかにも気付きがあります。

複数のタブやウィンドウを使って行き来する人もいますし、いったん見たサイトに戻る人もいるでしょう。一つのページの感想ではなく、情報を探し、比べ、決めようとする一連の行動を見てください。

自分たちが大事だと思っている情報と、お客さんが比較のときに探している情報が、同じとは限りません。自社だけを見ていると気付けなかったことが、競合の説明を読んだ後に出てくることもあります。だからこそ、比較をテストの外に置かないでほしいんです。

誰に使ってもらうかも、商品を選ぶ状況に合わせる

もう一つ大切なのが、テストをお願いする相手です。例えば、新しいボードゲームを評価するときに、普段ボードゲームをほとんどしない人へお願いしたらどうでしょうか。

そのゲームが、すでにいろいろなゲームを楽しんでいる人向けであれば、見てほしいところが合わないかもしれません。どんなゲームを知っているか、何と比較するかで、受け取り方は変わります。逆に、初心者に遊んでもらうためのゲームなら、初めての人にお願いする意味がありますよね。

テストをする人も比較する対象も、実際に買ってほしいお客さんの状況に合わせることが必要です。誰でもよいから触ってもらえば、目的に合った気付きが得られるというわけではありません。

これはWebサイトでも同じです。実際にサービスを探す方が、どのような知識を持ち、何を求め、ほかにどこを見るのか。その状況を考えてテストを組み立ててみてください。自社サイトだけを評価してもらう発想から、競合も含めてお客さんがどう選ぶかを見る発想へ変えることで、テストから得たいことがはっきりしてくると思います。

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