第282回:非対面対応を成功させるための「対面と非対面」の考え方の基礎

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

今回は、非対面対応をどう成功させるかを考えるうえで、最初に置き直しておきたい前提を整理します。コロナ禍をきっかけに非対面の売り方へ関心が集まりましたが、ここで対面をそのまま正解にしてしまうと、設計がずれていきます。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • 非対面対応は、対面の劣化版として埋め合わせる発想ではうまくいきにくいと分かる。
  • 距離や時間を超えられることこそ非対面の強みであり、そこを軸に別の価値を設計すべきです。
  • 情報があふれる時代でも、相手の判断を飛ばして動かそうとするやり方は長い目で見ると危険だと理解できる。
  • 気持ちよくイエス・ノーを言える環境を作ることが、非対面時代の信頼形成につながると見えてくる。

対面をゴールにしない

非対面対応を考えるとき、多くの人は「対面でできていたことを、どう埋めるか」と発想しがちです。対面の状態を理想形にして、そこへどこまで近づけるかを考えるわけです。ただ、この前提自体がかなり苦しい。なぜなら、現状の非対面環境は、どうしても対面と同じ情報量を渡せないからです。

共有できる感覚に限界がある

今の非対面は、基本的に視覚と聴覚が中心です。味覚や嗅覚、触覚は当然共有できませんし、視覚と聴覚も完全ではありません。音はかなり良くなってきましたが、映像は相手のカメラの画角や解像度に縛られます。こちらがどれだけ大きなモニターで見ても、向こう側が切り取った範囲しか見えない。空気感や機微が伝わりにくいのは、努力不足というより構造上の制約です。

画面を大きくしても埋まらない

非対面が難しいのは、こちらの設備だけの問題ではありません。相手の表情、姿勢、場の雰囲気まで含めて読むのが対面だとしたら、非対面では最初から受け取れる情報が少ない。だから「対面と同じ状態に戻そう」という考え方にこだわると、ずっと足りないことばかり見てしまうんですよね。

非対面ならではの価値を作る

必要なのは、対面の代用品を作ることではなく、非対面でしか出せない価値を設計することです。対面と同じか、それ以上の価値を持つ別の選択肢として置けるかどうか。そこが勝負になります。

距離を超える

非対面が成立すると、遠くのお客さまにもサービスを届けられます。もしまた外出しにくい状況が来ても、売上の柱を保ちやすくなる。商圏も広がり、不安も減ります。これは対面の置き換えではなく、明確な新しい利点です。

時間も超えられる

さらに、非同期の要素を組み込めれば、相手の都合のよい時間に受けてもらえます。いつでもどこでも受けられる状態は、それだけで商売の幅を広げます。だからこそ、対面に寄せる努力より、非対面ならではのサービス設計や商品開発に力を使った方が前向きです。

情報過多の中で避けるべき近道

非対面が広がると、ネット上の情報はさらに増えます。そうすると「どうやって相手の判断を飛ばしてでも動かすか」という発想に寄りやすくなる。私が危惧していたのは、まさにそこでした。

考える前に動かさせる発想

取り上げられていたのは、五感に働きかけて相手の評価や行動を変えるという考え方です。ただ、その説明のされ方が問題でした。相手が一度考え、判断し、自分に合うかどうかを見極める過程を、できるだけ通らせないようにする。これは、伝わりやすくする工夫とは別物です。相手の理解を助けるのではなく、相手の判断をすり抜けようとする発想だからです。

一部の成約の裏で大勢を失う

こうしたやり方は、短期的には一部を動かせるかもしれません。けれど、その裏で圧倒的多数に嫌われます。無理やりの問い合わせフォーム営業や、未承諾に近いメール、相手の不安や反射を突くような売り方は、たとえわずかな成果が出ても、その先の見込み客を大量に失います。3人取れても、残りの人に強く嫌われたら、長い目では大きな損失です。

判断を助ける設計

非対面時代に必要なのは、相手をコントロールすることではありません。相手がきちんと理解し、自分で納得して判断できる環境を整えることです。

気持ちよくイエス・ノーを言える状態

自分たちの情報がきちんと伝わり、相手がスムーズに判断できるようにする。そして、イエスでもノーでも気持ちよく答えられる状態を作る。これが本来のマーケティングの役割です。非対面だからこそ、この丁寧さはより重要になります。

ノーの先も関係を残す

今は違う、今回は必要ない、というノーは問題ではありません。問題なのは、うっとうしい、嫌な会社だ、もう見たくないと思われることです。非対面では接触回数が少ないぶん、一回の印象が残りやすい。だからこそ、将来の関係まで含めて設計しなければなりません。

まとめ:非対面は別の強みで勝つ

非対面対応を成功させたいなら、まず「対面にどこまで近づけるか」という発想を外すことです。対面と同じにしようとすると、できないことばかりが目につきます。そうではなく、距離や時間を超えられることを価値として設計し、もう一つの強い選択肢にしていく。その方が筋が通っています。

そして、情報があふれる時代だからこそ、相手の判断を飛ばすような近道には寄らないことです。理解しやすく、判断しやすく、ノーでも関係を残せるようにする。その積み重ねが、非対面での信頼を作ります。

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