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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
- 送料無料ラインは単なる条件ではなく、客単価と店の印象を左右する戦略要素だと分かる。
- 売り手が送料の重要性を理解していても、買い手は送料をネガティブな出費として受け取りやすい。
- 物流コストの正しさを説明するだけでは届きにくく、その感覚を前提に事業を組み立てる必要がある。
- 人と物の移動には今後もコストがかかり続けるため、移動を減らす仕組みづくりが経営課題になる。
送料無料ラインが揉める理由
今回の話は、楽天の送料無料ライン統一問題そのものを裁く回ではなく、なぜこれほど反発が起きるのかを商売の構造から見直す内容でした。最初に押さえたいのは、送料無料ラインが売り手にとってかなり戦略的な要素だという点です。
客単価をつくる調整弁
送料無料の下限は、お客さまが「今日はやめておこう」となるか、「もう少し足して買おう」となるかを左右します。平均購入額に合わせて細かく調整することで、売り手は売り上げを伸ばしてきました。だから、そこを一律に動かされることへの反発が強く出るのは自然です。
店の立ち位置まで変わる
下限額は金額調整の道具であるだけでなく、その店の見え方にも影響します。急に下がれば、安売りの店になったように受け取られて離れるお客さまが出ることもある。単純な条件変更ではなく、店の戦い方を握る部分だからこそ問題が大きくなります。
買い手は送料をどう感じるか
ただし、ここで売り手の論理だけで考えると危険です。買う側から見れば、送料の分かりづらさや高さへの不満はもともと強く、安くなるなら歓迎という反応が出やすいからです。
送料は最後まで前向きになりにくい
送料は、どこまでいっても「余計に払わされている」感覚を持たれやすい要素です。だからこそ、価格に吸収したり、ポイントと合わせて見せたり、各社がいろいろな工夫をしてきました。けれども、送料そのものにポジティブな印象を持ってもらうのは難しい、という前提は変わりません。
自分が動くコストは見えにくい
話の中で印象的だったのは、人は自分が動くことのコストをあまり意識しない、という見立てです。家事や移動のように、自分でやっていることは無料に近い感覚で受け取りがちです。そうなると、それを代わりにやってくれる配送に対しても、当たり前にお金を払う感覚が育ちにくくなります。
正しさより前提の置き方
この感覚差がある以上、物流にはコストがかかると正しく説明するだけでは足りません。商売としては、その理解が広がりにくいこと自体を前提に据える必要があります。
物流の苦労を訴えても届きにくい
物を運ぶのにお金がかかるのは当然ですし、現場の大変さも事実です。ただ、そこを丁寧に説明したとしても、多くのお客さまの受け止め方は大きく変わらないだろうというのが今回の見立てでした。気持ちとしては分かっても、支払いの感覚は別物だということです。
送料を前提に設計し直す
だからこそ、送料をどう正当化するかより、送料が嫌われる前提でどう設計するかが大事になります。価格の作り方、商品の組み方、見せ方、ポイントや特典の置き方まで含めて、マイナス要素をどう吸収するかを考える必要があります。
これからの事業設計
話はECの送料問題から始まりますが、後半ではもっと広い経営の話に展開していました。これからは、人と物の移動そのものをどう減らすかが、あらゆる事業で重要になるという考え方・方向性です。
無料に見えても高コストはある
たとえばニュースレターを無料で送っていても、実際には配送費、印刷費、持ち込み費が重なり、かなり大きなコストになります。それでも全体のマーケティングでプラスになるから続けている、という実例は、送料や配送の重さをかなり具体的に伝えていました。
動かさない仕組みを増やす
少子化や人件費上昇が進む中では、人や物を頻繁に動かす前提の商売は厳しくなりやすい。特に小さな会社ほど、高コストな体制を抱え続けるのは難しくなります。だから、できるだけ移動を減らし、そのぶんを利益や別の価値に回せる仕組みへ寄せていくことが、長い目で見た対策になります。
まとめ:送料の正論より消費者感覚を前提に置く
楽天の問題が大きく見えたのは、送料無料ラインが売り手にとって戦略そのものである一方で、買い手には最後まで嫌なコストとして映りやすいからです。このギャップは簡単には埋まりません。だからこそ、物流の正しさを説明することよりも、その感覚差を前提に価格や仕組みを組み立て直すことが重要です。さらにその先では、人と物をなるべく動かさない形へ事業を寄せていく視点が、ますます重くなっていきます。
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