- ここからは、実際に動画を作成して運用していくまでの過程を4つのステップに分けてお話していきます。2ページに分けていきます。 具体的には
- どこに出すか決める(キーワード選定)
- 動画を作る(コンテンツ作成)
- YouTubeで動画を公開する(コンテンツ公開)
- 動画を改善していく(コンテンツの改良)
の4ステップです。
ステップ0:仮説は立てておく
4ステップの前の大前提として
「自社の商品やサービスを使ってくれる人が知りたいことを、漠然とでもいいので把握しておく。できればターゲットのペルソナも作成する」
「もし自分が競合他社の製品を買うとしたら、何を知りたいか想像する」
ことを行なって、おおざっぱに
「こんなことが動画で見られたらいいはず」
という仮説を作っておいて下さい。 なぜなら、本当にゼロから考えだすと、議論がまとまらないからです。いわゆる空中戦です。 一端仮説を作るなり持ち寄るなりして共有し、ステップを進めながら修正していく、というやり方をお勧めします。 ちなみに、顧客のことを一番良く知っているであろう営業担当の方を絶対に巻き込んでくださいね。制作担当だけで進めると、現場との乖離がおきます。
前提:検索結果に表示されなければ意味が無い
このステップは「動画が検索エンジンの検索結果に載っている」という大前提があります。 今やネットの入り口はポータルサイトや草の根リンク集ではなく、検索エンジン。 検索エンジンで検索して出てこなければ、存在しないも同然です。 では、どうすれば検索結果に載せることができるのでしょうか。 これには2つのポイントがあります。 それは
- 見込み客・顧客になりそうな人が検索するキーワードを狙う
- 検索結果に動画がでないキーワードを避ける
です。
1.見込み客・顧客になりそうな人が検索するキーワードを狙う
動画でもWEB ページでもなんでも、検索者のニーズありきです。 どんなにいいものを作っても、そこにニーズがなければ意味がありません。 たくさん検索されているキーワードは、それだけニーズがあります。 なので、狙っているターゲット層が使っていそうなキーワードをリストアップし、その中から実際に見込みの有りそうなものを絞り込んでいきます。
検索エンジンマーケティングと同じです。
ニーズがない所にコンテンツを作るのは、荒野で一人セールストークを叫ぶのと同じです。 これは、Google のキーワードツールが王道かつ確実ですね。
▼ GoogleAdwords キーワードツール https://adwords.google.co.jp/o/Targeting/Explorer
Google のキーワードツールの使い方については、参考サイトや書籍などもたくさんありますので割愛します。 また、自社サイトにGoogle のウェブマスターツールを仕込んでいる方はそれも便利です。 「ウェブ上のサイト」→「検索クエリ」で、どのようなキーワードでサイトにアクセスされているかが分かります。 基本的には見込みの有りそうなキーワードの中でCTRが低いものを狙っていくのがいいでしょう。 ※さらに、アクセス解析でキーワードごとのコンバージョンと照らしあわせてCVRが高いものを優先させたいところです。 SSL 化で色々と困難になりつつありますが、その際はウェブマスターツールも活用下さい。
▼Google Search Console
https://www.google.com/webmasters/tools/homeこちらも使い方は、他のサイトをご覧ください。 使っていない方は、動画マーケティングに限らずとても有用なので導入してみてください。無料です。
2.検索結果に動画がでないキーワードを避ける
今、いくつかのキーワードでGoogle 検索をしてみてください。 動画がない検索結果ページもたくさんありますよね? これには2つの原因が考えられます。
-
- 「検索結果に表示するに価する動画がない」
- 「Google が、その検索キーワードなら動画を見たいという人はあまりいないだろう、と思ってあえて出していない」です。
1 つ目は表示させられる可能性がありますが、2 つ目は厄介です。 2 つ目を覆すのは世の中が変わらない限り、現実的に不可能と考えて下さい。 せっかくニーズがあると思って動画を作っても、それが2番に当たってしまったらがっかりですよね。 なので、見分けていく必要があります。
どのように見分けるのか?
実際これはなかなか難しい問題です。 Google が「これとこれは出すよ!」というようにアナウンスしたり資料を出しているわけではないからです。 ただ、Google は
「ユーザが動画を求めていそうなキーワードの時には動画をだすし、画像を求めていそうなキーワードなら画像検索結果へのリンクを上の方に出す、というキーワードごとにユーザの気持ちを組んだ検索結果を出す」
という、検索キーワードベースでの出し分け方針を持っています。 例えば「練馬区 歯医者」のように地名を入れれば、必ずGoogle プレイス(Google+ローカル)へのリンクがたくさん出ます。 それは検索者が地域名を入れたということは、ローカル情報が欲しいのだろう、とGoogle が判断しているからです。 そこから考えると、いくつか調べ方が浮かびます。
例:GP001-V
例えばGP001-V という型番の扇風機が仮にあったとして、
- 「GP001-V 風量」というキーフレーズ(複合キーワード)で動画を出したい場合、
- 「別有名メーカー製品の型番 風量」で検索してみる
- 「GP001-A(※少し昔の自社製品) 風量」で検索してみる
- 「別有名メーカー製品の型番 風圧 」などの類似キーワードで検索してみる
などで動画が出ていれば、同じように動画を出せるキーワードの可能性が高いですね。 また、Google の動画検索で、狙っているキーワードで検索をしてみて、大した動画がない場合は、きちんと作れば掲載される可能性が高いです。 しかし「これが検索結果に出ていてもおかしくないと思うんだけどなぁ」というような動画がたくさん出てくる場合は、そのキーワードに対してGoogle は動画を出さない方針なのかもしれません。 というように、最終的に憶測の域を出られるわけではないのですが、以上のようなやり方で検索結果に出る可能性があるかどうかを、ある程度調べることができます。
キーワード選びのまとめ
キーワード選びについてまとめますと、
- そのキーワードで検索する人は、お客さんになってくれる可能性が高く
- Adwordsでの検索数が多く(ウェブマスターツール上で見込みがあるがCTRが低く)
- Googleが動画を出すキーワード
そんなキーワードをまずは10個程度選定して下さい。 キーワードは一語である必要はありません。キーワードツールを使うと分かりますが,今は2~4コの複数キーワードを入れるのが普通です。
※競合他社について
その検索キーワード上での競合については、一般のSEOと比べてそれほどシビアにならなくてもいいかもしれません。
Google は「ユニバーサル検索」という概念で検索結果を作っています。
あるキーワードでの検索結果に対して、「WEB ページ」「画像」「動画」「ローカル情報(マップ)」「ショッピング」などのコンテンツをまとめて競争させるのではなく、コンテンツの種類ごとに競争させて、それぞれのカテゴリの中での順位を決めています。
なので、動画を2つ出す、とGoogle が決めたキーワードなら、どんなにSEO 的に強いWEB ページがたくさんあっても、あくまで動画コンテンツ内での戦いになるので、意外と簡単に1ページ目に表示されたりします。
その観点で、考えてみてください。(そういう意味でも動画は強いです)
※ビデオサイトマップについて
動画コンテンツの存在をGoogle に教えてあげる手段として「ビデオサイトマップ(動画サイトマップ)」の重要性がよく説かれています。
これはもちろん重要ですが、YouTube を使っている場合は必要ありません。
ただし、YouTube 上のコンテンツをサイト内に埋め込んでいて、その埋め込んだサイトのページも動画ページとしてGoogle に伝えたいのなら、作成する必要があります。
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コンテンツ一覧
- スタートアップブック:目次
- 第1回:そもそも動画マーケティングとは?
- 第2回「こんな言葉には要注意」
- 第3回「動画の力は検索エンジンの中で発揮される」
- 第4回:事例「家庭用プラネタリウムを買いたい人」
- 第5回:本当はみんな見て触って確認したい
- 第6回:効果のある動画を作る4ステップとは?
- 第8回:効果のある動画を作る4ステップ(ステップ2)
- 第9回:効果のある動画を作る4ステップ(ステップ3)
- 第10回:効果のある動画を作る4ステップ(ステップ4)
- 第11回:仮想事例1:工務店が動画を活用するには(前半)
- 第12回:仮想事例1:工務店が動画を活用するには(後半)
- 第13回:仮想事例2「WEBにあまり力を入れて来なかった場合」
- 第14回:副産物・そして全体のまとめ
- 第15回:おわりに