第277回:様々な縁が切れていく時代にWebで売るために2020年代に必要なこと

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

  • 2020年代にWebで売るうえで、機能や価格だけでは足りない理由が分かる。
  • 地域や会社など既存の帰属が弱まる中で、商品が担う役割を捉え直せる。
  • 中小企業が今のうちに試すべき「世界観づくり」の方向が見えてくる。

これからWebで物を売るうえで大事なのは、商品説明をうまくすることだけではありません。もっと手前にあるのは、その商品やサービスが、買う人にとってどんな立ち位置を持つのかということです。

今は、地域、会社、職種といった、かつて人を支えていた帰属の土台がゆるみ続けています。そこへコロナ禍やリモート化が重なり、どこに属しているのか、何を拠り所にしているのかが見えにくくなりました。そうした時代には、商品そのものの機能よりも、その先にある物語や世界観が、選ばれる理由になりやすくなります。

付加価値が主役へ反転した時代

昔から「付加価値が大事」と言われてきました。ただ今は、その付加価値が主戦場になっています。最低限の欲求を満たす商品やサービスは、すでに世の中にあふれているからです。

すると、買う理由は「これが必要だから」だけでは足りません。買うことで気持ちよくなれるか、自分の生き方や価値観にしっくりくるか、そういう部分が重くなります。つまり、商品は単体で完結するものではなく、使う人がどんな人間でありたいかと結びついていくのです。

この意味で、商品を選ぶことは、そのまま自分の立場や感覚を選ぶことでもあります。だからこそ、売り手は機能を説明するだけでなく、その先にある考え方まで提示できるかが問われます。

既存の帰属が弱まるほど物語の受け皿が必要になる

なぜそうなるのか。背景にあるのは、人が寄って立つ場所が減っていることです。地域とのつながり、会社への帰属、ひとつの場所に定住する前提。そうしたものが少しずつ薄くなっています。

リモートワークが広がり、働く場所も住む場所も固定でなくなりつつあります。ホテル滞在型の働き方や、移動しながら仕事をするような発想が現実味を帯びてきたのも、その延長にあります。車や移動空間そのものが仕事場になるかもしれない、という話も、少し前なら特殊でしたが、今はそこまで遠い話ではありません。

こうした変化は、単に新しい生活様式が出てきたという話ではありません。人が「私はこういう人間だ」と感じるための足場が揺れているということです。すると、人は別の形で自分のフックを探します。そのときに、商品やサービスが世界観や所属感の入り口になれるかどうかが、売れるかどうかに直結してきます。

商品は入口であり、その先の世界を見せる

ここから見えてくるのは、商品をただ売る発想から一歩進む必要があるということです。大事なのは、その商品を通じてどんな世界に入れるのか、どんな考え方を持つ人だと感じられるのか、そこまで含めて設計することです。

これは大げさなブランディングの話だけではありません。商品開発の段階で、どんな価値観に寄り添うのかを考えること。見せ方を少し変えること。買ったあとにどんな体験が続くのかを整えること。そうした一つひとつが、帰属の弱い時代には大きな意味を持ちます。

言い換えれば、商品はきっかけに過ぎません。その商品を選ぶことで、自分はこういう方向に行ける、こういう人たちとつながれる、という感覚まで届けられるかどうかが鍵です。

中小企業こそ先に試せる

この動きは、中小企業に不利とは限りません。むしろ、お客さんに近く、意思決定が速い会社の方が、小さく実験しやすい面があります。今のうちに、自社はどんな会社なのか、どんな価値観を持っているのか、商品を通じてどんな立場や感覚を提供できるのかを言葉にし、試していく価値があります。

これまで、理念やミッションは社内をまとめるもの、採用で伝えるものとして扱われがちでした。これからは、それを売るためにも使っていく必要があります。会社の中だけで完結させず、お客さんがそこへ入っていける形にしていくことが重要です。

便利さだけで終わると、いずれ似たものに置き換えられます。だからこそ、自分たちは何者で、何を目指し、どんな人に共感してほしいのかを、商品や発信に乗せていく必要があります。

まとめ:縁が薄い時代ほど世界観が売れる

2020年代にWebで売るために必要なのは、機能の説明を増やすことだけではありません。地域や会社など既存の帰属が弱まる中で、商品やサービスを通じて、どんな世界観や立ち位置を提供できるかを考えることです。

付加価値はもう脇役ではありません。選ばれる理由の中心です。中小企業こそ、今のうちから自社の物語や価値観を試し、商品を入口にした関係づくりへ踏み出すべき時期に入っています。

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